AntenneFrance

キーウの住宅街、ヨルダン川西岸の村、カリフォルニアの空——「守る」という言葉が置き去りにするもの

キーウの住宅街、ヨルダン川西岸の村、カリフォルニアの空——「守る」という言葉が置き去りにするもの

8月1日未明、キーウのソロミャンスキー区で、5階建ての住宅が一部損壊し、火災が発生したと報じられている。同じ夜、ダルニツキー区でも被害が確認され、死傷者が出たと伝えられている。だが実際に燃えたのは、誰かが暮らしていた住宅と、誰かが働いていた建物だった。

日付: 2026/8/2

家族という沈黙 ― 妊娠を隠した女性、帰国できない駐在員、名前を持たなかった大統領夫人たち
社会・文化

家族という沈黙 ― 妊娠を隠した女性、帰国できない駐在員、名前を持たなかった大統領夫人たち

ヴォクリューズ県オランジュのアパートで、32歳の男性が5人の乳児の遺体を見つけた。内縁の妻がその6日前に自宅で出産していたことに動揺し、過去にも妊娠を認識していなかったのではないかと疑って調べた結果だったという。検察によれば、女性は2018年から2025年にかけて、5人の子どもを殺害した疑いで捜査対象となり、拘置された。同じ週、ロワール県サンテティエンヌでも、36歳の女性が自宅で出産した2日後、新…

日付: 2026/8/2

検索窓の向こうに何を賭けているのか——GAFAと国家、真実の値段
科学技術・デジタル

検索窓の向こうに何を賭けているのか——GAFAと国家、真実の値段

金曜日の夜、パリの小学校教員が自分の研修記録を管理するシステムにログインしようとしたら、いつも通りのはずの画面がどこか違って見えた——というのは筆者の想像だが、実際にその週末、フランスでは似たような不安を抱えた人が少なくなかったはずだ。7月31日、フランス国民教育省は、業務用アカウントへのなりすましによって「多数」の職員の個人データが抜き取られた可能性があると発表した。住所や電話番号、社会保障番号…

日付: 2026/8/2

「マリー・アントワネット・スタイル」横浜美術館で開幕へ ― ハローキティ、『ベルサイユのばら』とのコラボも実現 アート

「マリー・アントワネット・スタイル」横浜美術館で開幕へ ― ハローキティ、『ベルサイユのばら』とのコラボも実現

18世紀ヨーロッパにおいて、もっとも華やかで、もっとも物議を醸したファッション・アイコン――マリー・アントワネット(1755–1793)。その「スタイル」の軌跡を辿る大規模巡回展「マリー・アントワネット・スタイル」が、2026年8月1日(土)から11月23日(月・祝)まで、横浜美術館で開催される。

日付: 2026/8/1

黙とうの後に何を差し出すのか——ジロンド県の消防士の死が問う、公共サービスを支える人への「返礼」 社会・文化

黙とうの後に何を差し出すのか——ジロンド県の消防士の死が問う、公共サービスを支える人への「返礼」

7月31日金曜日の朝、ジロンド県の消防隊員たちが活動現場の一角に集まり、一分間の黙とうを捧げた。ある隊員はこう切り出した。「二人の同僚が命を落としました。……特に激しい森林火災と勇気と決意をもって闘っていたさなかのことでした」。名前はアンソニーとウィルフリード。二人は7月21日、ボルドー・メリニャック空港近くの藪火災の消火にあたっていて死亡した。それから10日後、まだ同じ火災現場で戦っている仲間た…

日付: 2026/8/1

2000部の新聞が売り切れた日、フランスの小さな町は何を守ろうとしたのか 社会・文化

2000部の新聞が売り切れた日、フランスの小さな町は何を守ろうとしたのか

オート=サヴォワ県アヌシー。人口5万人ほどのこの町で、ある地方紙が普段の倍近い部数を売り上げた。『レソール・サヴォワイヤール』という週刊紙で、通常の発行部数は約2000部。それが6月初め、突然売り上げを伸ばし、過去最高を記録したという。理由は、この新聞が1面で報じた記事だった。市の第1副市長アンソニー・グランジェール氏をレイプで告発する男性の証言を掲載したのだ。

