国民健康保険、赤字対策で自己負担率アップ

今月から半年間EU議長国となり、お祝いにエッフェル塔のスペシャルライトアップがお祝いムードですが、妥協の産物であるリスボン条約でも批准に対して否決や署名拒否が続き、前途多難だ。そんな中、医療の分野でも欧州統一化を目指す案が上がっている。

EU域内でならどこでも治療を受けることが出来、その費用は本国が支払うと言う制度で、本国での治療代と同額を受け取れると言う仕組みだ。

確かにEU圏内で仕事や移動の制限が無くなった来ているが、保険が利かないとなると問題だろう。実際より良い医療のために治療を他国で行い、費用は全額自己負担している人も少なくない。この様な場合でも、自国での治療と同様に健康保険が利用できると言う案だ。

一見良い案ではあるが、健康保険に関しては各国様々な問題を抱えており、一筋縄ではいかないと思われる。フランスでは健康保険の積もり積もった赤字が問題となっている。

フランスも日本と同様、国民健康保険への加入が義務づけられており、健康保険に加入せずに治療を受けると自己負担が100%となってしまう。以前お伝えしたように(378号参照)、フランスの健康保険の自己負担率は非常に低いが、赤字解消のため今年1月より患者の負担金が少し増えることになった。

新しい制度からまだ半年しか経っていないが、さらに患者の自己負担を増やすプランに変更しようと国民健康保険庁が新たな提案を行った。法案の段階でまだ確定していないものの、対象となる患者からは嘆きの声があがっている。

対象となるのは、長期治療の必要な患者で、ガンや糖尿病を患った全国の770万人。高額でかつ長期的な薬を必要とする人たちばかり。重い病状を緩和する薬が適用され、法案が通ればこれまで100%払い戻されていたのが、35%の払い戻しとなることになる。しかし、抗ガン剤、エイズ治療薬、糖尿病治療のインシュリン等は以前のまま100%保険でカバーされる。

例えば、痛みを抑えるためのモルヒネには100%適用されるものの、モルヒネの副作用を抑える薬が100%無料でなくなるなど、その種類やレベルは様々な様子。もちろん、この提案は医者からも不満が上がっている。

WHOからは「全体的にみて最高の治療」を行っていると指摘されてきたフランス。国民もその医療システムが高いとは言え世界最高のものだと信じてきただけに、国民の動揺は続くだろう。

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