janvier 27, 2004

AntenneFrance N.261 日本VSフランス ITERをめぐる誘致合戦

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  □日本VSフランス ITERをめぐる誘致合戦
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◆◆日本VSフランス ITERをめぐる誘致合戦
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 ▽夢のエネルギー「ITER」
 人類にとって永久的なエネルギー源としての可能性を秘めた「国際熱核融合実験
 炉」(ITER=イーター)の建設をめぐる日仏の誘致合戦が大詰めを迎えています。
 フランスのカダラッシュ(マルセイユ近郊)か、日本の六ヶ所村(青森県)か。決戦
 を迎えた2003年12月20日の閣僚級会議では決着は難航、来月の2月頃へと先送りさ
 れました。

 ITERとは、太陽が燃える仕組みと同じで、重水素、三重水素といった軽い元素を
 融合させてエネルギーを生む核融合を実験するための施設です。実現すれば燃料1
 グラムで石油8トン相当のエネルギーを生むことができます。今後100年で世界の
 エネルギー消費は3倍になると言われる中、人類の恒久的なエネルギー源として国
 際的な注目を浴びています。

 これだけ期待の大きいエネルギー誕生の研究だけあって、各国の協力のもとにす
 すめられています。1985年の米ソ首脳会談をきっかけに動き始め、その規模は国
 際宇宙ステーションに次ぐ科学技術の巨大プロジェクトと言えましょう。30年間
 の総費用は1兆3千億円に及び、建設費は10年間で5千7百億円、運転費は20年間で6
 千億円かかります。

 ▽日仏の一騎打ち 建設地の誘致合戦
 ITERの誘致にはフランス、スペイン、カナダ、日本が名乗りをあげていました
 が、誘致国が建設費を48%、運転費の42%を負担することになり、費用負担に踏み
 切れなかったカナダは脱落。当初日本側が建設地として選ばれたさいの建設費負
 担は38%と想定していてものの、ウィーン会議でフランスとしてではなくヨーロッ
 パとしてのプロジェクトとしてフランス側が48%の負担を提示。日本もそれを受け
 入れることとなりました。

 日本の候補地は青森県上北郡六ヶ所村にあり、広い敷地を有し、豊富な水の供
 給、安定した強固な電力供給系統につながり、また近傍に重量物の荷揚げを可能
 とする優れた港湾施設を持つなど要求条件を超えた優れた特性を持ちます。フラ
 ンスの候補地カダラッシュは内陸100kmぐらいの立地で、巨大な建設資材を運ぶこ
 とが可能かどうかの懸念が出たものの、既にインフラ整備はカバー、また市の隣
 に研究所があるといった利点を持ちます。

 2002年7月当時の文部科学副大臣青山丘氏は誘致によってもたらされる利点を、国
 際貢献による世界からの尊敬、国内での優れた科学者の育成による科学技術創造
 立国の推進、現在の石油資源から核融合による安定したエネルギー源の確保等を
 挙げ誘致に意欲を見せていました。

 対するフランス側のクローディエニュレ研究・新技術大臣は、誘致国が決定され
 る予定だった2003年12月20日の閣僚級会合の直前に来日。日本人記者が集まった
 会見では、カダラッシュはEUを代表する候補地でEU諸国の財政面の支援が得られ
 ることや、明日にでも稼働が可能な状態にあると述べ、自信を見せていました。

 こうして両国の熱い思いを浴びて迎えたITER閣僚級会合ですが、結論としては
 「建設地の合意には至らず」と発表され、今後のスケジュールも「出来るだけ早
 い時期(2月頃と見込まれる)に再度閣僚級会合を開催する予定」という曖昧なもの
 に幕を閉じました。

 というのも誘致は参加国の指示を多く集めた方が勝ちますが、今回の難航は米は
 日本を指示、中国、ロシアがフランスの指示にまわり、韓国は最終的に棄権し、
 決定的な決め手が見つからなかったことが原因と言われています。イラク戦争で
 の米仏の不協和による米の日本指示など、国際的な政治状況を反映しているとも
 言えそうです。

