
国際
毛皮のコート4,000着とドローンの影――「経済」が戦場になるとき
ロシアのSNSに、ある女性が動画を投稿した。カメラに向かって彼女が嘆いているのは、株価でも為替でもない。「毛皮のコート4,000着がなくなった」。モスクワ東方1,400キロ、オンライン通販最大手Wildberriesの巨大倉庫が、ウクライナのドローン攻撃で焼け落ちたのだ。目撃者たちは、地平線に現れたドローンがどこへ向かうか、もう驚かなかったという。7月中旬以降、同種の攻撃はすでに20回。同社は保管…
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国際
ロシアのSNSに、ある女性が動画を投稿した。カメラに向かって彼女が嘆いているのは、株価でも為替でもない。「毛皮のコート4,000着がなくなった」。モスクワ東方1,400キロ、オンライン通販最大手Wildberriesの巨大倉庫が、ウクライナのドローン攻撃で焼け落ちたのだ。目撃者たちは、地平線に現れたドローンがどこへ向かうか、もう驚かなかったという。7月中旬以降、同種の攻撃はすでに20回。同社は保管…

社会
名前はアニス。17歳。スクーターに乗っていた。交通検問を無視して走り去り、フランス国家警察の複数の車両に追われた末、金曜の夜に病院で息を引き取った。トゥールーズ検察当局は、死因の究明と公務執行への不服従という二つの捜査を開始した。アニスには司法上の前歴はなかった。フランスにはおじとおばが住んでいたが、単身で暮らす外国籍の未成年者で、残りの家族はアルジェリアにいた。家族の弁護士は、遺族が検視結果を待…

社会
ブーシュ・デュ・ローヌ県のある警察署で、2019年の日付が入った性的暴力の事件記録が、戸棚の奥から「掘り出された」という。捜査員はフランス・アンフォの取材にこう証言している。「これほど時間がたってから、事件が進展していないと被害者に伝えるため連絡を取るのは、当然ながら喜ばれることではない。そのため、私たちは謝罪している」。6年間、その被害者は自分の申告がどこにあるのかも知らずに過ごしてきた可能性が…

国際
8月11日火曜日、ベイルートの議会では死刑廃止法案が可決され、司法相は「歴史的」だと胸を張った。同じ日、ダマスカスの法廷は、ロシアに逃げ延びたまま姿を見せない元大統領バシャール・アル=アサドに、戦争犯罪と人道に対する罪で死刑を言い渡した。処罰の道具である死刑という制度を、一方は手放し、もう一方はまさにその日、最も重い相手に対して行使する。この偶然の同日性は、暴力のあとに社会がどう「正義」を組み立て…

暮らし・教育・健康
27歳のレミは、映画業界で働いている。この夏、彼はこう自問するようになった。「私たちは、両親が人生を終えたように、自分たちの人生を終えることができるのでしょうか」。6月の記録的な熱波以降、相次ぐ猛暑に強い衝撃を受け、「何をすればいいのか分からない日々」を過ごしたという。仕事にすら意味を見いだせなくなった、と彼はfranceinfoに語っている。28歳の弁護士マリーも同じ思いを抱えている。デモをして…

政治・公共政策
8月10日の日曜夜、フランス領マヨット北部クングーで、約50平方メートルのトタン製の小屋「バンガ」が燃えた。中にいたのは23歳の妊婦と、1歳と3歳の子ども。3人とも死亡した。女性はコモロ国籍で、在留資格を持たない状態だったという。消防隊は火を消し止めたが、出火原因は分かっていない。現場は「近づくのが難しい地域」で、事故当時、父親は不在だった。

複合・横断
8月9日から10日にかけての夜、フランス北部の海岸から一隻のゴムボートが英仏海峡に向けて出港した。乗っていたのは少なくとも230人。そのうち20人を超えるのが子どもだった。海難救助全国協会(SNSM)ベルク=シュル=メール支部の責任者ジャン=マルク・ランブランは、AFPの取材にこう答えている。「異例の規模」であり、こうした「粗末な船」による横断としては「新たな、悲しい記録」だと。

