フランス映画祭2019

セバスチャン・マルニエ監督

セバスチャン・マルニエ監督インタビュー スクールズ・アウト

セバスチャン・マルニエ監督 インタビュー本編

AF:ホラーと言っても人がたくさん死ぬものではないですね。

実はホラー映画ではないですし、人が死ぬわけではないです。
血がたくさん出てくるわけではないです。
ただ水面下で暴力が起きたり不穏な空気が流れたりして、見る人が知らないうちにウイルスに感染していくような精神的に作用するようなスリラーです。最初見たときに冒頭から不安になるような、これは一体どうなってしまうんだろうという不安を観客に味わって欲しかった。
でも本格的なホラー作品も是非取って見たいなと思っています。

AF:原作は監督が考えられたのですか?
原作は別になります。
10年ほど前に原作となる小説が出版されたのを私が読んで、まだプロデューサーもいない25歳の時でした。それでも映画化したいという思いがあり映画化する権利は買いました。予算の関係上映画化するには至らずにいました。そのうちに「欲しがる女」という原作を映画化したプロデューサーに、映画化にふさわしい原作があるんだけれどという形で持ちかけました。

AF:映画初頭で先生が飛び降りてしまうシーンがあり、これで人が死んでいくのかという印象がありました

意図していたものです。いかに見ていた人を迷わせるかという事を考えながら作っています。実際に小説を読んだときに非常に印象的なシーンでした。
最初は天気の良い日で鳥が鳴いていて、のどかな日なのに、先生が急に飛び降りる。見ている人もこれからどうなるんだろうと、そういった映画手法が詰まった非常に重要なシーンです。

AF:原発が爆発するシーンがありましたが原作にはあったのですが?

本にはない設定だったんです。私の方で後で付け加えたシーンです。集団自殺するシーンの変えてあります。
最初に読んでから15年という月日がたっていますし、私がテロに対して持っている恐怖というのも15年前に比べて変わっていますしそういった所を取り入れています。

AF:テロを取り入れたのはヨーロッパにテロの恐怖があるからですか?

そうですね。今フランスやヨーロッパで起きている事を反映させたものです。撮影時はフランスで一連のテロが起きていたときで、このテロをきっかけにフランス人の考え方は一変してしまったと言えると思います。

アメリカで9.11が起きたときに、アメリカ人も色々な考え方が変わったと同じように、大きく考え方を変えるようなきっけけになったんです。世論は内向きになったんです。ですが、パリの人々は前と同じようにテラスに出てコーヒーを飲んだりということを変えないで、テロに屈しないという姿勢を見せています。

劇中でテロに対する訓練を行っているシーンがあったと思いますが、これは実際にフランスの学校でも行われていることです。小中高とやっています。国全体に漂っている恐怖、いつどこで何が起きてもおかしくないという意識をフランス人が持っています。

自分で自分を守るしかないと考えています。特に見えない恐怖に、例えばテロもそうですし、何か野蛮な行為ですとか、何かの爆発ですとか続いています。それがフランス人の他者との関係を変えましたし、人生を今後どういう風に歩んでいくかという考え方に対しても影響を及ぼしています。

私は子どもが現在いませんが、本当に子どもを持ちたいかどうかを真剣に考えました。子どもを持つと言うことを責任が持てるか?子どもを持つと言うことは素晴らしいことだしと、撮影時にはすごく悩みました。

原発の爆発のシーンは日本の福島の原発に影響されたのですか?
ええ。原発の爆発のシーンは福島の原発の爆発を念頭に置いて撮影されたシーンです。実際に経験した人はもっと恐ろしい思いをしたでしょう。事故が起きる前はそういったことが起きるとは想像もしていなかったでしょう。

私自身も日本人の皆さんの思いを想像しながら、この撮影に臨みました。非常に恐ろしいのですが、ある種の美というか、ツインタワーが崩壊したときもあまりにも非現実的で本当に起こっているのかなと言う点でも惹かれて、何回もループ状に見てしまうということがあります。そういった所も持ち合わせていると思います。