日付: 2026/8/1

誰が「安全」を決めるのか——ガザの武装解除合意とイラクの空爆否認が突きつける、主権という境界線 国際・欧州

誰が「安全」を決めるのか——ガザの武装解除合意とイラクの空爆否認が突きつける、主権という境界線

「合意には、イスラエルが自らの義務を尊重し、履行することに同意しなければならないと明確に定めた条項があります。イスラエルが合意を履行しないなら、私たちも履行しません」——ハマスの交渉団メンバー、ガジ・ハマド氏はそう語った。この一文には、戦後処理という営みの本質がにじんでいる。誰かが武器を置き、誰かが軍を退く。だがその「誰か」を決める権利は、いったい誰の手にあるのか。

日付: 2026/8/1

「セミナーを2回開いただけだ」——国家がまなざしを向けるとき、自由はどこで止まるのか 政治・公共政策

「セミナーを2回開いただけだ」——国家がまなざしを向けるとき、自由はどこで止まるのか

「私は3日間のセミナーを2回運営しただけだ」。フランス海軍航空隊の元戦闘機パイロットは、そう語ったとされる。2018年と2019年、彼は南アフリカ企業から報酬を受けて中国を訪れた。それだけの説明だ。だが2025年7月23日、彼は「外国勢力との通謀」と「国家の基本的利益に関する情報の収集・提供」の容疑で司法捜査の対象となり、司法監督下に置かれた。国防機密の漏えいという訴因も加わっている。事の発端は、…

日付: 2026/7/31

血のつながりが途切れるとき、法は誰の手を取るのか 社会・文化

血のつながりが途切れるとき、法は誰の手を取るのか

レンヌ郊外のアパートの一室に、開封されないままの保険会社の手紙が置かれている。そのそばには寝間着と眼鏡。部屋の主だった老人は2024年9月に亡くなり、それ以来時間が止まったようになっている。相続系譜調査員のオドレ・リュストルマンは、この部屋で老人の遺影を探していた。身分証用ほどの小さな写真を段ボール箱の底からようやく見つけたとき、彼女はほほ笑んでこう言ったという。「ようやく名前に顔を当てはめられま…

日付: 2026/7/31

首を絞める真似と、5つの静かな遺体――フランスの夏、「誰を守るか」の線引き 社会・文化

首を絞める真似と、5つの静かな遺体――フランスの夏、「誰を守るか」の線引き

祭りの夜の短い動画が、人々を二つに分けた。

日付: 2026/7/30

森が燃える夏、デッキチェアの二人と126人の消防士のあいだにあるもの 環境・エネルギー

森が燃える夏、デッキチェアの二人と126人の消防士のあいだにあるもの

巨大な煙の柱を背に、パラソルの下でデッキチェアに腰掛ける男女がいる。ジロンド県の湖畔で家族旅行中だった写真家が偶然撮った一枚は、今週フランス中に拡散した。

日付: 2026/7/30

火災のあと、再建に差がつく社会 社会・文化

火災のあと、再建に差がつく社会

オード県サン=ローラン=ド=ラ=カブレリスで、火災から1年が過ぎた。

日付: 2026/7/30

ジダンの一言が照らす、国境の内と外で異なる「保護」のかたち 国際・欧州

ジダンの一言が照らす、国境の内と外で異なる「保護」のかたち

フランス代表の新監督ジネディーヌ・ジダンが、7月末のある記者会見で口にした言葉が注目を集めた。

日付: 2026/7/30

火災の空、迎撃ミサイル、半導体――「必要なものを自分で作る」時代はどこへ向かうのか 複合・横断

火災の空、迎撃ミサイル、半導体――「必要なものを自分で作る」時代はどこへ向かうのか

日曜日の午後、ジロンド県の空にA400M軍用輸送機が現れた。貨物室に積んだ2万リットルの難燃剤を、森林火災の上空から投下するためだ。エアバスが長年かけて開発した消火キットにとって、これが実戦での初投入となった。

