自動車産業と環境産業

リーマンショックを発端とした世界的な景気後退は日本でも本格化してきてニュースを賑わせている。その中でも特に目立つのが自動車産業だろう。先進国には大概有名な自動車会社があるが、自動車産業は影響が大きいからともいえる。

フランスの例を取れば、様々な直接的・間接的な自動車産業に従事する人はフランスの労働者の10%程度にもなる。まず、原材料である鉄鋼などやそれを作るための電力などが必要で、このために働いている人が43万人、労働人口の2%。

車を作るためにはデザインしたり、部品ごとに設計され、これを工場で組み立てたりする、これらの仕事に関わっている人は27万5千人、労働人口の1%。

車に乗るようになると、整備、修理、車検などをしたり、保険に入ったり、ガソリンスタンドに定期的に行くようになる。これらの雇用は66万6千人で、労働人口の3%。

車が走るためには、道路を作り保守が必要で、これらの仕事がもっとも多くの労働を使っており100万人以上が雇われていて、労働人口の4%になる。合計すると250万人近くが自動車産業に雇われていてフランスの労働人口の10%に当たる。

実はフランスにおいては自動車メーカー自体は大きいとはいえないと考えられなくはないが、それでも何千人規模でのリストラが行われるとなると影響が少なくはない。

逆に環境問題から考えるとどうだろうか?いくら環境に優しい自動車を作ったとしても、多くの鉄鋼、プラスチック類、エネルギーを使うことは明らかで、その後も多くのエネルギーを使い続ける。

エコロジーに関しても流行があるようで、穀物などを使ったバイオエネルギーは食糧問題が新たな問題となり、つい先日まで流行っていた風力発電はヨーロッパでは衰退気味、今は太陽光発電や地熱発電などが脚光を浴びている。太陽光発電は日本にも有力メーカーが多くあるが、一時日本では公的機関の実験の失敗により、太陽光発電は推進されなくなっていたようだ。

快晴の多い地域では塵や埃がたまり発電効率が悪くなる。雨が降れば発電できなくなるといった安定性の問題。もし東京湾一面にソーラーパネルを敷き詰めたとしても原子力発電所1基にも満たない発電能力、ソーラーパネルが高額でこれを作ること自体にもエネルギーがかかり、採算性の問題などがあげられるだろう。

フランスではこの太陽光発電を再生可能なエネルギー源として推進していくようで、再生可能なエネルギーを今後倍増させていく方針の主力だそうだ。

こう考えると自動車産業はこの経済危機を関係なくしても衰退気味で、エコロジー関連産業に人材をシフトさせていく方が将来的にも雇用維持につながるだろう。

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