AF:社会的なメッセージを込められているのですか?
そうですね。社会のメッセージと言うよりも、原子力施設の削減を支持している側なんですね。発電コストが非常に安いと言うことで、原子力に対しては動きは活発ではありません。
できるだけ再生可能エネルギーに移行すべきだと私は思っております。
日本の皆さんは、広島長崎の件もありますので、よりそういった思いが強いのでは無いかと思います。

日本の文学やマンガなど色々な作品が、広島で起きた事などメタファーとして伝えて下さっているなと思います。宮崎駿監督の作品もそうですけれど、このまま続けていると大変なことになるよと、ポエティックな感じで伝えて下さっているなと言う意味では非常に先進的な取り組みだなと思います。

AF:今回の役者は本当に中学生ですか?
設定の年齢よりは少し年が上です。高校生ぐらいで撮影の時にはバカロレアを受けていました。全くの縁起の初心者というわけではなく、短編映画に既に出ていたとか、テレビのフィクションに出ていたという若手の俳優です。

この作品に出た後の彼らの活躍がめざましくて、私も喜んでいます。


『スクールズ・アウト』
「シッチェス映画祭2019」
10月11日(金)より公開

ヒューマントラスト渋谷、シネマスコーレ、シネ・リーブル梅田

スクールズ・アウト 監督メッセージ

ミカエル・アース監督インタビュー

フランス映画祭2019「アマンダと僕」で来日中のミカエル・アース監督にインタビューを行いました。

監督は、経済学の大学を卒業後、映画学校に入り直し、映画監督となった方です。

ミカエル・アース監督:私は長いこと経済学の勉強をしておりました。全く映画とは関係ない勉強です。一度も卒業後にそれを活かした仕事をしたことはありません。

子どもの頃から映画には興味がありました。経済の勉強をして卒業をしたのですが、普通に就職をするのでは無く、子どもの頃から夢に思っていた映画の世界の仕事をちょっとやってみようかなという気になりました。

そのためには、まず映画学校に入らなければならない。入ってみるのが一番良いきっかけになるのでは無いかとおもい、国立の高等映画学校FEMISの試験を受けたら、通ったので、その学校に入りました。

それまで抽象的な夢だったのですが、学校行って勉強することによって具体化されました。それで今こうして映画を作っています。

AF:映画学校に入ったからといって、映画監督にすぐになれたのですか?

私が決断するのが難しかったのは、学校に入るまででした。
学校に一旦入ってしまうと、あとはプロデューサを見つけて撮るだけでした。
後は極めてシンプルに進みました。

AF:経済学を学んだことは映画を撮る上で有益でしたか?

ミカエル・アース監督:経済で学んだことをマクロ経済学でした。そんなに映画作りには役に立っていないかと思います。FEMISでは制作科に始め学んでいたので、そこで学んだことは役に立っています。

例えば、自分の映画の計画が実際に可能性があるのか?出来るものなのか?
出来るか出来ないかという判断に、映画学校の制作科で学んだものは役に立っていると思います。

新たなプロジェクトが出来たときに全体像が見ることが出来るということで、あくまでも映画学校の制作課にいたことが今役に立っていると思います。

AF:映画監督を目指したきっかけは?

ミカエル・アース監督:若い頃から映画を見ていたけれども。父親が映画が好き(シネフィル)で、私も小さい頃から映画を見る習慣がありました。当時見ていたのは、フランス映画と言うより、むしろアメリカの映画でエリア・カザンやフランク・キャプラやエルンスト・ルビッチのような、そういう映画です。

そういう映画が私に映画を撮りたいという気持ちにさせたかというと、そういうわけでもなく、ある監督がそういう風に仕向けたかというとそういうわけでもありません。

いわゆるシネフィルの人たちが強迫観念を持って映画を撮ったり、ものすごい情熱を持って映画を撮るというわけではありません。

ただ早くから映画を見ていたのですけれども、ただ、シネフィルの人とは違う。説明できないのですけれども、映画から影響を受けて、今こういう仕事をしているわけではありません。

AF:冒頭でテロでお姉さんが亡くなってしまいますが、メッセージ性を持って作ったのですか?