 ▽白熱の戦いの中に潜むITERの危険性
 熱い誘致合戦の決着が気になるところですが、その一方では、核融合に対する懐
 疑的な意見も出ています。2003年3月10日に、多量の放射性廃棄物が出るとして
 ノーベル賞受賞の小柴昌俊さんらが誘致の見直しを求める嘆願書を内閣府などに
 提出。燃料に蓄えられるトリチウムの猛毒性を指摘し、チェルノブイリ原子炉の
 事故に匹敵する危険性があり、「ITERの誘致を見直して下さい」と訴えかけてい
 ます。

 国内の団体でも「理論的・技術的な解決策が得られておらず、最終的には核のゴ
 ミと財政難を六ヶ所村に押しつけることになるのではないか」という反対意見を
 出しています。さらにITER計画の最初の提唱者であったアメリカがいちはやく撤
 退しているという事実もあります。ITERの実用化目標は2050年頃で、随分と遠い
 未来の話になりますが、これほどまでの莫大な費用の負担と事故が起きたときの
 危険性があるにも関わらず、デメリットについて日本国民に充分知らされないま
 まというのに不安を感じずにはいられません。

 ▽平林博・駐仏日本大使「フランス側の態度を批判」
 そして最近では、平林博・駐仏日本大使による寄稿が2004年1月23日付けのフラン
 ス日刊紙ルモンドに掲載されニュースになっています。「ITERで小競り合いはや
 めよう」との内容でイラク戦争がらみで論じるフランス側の態度を批判、ラファ
 ラン首相が今月中旬「欧州単独でもITERを実施するかもしれない」と述べた
 ことについて、「フランスは国際協力なしに計画を実施したいのか」と問い、国
 際協力が成功の鍵だと強調しました。

 大使は建設地の選定は「純粋に科学技術的諸点」から行うべきだと主張、日本の
 科学的蓄積と地震対策の優位性を指摘し、本体を六ヶ所村、データ解析センター
 をカダラッシュに建設すると案を示しました。日本がフランスに対し、こうした
 提案を公表したのは初めてのことです。

 今年1月初めエーブラハム米エネルギー長官が日本指示をあらためて表明してお
 り、いよいよ2月に決定します。
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janvier 22, 2004

AntenneFrance N.260 BSEで変わる世界の食肉事情

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◆◆BSEで変わる世界の食肉事情
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 フランスでは数年前「狂牛病」と言われ、さすがにフランスは肉食の国と思わせ
 るぐらい毎日のように新聞などで報道されていました。日本でも去年ほどではな
 くても大きな問題になっています。今回は最大の輸入元のアメリカでの発病で日
 本ではアメリカからの牛肉輸入を全面禁止するなど素早い対応を行いましたが、
 これが問題となっているようです。フランスでもイギリス厚生相の人間への感染
 可能性を認めた発言に端を発したこの問題から、イギリス牛肉輸入を全面禁止す
 るという対応を行い問題となっていました。

 EU委員会はイギリスの牛肉輸出を96年3月から禁止、99年8月に解除しました。し
 かしフランスは輸入禁止を続けていました。イギリスは欧州裁判所に提訴し、同
 裁判所は2002年10月半ば以降から罰金を科すことが決定されました。フランスは
 2002年10月2日、罰金の支払い開始寸前に輸入禁止を解禁。以前はイギリス産牛肉
 の輸出量の半分はフランス向けだったのですが、予防的に牛を屠殺しすぎて売る
 肉がなく、フランスの輸入解禁は政治的な意味が大きいようでした。

 実際フランスの牛肉が安全であったかというと、そうではなくBSE感染した牛だけ
 ではなく、クロイツフェルト・ヤコブ病による死者も出ています。輸入の半分を
 フランス産に頼っているイタリアでもフランスからの輸入を禁止しました。絶対
 安全と発表していたドイツでも感染が見つかりました。(ちなみにフランスでは
 BSEはESBになります)

