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給水車1回で約1000ユーロ――フランスの小さな町が突きつける、「なくなって初めて気づく場所」の維持費

コート=ドール県の小さな町Venarey-les-Laumesには、もう15日以上、隣のSemur-en-AuxoisとMontbardから飲料水が運ばれてきている。給水車1回で運べるのは150立方メートル。町の負担は、その1回でほぼ1000ユーロにのぼる。

町長のStéphane Fournier(ステファン・フルニエ)は、現状をこう語る。「給水車の150立方メートルに、3本目の井戸の180立方メートル、さらに今も少し汲み上げている分を加えて、今のところ何とか回しています。でも、今月は持たないでしょう」

この数字を前にして、まず思う。蛇口をひねれば水が出ることの裏側に、これだけの勘定があるのだ。

今回は、フランスの地方から届いた5つのニュースを並べて読んでみる。水道、ガソリンスタンド、小さな食料雑貨店、空港の下の屋根。一見ばらばらだが、「地域の暮らしを支える場所や設備は、誰が持ちこたえさせるのか」という同じ問いにつながっていると私は考えている。

井戸が干上がった町と、水があふれた港町

まず水不足の側から見る。Venarey-les-Laumesの人口は2,750人。飲料水は、地下水層につながる2本の井戸に頼ってきた。2025年10月19日時点で、2本の水位は5.50メートルだった。1年後の現在は、片方に80センチの水が残るだけで、もう片方は空になっている。町は2026年2月から水不足に苦しんできた。

町長は数週間前、放置されていた3本目の井戸を復旧させた。すでに水道網につながっていたため実用的な対策だったが、干ばつの時期でも出る水は1日およそ180立方メートルにとどまる。町長自身が「人口2,750人の町に供給するには到底足りません」と認めている。

問題は、この町だけで完結しないことだ。Venarey-les-Laumesは、Mussy-la-FosseとMénétreux-le-Pitoisにも水を送っている。

  • Mussy-la-Fosseは48世帯。1週間の水使用量は50〜60立方メートルで、水源から1日6立方メートルを汲み上げられており、町長のDenis Charlot(ドニ・シャルロ)は今のところ大きく心配していない。
  • Ménétreux-le-Pitoisは人口400人で、水源そのものがない。数年前からVenarey-les-Laumesに依存している。町長のYvon Fiorucci(イヴォン・フィオルッチ)は追加の対策を検討しておらず、「そもそも、取れる対策はあまりありません」と認めた。

ここで見過ごされがちなのは、水源を持たない町の脆さである。水源を持つ町が傾けば、持たない町は「信頼し続ける」以外に打つ手がない。これは事実の羅列ではなく、町長発言から私が読み取った構図だ。

住民への対策は、節水を求める文書を郵便受けに入れることだった。シャワーの間隔を空ける、洗濯機は洗濯槽がいっぱいになってから回す、といった呼びかけである。町長によれば、2つあるメーターの使用量は、週140立方メートルから120立方メートルへ、週450立方メートルから420立方メートルへと、それぞれ減った。Baigneux-les-Juifsなど支援を申し出た自治体もあり、地域圏保健庁との会合も近く開かれる見通しだ。

同じ時期、ノルマンディーのオンフルールでは逆のことが起きていた。10月30日から31日にかけての夜、歴史地区の中心部で、消火栓につながる水道管が破裂した。駐車場の下から数立方メートルの水が流れ出て、路面が陥没した。

建物倒壊のおそれから41人が避難し、その大半は観光客だった。7つの住所が危険建物に関する命令の対象となっている。避難した人の1人は、1階にもテラスにも水が本当にどこにでもあった一方で、通りには水が一滴もなかったと話し、ある母親は、石畳の下が水浸しで、足で確かめるたびに地面が安定していないと分かったと語った。

市長のニコラ・ピュブルイユ(Nicolas Pubreuil)は「明らかに異常な地盤の動き」だと述べ、現時点では安全確保の措置を命じていると説明した。

この港町の古い建物は、以前から繰り返し脆弱さを見せている。昨年4月には、港に面した老朽化した建物3棟が倒壊のおそれに直面し、店舗が営業を停止した。2019年には17世紀の建物にひびが見つかり、15人が避難した。市は最近、歴史地区の2,000の住所で建物診断を実施すると発表している。ダヴィド・ポルテリ(David Porterie)市長補佐は、来年がオンフルール築1,000年にあたることが、工事や診断の目的でもあると語った。