ミカエル・アース監督:若いメッセージを伝えたいと言うことではありません。映画の中で今日のパリを描きたかったというのがあります。今のパリの街を普通に歩いていて、急に何かの理由によって命を失うことはあると思います。

色々な理由はあると思いますけれども、テロによって命を落とすと言うことがあると言うことです。今の時代性を描いている中で、テロというのは、現代のある現象ですので、それを描いたというわけです。私たちの日常にテロの存在というのは、みんなの心に刻まれています。パリという場所を描く上でそういったことを証言したかったわけです。

ただ、テロだけがこの映画を吸収しているわけでは無く、様々なテーマがありますので、テロが私の映画の中で最も重要なテーマではありません。

AF:テニスのシーンで終わるコンセプトは?
ミカエル・アース監督:テニスコートというのは、そこに光が差し込んでいてとても明るい、そして叙情的なものだと思います。直感的に感じたのですが、シナリオを書いているときにこのシーンをラストにしようと思いました。

テニスコートというのはとてもオープンで開かれた雰囲気。そして、なにか上昇志向にあるようなイメージあります。そこに息吹が吹いて、二人を上昇させていくような感じです。

二人は長い道のりを初めて行くわけですけれども、これから二人で歩んでいくというときに、とても良い場所だと思います。

アマンダと僕
監督からのメッセージはこちら!(予告編付き!)

6/22 YEBISU GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座

フランス映画祭2019記者会見

フランス映画祭2019横浜団長・フェスティバルミューズ決定

今年もフランス映画祭の季節がやってきました。

本年のフェスティバルミューズは女優の中谷美紀さんで、大変フランス語、フランス映画の造詣の深い方です。

青春時代はフランス映画づけだったとのことですが、トリュフォーの「大人は判ってくれない」やゴダールの「勝手にしやがれ」などかなり古い作品の名前が挙がり、フランス映画を見るために、パリで小さなアパートを借りて映画館に通っていたそうです。

ご存じクロード・ルルーシュ監督は「男と女」でも有名ですね。「男と女III 人生最良の日々」がカンヌ映画祭に正式出品、みなとみらいホールでも上映されます。

記者会見の模様は後日YouTubeのAntenneFranceチャンネルで公開いたします。

フランス映画祭2019

フランス映画祭2019 横浜メインビジュアル決定!

■開催概要
日本語:フランス映画祭2019 横浜  (※2019と横浜の間は半角あけ)
フランス語:Festival du film français au Japon 2019 

期間:2019年6月20日(木)~6月23日(日)全4日間
会場:みなとみらい21地区を中心に開催 横浜みなとみらいホール・イオンシネマみなとみらい他
プログラム①フランス映画最新作の上映(14作品予定) ②関連事業(サイドイベント)の実施
オープニングセレモニー、マスタークラス、サイン会など

シンク・オア・スイム
©2018 -Tresor Films-Chi-Fou-Mi Productions-Cool industrie-Studiocanal-Tf1 Films Production-Artemis Productions

■オープニング作品『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』 Le Grand Bainおじさんシンクロチームが巻き起こす、七転八起の生きざま改革!実際にスウェーデンに存在する男子シンクロナイズド・スイミングチームをモデルに描く感動のヒューマンドラマ。本国フランスで400万人を動員した大ヒットとなり、セザール賞最多10部門ノミネート、助演男優賞をフィリップ・カトリーヌが受賞した。フランス映画ファン待望の名俳優が勢ぞろい!
7月12日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国公開監督:ジル・ルルーシュ 出演:マチュー・アマルリック、ギョーム・カネ、ブノワ・ポールヴールド、ジャン=ユーグ・アングラード配給:キノフィルムズ/木下グループ 2018/122分/PG12

2019のフランス映画祭は横浜で6月20日〜

今年のフランス映画祭は、昨年と同じ横浜みなとみらい地区(主にイオンシネマみなとみらいを予定)で開催されます。開催期間も例年通り6月20日(木)〜6月23日(日)です。

本年度は、主催であるユニフランスの設立70周 年、横浜・リヨン姉妹都市提携60周年など、記 念すべき年でもあり、よりフランスらしく、横 浜らしく、横浜とフランスの友好関係をさらに 深め、街に賑わいを創出します。