 さて十数年前まではアメリカ産の牛肉なんて日本の市場にそんなになかったので
 はないのかと思います。88年の日米経済摩擦で牛肉、オレンジなどの自由化が行
 われてからでしょう。そのころはアメリカ産の牛肉なんてまずいと言われて、ほ
 とんど見向きもしなかったのですが、昨年はアメリカ、オーストラリア産の牛肉
 だから安全だと言われ随分立場が変わってしまいました。

 牛は西アジアからヨーロッパが原産地と考えられており、紀元前8000年には家畜
 化されていたそうです。日本でも縄文時代には飼われていたようで、食用にもさ
 れていたそうですから、なかなかの歴史があるんですね。日本産牛肉は品種改良
 が進みおいしくて、輸入肉はそうでもないと思われているようですが、欧米でも
 「おいしい」牛肉作りが研究されています。

 日本では霜降りがおいしいとされていますが、ヨーロッパで最大の牛肉生産国で
 あるフランスでは赤身のおいしい牛肉作りを追求しています。もちろんフランス
 人が日本の霜降りの牛肉を食べるとおいしいと言いますが、欧米では脂肪が多い
 と嫌う人も多いそうです。肉質は牛が食べるえさや品種によって変わってきま
 す。元々牛は草を食べて育ちますが、穀物を食べると肉質が柔らかくサシが多く
 なるそうです。

 食用の牛は主にイギリス系とフランス系と分かれるのですが、フランス系で有名
 なのが日本ではほとんど知られていないワインでも有名なブルゴーニュ地方の
 シャロレー地区原産のシャロレーと言う品種です。こちらは赤身で脂肪分の少な
 いお肉です。一般に霜降りでないと堅い肉と思いますが、この品種は赤身でも柔
 らかいのです。シャロレー種は日本では1960年に導入されたそうですが、日本人
 の好みではなく次第に衰退したそうです。

 フランスではワインはすでに日本でもおなじみのAOC(原産地呼称証明)など農産物
 に関する品質管理やラベル付けが行われています。AOCは生産地の名称を名乗るこ
 とが出来る表示ですが、その産地の伝統に基づくことが前提となっています。そ
 のほかにも一般の商品よりも高品質であることを表示するラベルルージュ、商品
 の個性と生産基準を維持することを目的としたCC(基準適合証明)、環境問題の観
 点から制度化されたAB(有機農産物認証)などがあります。(これらの基準はすべて
 の製品に対して制度化されているわけではありません。)

 いまでは美食のためのブランドの様に見えるラベル付け自体は危機によって設定
 されました。AOCは19世紀後半のブドウの病気による被害や産地を偽ったワインが
 横行したことが背景となっています。ラベルルージュは1950年ブロイラーの大量
 生産による品質の低下や不安から制定されました。CCは今回のBSEなどの家畜の伝
 染病などが背景になりました。こちらは地理的な生産地の認定と言うよりも、生
 産工程の品質管理に重きが置かれているようで企業による大量生産の食品も対象
 となっています。

 ところで牛肉に関しては、牛の耳たぶにつけられたバーコード付きのタグにより
 管理されます。1頭に1つのパスポートを発行され、個体の情報や移動記録や衛生
 記録などが記録されていきます。BSE検査に関しては、検査しないものは流通しな
 いと言う考え方から表示しないそうです。そのほか特にBSEに関しては強く取り組
 んでいます。BSE検査を商業的に利用させないために、「検査済み」という表示は
 してはいけないのです。これは検査をしたからと言って100%リスクがないわけで
 はないことを消費者に認識させるためでしょう。政府が指定した危険部位は、国
 有財産となり焼却され市場には流れません。たとえばフランス料理で欠かせない
 リードヴォーは販売禁止措置が取られています。

 2歳齢以上の成牛100万頭に対しBSE発生数500頭のイギリスに対しフランスは7頭と
 低い水準を保っています。これら対策の費用は小売価格に反映しましたが、消費
 者が選んだのはスーパーの安売り商品ではなく、専門店での購入でした。また、
 ラベルルージュ認定の牛からはBSE発生がなかったことから、かえって需要を伸ば
 したと言われています。