オンフルールの原因はまだ調査の途中で、専門家の評価はこれからだ。水道管の破裂と建物の老朽化がどう結びつくのかは、記事からは断定できない。それでも、乾いて足りなくなる町と、あふれて足元を崩す町は、同じ週の同じ国で起きた。「見えない設備が日常の前提を支えている」という点では、どちらも同じだと私は読んだ。

給油所、食料雑貨店、屋根――採算の外にある“役割”

次は、ガソリンスタンドの話だ。独立系スタンドなどを代表する業界団体Mobilians(モビリアン)のフランシス・プース(Francis Pousse)氏は、11月1日、franceinfoで政府を批判した。軽油の戦略備蓄を供給する際、政府が「最大手の販売業者を優先する選択をした」というのだ。

同氏によれば、農村部のスタンドに供給する地元の小規模卸売業者は戦略備蓄を受け取っておらず、大手チェーンの値下げに追随できない。領土全体での平等な取り扱いを保証するとした政府側の約束に「まったく反する」とも述べている。

数字も具体的だ。小規模スタンドは今後数週間、1リットルあたり2.50ユーロ前後の価格を維持せざるを得ない可能性があるという。危機が始まって以来、販売量は20〜40%減った。通常は毎年50〜80の事業所が姿を消すところ、2026年にはそれが「2倍か3倍になる」恐れがある、と同氏は見ている。

国が示したのは、1店舗あたり5,000ユーロを上限に融資の利息を負担する支援だった。プース氏は「資金繰りがすでに非常に厳しいのに、銀行にお金を借りに行けと言うのか」と皮肉り、求めていたのは利益幅を縮小して即座に値下げできる補助金だったと強調した。一部の事業者には、客がゼロなのに仕入れ代金だけ払う事態を避けるため、当面は燃料を発注しないよう伝えたという。

ここでの対立点は、金額の大小だけではない。ここからは私の解釈だが、同氏は「融資」では足りず「補助金」が必要だと言っている。つまり、小さなスタンドの赤字を、事業者が自分で借りて埋め合わせる性質の問題とは見ていない。

同じ構図が、もっと小さな規模で現れるのがブロックの食料雑貨店「Doux Sœurs」だ。36歳のファニー(Fanny)と34歳のエレーヌ(Hélène)は、3年前にイタリア系の食料雑貨店を買い取って改名し、近所の商店以上の「生活の場」へと育ててきた。テラスは二つのボール場の前、劇場の近くにある。常連には、80代から90代の女性たちが日曜日に友人同士で昼食をとる姿があり、「日曜日の小さなおばあちゃんたち」と呼ばれていたそうだ。

店が9月に閉まったのは、客が足りなかったからではない。Castagniersに住む二人の姉妹が、ほぼ同時期に妊娠し、その手伝いのために閉じたのだという。

現在は後継者を探している。権利金は25,000ユーロで、機材込みだ。店舗は37平方メートルで、家賃は月490ユーロ、水道・電気代は別になる。ファニーは、理想の後継者を「村の生活を愛し、住民との関わりを楽しむ人」と描いた。

注目したいのは、ブロックの市役所の姿勢だ。市は支援できる可能性があるとして、事業用資産を買い取り、将来の経営者にゼロ金利の融資を提供することも考えられると述べている。あくまで「考えられる」段階で、決まった話ではない。それでも、店を個人の事業としてだけ見ていないことは、ここから読み取れる。

最後に、パリ南郊のオルリー空港の下で起きていることを取り上げる。エソンヌ県アティス=モンの住民と市長は、住宅上空を飛ぶ飛行機が屋根に被害を与えていると訴えている。住民によれば、問題の滑走路は、通常航空会社が通る経路で行われている改修作業の一環として使われており、低空飛行で瓦が飛ぶのだという。

住民のMarlène De Araujoは、「瓦が落ちて、家の横で跳ね返った」と語った。地元の屋根職人Mathieu Robinは、3か月で十数件の修理をしたと話す。問題の着陸地点では、飛行機が住宅の60〜80メートル上を通るという。修理費は「時には4000、5000ユーロ」に達する。