国際・欧州
木曜の夜、ドイツ西部メヒャーニヒの軍施設で、警備員が上空に2機の機影を見た。翌朝までに、確認された飛行は計6回に及んだという。地下130メートル、サッカー場4面分の広さを持つ貯蔵庫には、巡航ミサイルや弾道ミサイルの部品、そして米国製防空システム「パトリオット」関連の装備が眠っている。警備員は警察に通報し、捜査が始まった。だが、誰が、何のために飛ばしたドローンなのかは、今も分かっていない。

暮らし・教育・健康
85歳のニノ=アンヌ・デュピュイさんは、かつてオルレアン市の副市長を務めた人物だ。昨年7月、出血のため救急外来に運ばれた彼女は、そのままストレッチャーの上で6日間、5晩を過ごすことになった。入院先が見つからなかったからだ。最終的に彼女は、医師の勧告に反して退院する旨の免責書類に署名し、自宅に戻った。地元メディアの取材に対し、彼女はその経験を「到底許されない」「地獄」だったと語っている。

複合・横断
8月8日土曜日の夕方7時半前、フランス北東部モゼル県ランガットの小さな池のほとりで、4歳の男の子が両親の目を離れた数分の間に水に入り、溺れた。監視員のいない、整備された遊び場だった。市長のジェローム・ディッチュ氏が自治体の救急バッグを持って駆けつけ、医師や看護師が蘇生を試み、救急隊員とSAMU(救急医療サービス)が引き継いだ。それでも間に合わなかった。同じ週末、リヨン近郊の池では3歳の女の子が心肺…

複合・横断
6月、フランス南部ヴォクリューズ県ボレーヌで、ある女性が交際相手から暴力を受けた。彼女はそのあと、司法から二つの保護を与えられている。ひとつは、危険を感じたときにすぐ通報できる「危険時通話用携帯電話」。もうひとつは、家庭裁判所の裁判官が出した保護命令だ。加害者の男は6月の暴力ですでに一度身柄を拘束され、11月には刑事裁判所への出廷を控えていた。制度としては、動いていたはずだった。

社会・文化
ニースのプロムナード・デ・ザングレに並ぶ、あの街の象徴でもある青い椅子。8月9日、その一部が黄色や緑、水玉模様に塗られていたという。地元記者ICI Azurが見つけたその光景を、ある通行人はわざわざ先頭集団の位置を選んで座っていたそうだ。たかが椅子の色、と思うかもしれない。だが、この小さな演出こそが、女子ツール・ド・フランス(Tour de France Femmes)という大会が5年かけてたどり…

国際・欧州
300パレットのうち、運び出せたのは130パレットだけだった。ウクライナ中東部ドニプロにあった世界保健機関(WHO)の倉庫には、前線の医療施設に届けるはずの緊急医療物資が積まれていた。8月9日、WHOの職員と運転手たちが早朝に現場を訪れ、慌ただしく荷物をトラックに積み込んだ。彼らが現場を離れた直後、倉庫は攻撃を受けて破壊された。死傷者は出なかった。だが助かったのは、残りの170パレット分の医薬品や…

経済・労働
オーヴェルニュ地方の牧場主シルヴァン・ベロントは、5月末の時点で牛に与える草がもう牧草地に残っていないことに気づいた。本来なら牛は年間160日、新鮮な草を食んで放牧されるはずだった。しかし猛暑と干ばつで牧草は焼け、彼は冬用に取っておいた飼料を、まだ夏の盛りだというのに牛たちに与え始めた。1頭あたり1日1.5〜2トン。牛の乳量は1日1リットル減り、乳の質も落ちた。妻ベルナデットが仕込むサン=ネクテー…

複合・横断
ステファンとカトリーヌの夫妻が聞いたのは、午前6時ごろの機械音だった。ジロンド県で山火事が鎮圧され、10日前に自宅と厩舎を守り抜いたと安心した翌朝、道路沿いで林業会社が木を切り倒していた。夫妻は木の前に立ち、「もう十分だ、何にも触るな」と叫んだという。それでも作業は止まらず、樹齢100年の松まで伐採された。カトリーヌにとってその森は「静かに暮らすために35年かけて貯めた」ものだった。彼女は積み上げ…