 しかし、だからといってフランスの方が優れているとも言い切れません。フラン
 スでは2000年になってから発生数が急増し、感染牛の食肉が出荷されたこともあ
 ります。フランスも含め多くの国の政府がこの問題に対する対応において後手に
 回っていますし、肉骨粉飼料禁止後に生まれた牛からも発見されています。フラ
 ンスでは感染牛のみならず同一牛群の牛すべてを焼却処分、さらに母牛から生ま
 れた子牛も処分されています。このような厳しい処分に反対する声もあり、同一
 牛群の他の牛は検査して問題がなければ処分する必要はないと言うことです。し
 かしフランス農水省は現在の検査は不完全であり潜伏期間を含めて感染牛すべて
 を発見できるわけではないと言う見解でしたが、肉骨粉飼料禁止後の2001年以降
 に生まれた牛は除外することになりました。

 農産物の自由化と流通の発展で世界中の食品がスーパーにも普通に販売されてい
 ます。シェアも拡大しなくてはならない存在になった以上、輸入食材の安全基準
 により目を向けなければならなくなったといえます。輸出する側も政治的な解決
 だけではなく、より信頼される基準を自ら作り上げなければ最終的に自分たちの
 首を絞めることになりかねません。アメリカからの輸入再開を望む日本企業も、
 安全でない食品を提供してでも経済活動を維持することを考え直す必要があると
 思います。
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◆◆『ポーリーヌ』
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    Pauline & Paulette
    2001年/ベルギー=フランス/78分
    監督・脚本:リーフェン・デブローワー
    出演:ドラ・ファン・デル・フルーン、アン・ベーデルセン、
    ローズマリー・ベルグマンス
    1月24日(土)新宿武蔵野館にて全国順次ロードショー

 ポーリーヌは知的障害を持つ66歳の老女。彼女の老後を残された2人の妹のどちら
 かが面倒をみることになった。ポーリーヌを押しつけ合う2人の妹。彼女は誰と暮
 らすことになるのか。ポーリーヌと2人の妹をめぐる感動作品。

 この作品の生まれたベルギーでは政治よりも、社会保障や福祉に関する記事の方
 が人気が高いと言う。日本でも最近は年金制度の改革や不況の影響もあって、年
 金をテーマとした記事を扱えば雑誌が売れているそうだ。とにかく平和でお金に
 不自由のない老後を暮らしたいというのは国を超えた誰もが望むテーマなのだ。

 そんな誰も不安を感じる「老後」について、『ポーリーヌ』はじっくりと人の心
 に問いかけてくる。それはお金のことでもなく、漠然とした未来への不安でもな
 い。もっと別の一つのテーマに絞り込んでいく。「老後は誰と暮らすのか」だ。
 家族と暮らすのか、一人暮らしで自由気ままな生活を送るのか。激しく生き抜い
 た時代を一緒に振り返り、思い出を語る相手がいるのか。自由であることは時に
 孤独であることを強いられる。あなたなら孤独を受け入れられますか?と。

 ポーリーヌの妹ポーレットは、ポーリーヌを施設に預けて念願の海辺のリゾート
 地での生活を手に入れる。しかし最後には孤独でいることから人の温もりを恋し
 く思う。手が焼けるポーリーヌでも、やっぱり家族。側にいれば温かい。そし
 て、一緒に暮らすことを決意するのだ。そんな決断を観ている瞬間は心がぽかぽ
 かと温まる。最も好ましい決断だ。

 シリアスな社会的問題も同居させているのに、問題意識にがんじがらめにならず
 姉妹の行く末を見つめる温かい眼差しは、いつしか観るものをポーリーヌの世界
 に引き込み楽しませてくれる。長編作品初監督というリーフェン・デブローワー
 監督にも今後注目したい。

