ミックマック

この作品もフランスらしいと言えばフランスらしい作品だ。アメリカなら大問題になってしまうような国への反戦的なメッセージも難なくやっている。フランスは日本の半分以下の国力なのに武器輸出は世界有数だ。分野によっては世界一というものもある。

昔は日本の首相のことをトランジスタの商人なんて馬鹿にしていたが、まさにフランスの大統領は死の商人ととも言える。外遊時に一緒に軍需産業を含む商団を連れて売り込みに行くからだ。しかも売り先が不安定なアフリカ、中東地域だったりして、少々正気を疑う。

先日もまだまだ安心できないリビアに武器輸出解禁を行い問題になったが、この映画も悪役の武器商人の社長がサルコジ大統領と友人でツーショットの写真を飾ってあったりする。日本だったら、架空の名前を使ったり、別の俳優が出演するところだが、そのまんまサルコジ大統領が写っている。

もちろん、議論好きなフランス人にとっても、サルコジ大統領のやることには不満も多く、フランスが率先して中東地域への武器輸出に反対している人も大勢いる。この作品は、そんなメッセージ性を持ったコメディーだ。

主人公のバジルはレンタルビデオ屋で働いているが、ある夜発砲事件に巻き込まれて、頭の中にピストルの弾を受けてしまう。一命は取り留めたものの、弾は取り出さない事になる。銃弾の弾から製造会社が分かり、その会社に行ってみると、向かいの会社は、父が地雷除去を行っている最中に爆破し亡くなってしまうが、その地雷を作った会社だった。この2つの会社に復讐を行うために、ユニークな仲間と仕返しを始める。

フランス映画で良くあるのが、こういった仲間がやたらドジだったり、間抜けだったりするが、今回はそこまでではない。どちらかというと、変わり者だけど、あまり役に立たない特殊能力を持った人たちが協力して、という感じで、ここぞという時に失敗ばかりして、見ている我々がイライラするといった事がない。

監督のジャン=ピエール・ジュネで、有名な作品ではアメリだろう。デリカテッセンやロスト・チルドレンなど独特な世界観を表すが、エイリアン4など国際的な作品も撮っている。ハリー・ポッター第5部のオファーという。ワーナー(ハリーポッターの制作会社)は彼の世界観がどうしても欲しかったのか、彼といつも一緒に組んでいる撮影監督ブリュノ・デルボネルはハリーポッターの方に参加したそうです。

そういうクラシックな世界観が特徴の監督だが、今回はコンテンポラリーな一面もあり、暴露ビデオをYouTubeに流すというシーンが最後に出てくる。時流を表すものとして「誰かがやる前に」やったそうだ。オープニングのクレジットは英語だったり、この作品は完全なフランス映画ではあるけれど、国際セールスも意識されている楽しめる作品だろう。

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