一方、Groupe ADPは責任を全面的に否定し、航空会社の飛行経路を決めるのはDGAC(民間航空総局)だと主張している。原因を特定するためにDGACの専門知識を求めた、としたうえで、「約10件の申し出」が進行中だと書面で述べた。飛行機が原因なのか、原因だとして誰が責任を負うのかは、現時点では決着していない。

ここでも、費用が誰に降りかかるかが争点になっている。屋根の修理は、住民の誰かが先に支払うことになる。De Araujoの言葉を借りれば、お金がなければ職人も屋根を「提供」してはくれない。

「採算」の外で、費用の行き先を決めるのは誰か

こうして並べると、5つのニュースは「設備や店の存続」と「その費用の最終的な負担先」という2つの軸でつながっていた。私にはそう見える。

水道の維持は自治体の財布と、周辺自治体の助け合いに頼っている。給油所の維持は、事業者の資金繰りと政府の補助金のあいだで綱引きされている。小さな店の継承には、市役所が事業用資産を買い取るという案が出ている。屋根の被害をめぐっては、事業者と国の機関が互いに責任を押し付けているように見える。

どのケースでも、「誰が悪いか」の議論と並行して、「その場所はなくなってよいのか」という問いが、当事者の口から出ている点が印象的だった。プース氏は、TotalEnergies系列でない会員が衰退するのを放置できないと言った。ファニーは「手を動かしてこの村を再生させたい人が必要だ」と言った。

これを「フランス人は公的支援に頼る」と短絡させるつもりはない。素材から言えるのは、少なくとも当事者が、こうした場所を採算の枠だけで語っていないということだ。ただし、そうした期待に行政がどこまで応えられるのかは、まだ見えない。

日本の読者の目には、これは遠い話に映るだろうか。一般に、日本の地方でも給油所や商店の減少、水道設備の老朽化は、生活の不安として語られることが多いと言われる。もちろん、制度の細部まで比べられるだけの材料は、今回のニュースにはない。ただ、「なくなってから気づく」という感覚は、国が違っても共通ではないか、と私は想像する。

これから注目したいこと

短期的に確認できる動きは、いくつかある。

  • Venarey-les-Laumesでは、地域圏保健庁を交えた会合が近く開かれる予定だ。
  • プース氏は来週火曜日にBercy(仏財務省)で政府関係者と面会し、約束の履行を求める。
  • オンフルールでは専門家による現地評価が行われ、歴史地区2,000住所の診断も進む。
  • ブロックの店は後継者次第で、市の支援案がどこまで具体化するかも注目点になる。

どれも結論が出ていないので、ここから先は推測にとどまる。ただ、費用を誰が引き受けるかが曖昧なまま時間が過ぎれば、いちばん先に影響を受けるのは、代わりの選択肢が少ない小さな町や村だろう。水源のないMénétreux-le-Pitoisの町長が「取れる対策はあまりない」と言ったのは、その予告のようにも聞こえた。

地域になくてはならない場所が、採算だけでは維持できなくなったとき、あなたの暮らす場所では、誰がそれを支えるべきだと思うだろうか。自治体か、事業者か、住民か。それとも、その線引き自体を、まだ誰も決めていないのだろうか。

出典

  • franceinfo (titres):"Il y avait de l'eau absolument partout" : à Honfleur, des immeubles menacés d'effondrement et 41 personnes évacuées après l'explosion d'une canalisation (2026/11/1)
  • franceinfo (titres):Les petites stations-services "n'ont pas reçu les stocks stratégiques de carburants et ne peuvent pas baisser les prix", alerte Francis Pousse, du réseau Mobilians (2026/11/1)
  • Radio France Économie:Les mamies du Broc veulent retrouver leurs kebabs : l’épicerie de Fanny et Hélène cherche un repreneur. (2026/11/1)
  • franceinfo (titres):"On ne passera pas le mois" : trois communes de Côte-d'Or bientôt à court d'eau potable à cause de la sécheresse qui persiste (2026/11/1)
  • franceinfo (titres):"Les tuiles ont ricoché" : des habitants proches de l’aéroport d’Orly dénoncent des dégâts causés par le survol d’avions sur les toitures (2026/11/1)

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