フランス映画祭2015 グザヴィエ・ボーヴォワ監督インタビュー

Xavier Beauvois

Fumer tueフランスのタバコの箱には「Fumer tue」(タバコは殺す)と書かれているのですが、タバコをすったり、お酒を飲んだりしてインタビューに答えています。

La rançon de la gloire

La rançon de la gloire

日本ではチャップリンを前面に押し出していますが、フランスのポスターなどではチャップリンを関連づけるものは、墓の十字架にかけられたステッキとハットぐらいです。日本のタイトルは「チャップリンからの贈りもの」ですが、これは内容にとても合っていて分かりやすいと思います。しかし原題は、La rançon de la gloire、英題はPrice of fameです。日本語に訳せば「有名税」です。rançonには身代金という意味があります。ですから、この原題はなかなかうまいネーミングなんです。

日本ではチャップリンを前面に押し出しているこの作品に対して、チャップリンに関して聞かないわけにはいけません。しかし、監督は1つの面白い話しとしてこれを映画化したのが第一義なので、そこまでチャップリンに思い入れがないように映ってしまうフラストレーションを感じていたように見受けられました。

チャップリンからの贈りもの本人は、「神は信じないがチャップリンは信じている」と話すように、チャップリンが実際住んだ邸宅や墓地でのロケ、息子や孫娘のキャスティングの成功など、遺族を口説けるだけのファンであったに違いありません。

さて、この作品の最大の特徴は音楽だと思います。ミシェル・ルグランの美しい音楽とライムライトなどの音楽が使われています。音楽は懐かしさもありますが、絶妙な使われ方もしています。たとえば、チャップリンの棺が犯人に掘り起こされているシーンは、ライムライトなどの楽しい音楽なんです。

もちろんこの作品はコメディーですから、ちゃかす意味でこんな楽しい音楽にしたのかと想像していました。しかし、監督によれば、亡くなったチャップリンが、地面から出て来て再び脚光を浴びたという意味で往年の作品の中から選んだそうです。

この事件の背景についても独自の見解を持っていました。この当時はヨーロッパ先進国では労働力不足だったようで、フランスもスイスも外国から移民を受け入れ労働力として採用しました。フランスとスイスの違いは、フランスは移民に滞在許可を与えずに、郊外に追いやった、いわばゲットーのようにしてしまいました。しかしスイスは滞在許可を与え、他のスイス人と同じように都心部に住んだそうです。監督はこれが現在のフランスで起きている様々な事件の根源だと考えているようです。

7/18(土)YEBISU GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座他全国順次ロードショー

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