日付: 2026/7/30

「最後までここに残ります」――ジロンド県の火災が映した、消防を支える人と制度 社会・文化

「最後までここに残ります」――ジロンド県の火災が映した、消防を支える人と制度

夏の森林火災のニュースでは、炎の大きさや焼失面積が伝えられる。けれど、その数字の奥には、火が消えたあとも現場に残り続ける人々がいる。

日付: 2026/7/29

退席する大使、逮捕されない首相――国際秩序を支えるのは法か、それとも力か 国際・欧州

退席する大使、逮捕されない首相――国際秩序を支えるのは法か、それとも力か

国際秩序は、会議室のなかで保たれているように見える。代表団が席に着き、規則に従って発言し、決議に票を投じる。しかし、その作法が数十秒で崩れる場面がある。

日付: 2026/7/29

見える罪、見えない被害――フランスの夏に問われる司法のまなざし 社会・文化

見える罪、見えない被害――フランスの夏に問われる司法のまなざし

夏の南仏では、乾いた藪に火が広がる。そして、その炎を放ったとされる人物の姿は監視カメラに残る。

日付: 2026/7/29

「避難」は誰にとっても同じではない――ジロンド県の山火事が映した非常時の格差 社会・文化

「避難」は誰にとっても同じではない――ジロンド県の山火事が映した非常時の格差

体育館の通路を、一人の男が歩いている。ベッドとベッドの間を進みながら、被災者の表情を見て回る。視線が泳いでいないか。笑顔が消えていないか。

日付: 2026/7/29

「勝ち方を知っている」男と、あなたの預金を預かるアプリ 複合・横断

「勝ち方を知っている」男と、あなたの預金を預かるアプリ

「会長、私は勝ち方を知っています」。

日付: 2026/7/29

送電線の草刈り機が森を焼いたとき、誰が罪に問われるのか 経済・労働

送電線の草刈り機が森を焼いたとき、誰が罪に問われるのか

7月22日の正午、ジロンド県ソーモスの小さな通りで、一台の草刈り機が動いていた。電力会社エネディスから委託を受けた業者が、送電線周辺の下草を刈っていた。数時間後、この一帯は4万2000ヘクタールを焼き尽くす大火災の出発点になっていた。翌日には隣のランド県で、故障した社用バンのエンジン部分から火が上がり、3万人が避難し、198棟の建物が焼け落ちた。

日付: 2026/7/29

火事と工場、二つの現場が突きつける「雇用は誰が守るのか」という問い editorial

火事と工場、二つの現場が突きつける「雇用は誰が守るのか」という問い

月曜日の朝、ジロンド県の避難区域に住む会社員は、出社する前にまず雇用主に電話をかけなければならなかった。道は封鎖され、県知事は「避難対象の自治体を通過してまで仕事に来てほしくない」と明言していたからだ。

日付: 2026/7/27

燃える森で水を運ぶ人々――フランスの山火事が映した「連帯」と公的責任 editorial

燃える森で水を運ぶ人々――フランスの山火事が映した「連帯」と公的責任

森が燃えるとき、最初に目に浮かぶのは消防車や航空機かもしれない。だが、7月下旬にジロンド県とランド県を襲った大規模森林火災では、もう一つの光景が報じられた。

日付: 2026/7/27

焼け跡に立つ男が見つめた「先祖代々の家」と、土地を持つことの重い意味 editorial

焼け跡に立つ男が見つめた「先祖代々の家」と、土地を持つことの重い意味

フランス南西部ジロンド県、ル・ポルジュ。焼け跡に初めて足を踏み入れたマチュー・プレシスさんは、こう語ったと報じられている。「もう何も見えません。荒廃した光景と、先祖代々の家が見えるだけです。祖母はこの家で生まれました」。彼が見ていたのは、単なる不動産の損失ではない。何世代にもわたってその土地に根を張ってきた家族の記憶そのものが、40メートルを超える炎に飲み込まれた光景だったと考えられる。

日付: 2026/7/27