 心にホッカイロを持ち込んだみたいに、温かい余韻が広がっていく。寒さ厳しい
 冬の季節に温まってみて。いつも側にいる人がいっそう愛しく思えるかも。
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投稿者 paris : 07:59 PM

janvier 09, 2004

AntenneFrance N.259 パリ・ルーブル美術館の秘密

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  □フランス大使館文化部の後援をいただきました:フランスDVDマガジン
  □『パリ・ルーブル美術館の秘密』
  □日仏バイリンガル雑誌 レ・ヴォア100号記念 ネット販売スタート
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新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
インターネットを中心に活動を行ってまいりましたアンテンヌフランスですが、今
年は法人化3年目を迎えより色々なプロジェクトを成功させていきます。提携・運
営管理なども含めると、メールマガジンを始め雑誌やブロードバンド放送なども携
わっています。今後ともご支援よろしくお願い致します。


◆◆フランスDVDマガジンlafrance.tv
◆◆フランス大使館文化部の後援をいただきました
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 アーティスト、ビジネスマン、研究者など多岐にわたる分野で活躍するフランス
 人のインタビューを収録し、フランス人の人生観、仕事観、価値観を生の声でお
 届けしてまいりましたフランスDVDマガジン『lafrance.tv』が、このたびフラン
 ス大使館文化部の後援を得ることとなりました。

 日本国内におけるフランス語教材の拡充の一旦として、またフランスの映像を手
 軽にお届けするものとして後援をいただきました。

 今後もフランスDVDマガジン『lafrance.tv』を通して、より多くの方にフランス
 人の人生観やフランスの映像を楽しんでいただき、フランス語の勉強に役立つも
 のになるよう改善させていきます。どうぞお楽しみに!

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◆◆『パリ・ルーブル美術館の秘密』
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    監督:ニコラ・フィリベール(「ぼくの好きな先生」)
    1990年/フランス/1時間25分
    12月20日よりユーロスペースにて公開中

 『パリ・ルーブル美術館の秘密』は、1200人のスタッフが働く巨大美術館の裏方
 をドキュメンタリータッチに映し出した作品だ。

 世界一の美術館には世界一のスタッフが働いている。それはともすると、プライ
 ドの高いスノッブな人間ばかりがうごめいていそうだが、この作品を見る限りで
 は逆に人間くさい人達の集団で、とても価値のある文化財を管理している人達に
 は思えないほどのゆるい感覚を持っているようにも見える。

 最高級の芸術品を影で支えるスタッフが、素朴で人間味あふれている。そんな対
 比が観るものの心を和ませる。

 そして何より、ニコラ・フィリベール監督の手にかかると、たわいのない日常の
 シーンが意味を持ち、物語を語り始めることに驚きの連続だ。夏に公開された
 「ぼくの好きな先生」でも、その手腕には脱帽したが、今回も同様。実は本作品
 は10年以上前に撮影されたものだが、監督の映像に対する姿勢が変わっていない
 ことが伝わってくる。撮る者達への誠実さというのだろうか。監督が持つ真摯な
 眼差しがあるからこそ、感動を生む作品作りができるのだ。

 「ルーブル美術館」の新たな一面が伺える秀作。巨大な美術館にいつの間にか親
 近感を覚えてしまう。ルーブルへは観光コースに含まれていて、何となく訪れた
 という人でも、本作を見ればもう一度行ってみたくなるはずだ。
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◆◆日仏バイリンガル雑誌 レ・ヴォア100号記念
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 20年以上前から発行を続けている日本語とフランス語のバイリンガル雑誌『レ・
 ヴォア』が、このたび記念すべき100号を迎えることとなりました。

 100号を記念して寄せられた11人のアーティストからのメッセージや、創刊より
 現在にいたるまでの『レ・ヴォア』の歴史を総特集しております。

 もちろんその他の特集も「ボルドー」や「パスツール研究所」などフランスにま
 つわる話題が満載です。

 100号を記念致しまして、インターネットで販売しております。
 是非この機会にホームページをご覧下さい。

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 http://www.antennefrance.com/shop/lesvoix/

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