社会・文化
「私はスポーツをしているのであって、下からお尻を撮影されたくはありません」。フランスの棒高跳び選手マリー=ジュリー・ボナンは、そう言い切った。8月10日から英国バーミンガムで始まる欧州陸上競技選手権を前に、欧州放送連合(EBU)が公表した放送指針を歓迎する発言だった。彼女はすでに、自分の映像がYouTube上でまとめられ、性的な文脈で拡散されるのを見てきたという。ショーツを履いて競技すること自体は…

社会・文化
2026年7月25日、南フランスの空からテニスボールほどの大きさのひょうが降ってきた。マルセイユ最大の音楽フェスティバルとして12年続いてきたデルタ・フェスティバルは、その日のことをInstagramにこう書き残している。「2020年のコロナ禍による中止、2023年の嵐、2024年の記録的洪水、2025年のミストラル、そして2026年のひょう」。まるで気象年表のようなこの一文の後に続くのは、静かな…

経済・労働
オディルは市場で買った1週間分の果物と野菜を提げて、交通アプリを開いた。表示された自宅までの所要時間は75分。普段なら15分もかからない距離だ。「自分が幻覚を見ているのかと思って携帯電話を振った」と彼女はfranceinfoに語っている。隣にいたファトゥは、パリでの清掃の仕事を終えて帰る途中だった。移動時間は普段の2倍。「食事をして、横になったらもう終わり。それほど疲れている」と彼女は言う。

国際・欧州
先週、モロッコ北部の海岸からスペイン領セウタへ、7万2000人が国境を越えた。数字だけを見れば、それは一つの都市の人口が一週間で移動したのに近い規模だ。この出来事のあと、スペインとイタリアという、EUとNATOの双方で同盟関係にあるはずの二国が、外交文書の応酬に入った。イタリアは、スペインから到着する第三国国民に対してシェンゲン協定の自由な移動の適用を停止し、少なくとも8月15日まではこれを撤回し…

科学技術・デジタル
日曜から月曜に変わる深夜1時20分、トゥールーズのラ・フォレット地区で複数の銃声が響いた。麻薬取引が絶えず、過去にも銃撃事件が起きてきたこの地区で、未成年者1人が撃たれ、生死をさまよう重体となった。逃走した車からはカラシニコフ型突撃銃と拳銃、防弾ベスト2着が見つかり、18歳と24歳の男2人が組織的な集団による殺人未遂の容疑で正式に訴追された。取り調べで24歳の容疑者が語った言葉が、この事件をただの…

社会・文化
真夜中の1時20分、トゥールーズのラ・フォレット地区で複数の銃声が響いた。狙われたのは1人の未成年者で、今も生死の境にいるという。逃走した車からは、カラシニコフ型の突撃銃と防弾ベストが見つかり、逮捕された24歳の男は「Instagramで勧誘された」と供述したという。麻薬取引の絶えない地区で、SNSを通じて少年たちが暴力の駒として吸い上げられていく構図が、この一行の供述から見えてくる。これは筆者の…

暮らし・教育・健康
8月6日、パリの病院からひとつの報告が届いた。今年春、クルーズ船「MV Hondius」の船内でハンタウイルスに感染した唯一のフランス人女性が、約3カ月にわたる集中治療室での治療を終え、回復期療養施設に移されたという。保健省がAFPに明らかにしたこの知らせは、一人の退職者の女性が生死の境から戻ってきたという安堵の物語であると同時に、移動が自由になった社会がどこまで感染症を追いかけられるのか、という…

政治・公共政策
240軒のうち183軒。フランス南西部、ジロンド県の小さな村ル・ポルジュで、7月22日から10日間続いた山火事が焼き尽くした住宅の数だ。焼け跡に立った住民の一人は、地元紙にこう語ったという。自分たちは、観光地として知られるカップ・フェレ半島を守るために「犠牲にされた」のだと。

政治・公共政策
240軒のうち183軒が焼けた村がある。フランス南西部、ジロンド県のル・ポルジュ。7月22日に隣接するソーモスで発生した山火事は、最終的に4万2000ヘクタールを焼き尽くした。この村の住民たちは、いま静かな、しかし根深い疑いを抱いている。「自分たちは、もっと洗練された観光地であるカップ・フェレを守るために犠牲にされたのではないか」という疑いだ。