AntenneFrance N.13
■ ■ ◆ A n t e n n e F r a n c e
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….une publication d’ICHIBANDORi
vol.13
■ きれいになったパリ
ワールドカップがフランスで開催されて、フランスは得したのか?
たとえば、ワールドカップというのにAirfranceはストライキだ
し、チケットは大量に無いしと前半は本当にイメージの悪いこと
ばかり聞いていた。とは言ってもたった3人が牢屋に入ったおか
げで、ダフ屋もぼろ儲けできた様なので上手くやったのかも知れ
ない。
友人のフランス人は、ワールドカップのためではなく、フランス
に一時帰国したのだが、このストのおかげでフランクフルトで9
時間近く待たされたそうである。しかしパリに戻れば、色々かわ
っていたそうである。
パリは犬の糞でいっぱいなのに、それはきれいに掃除されていて、
こんなきれいなパリは生まれて初めてだそうだ。それ以外にも、
街の建物は黒く汚れているのであるが、それも白くなったと言う。
凱旋門はまだその作業が途中で下半分が、作業中になっていたそ
うである。
犬の糞の清掃をいつまで続けるかは解らないが、観光に行くなら
今がベストかも知れない。
その他、前夜祭の巨人のパレードのために、その通行の妨げにな
る信号は取り外されたり、滅多にパリ上空からの撮影を許可しな
いパリも中継のためにヘリコプターが飛ぶことが出来た。
逆に日本もフランス人には良いイメージを与えたというのが一般
的な意見だ。去年はフランスにおける日本年で、日本関係のイベ
ントが色々開催されたが、結局のところ元々興味のある人が楽し
んだにすぎない。しかし今回は日本人のサポーターが、サッカー
ファンとしては信じられないほどの、マナーの良さが光って親日
家が増えたという話を聞く。ただし一部のメディアでは、「気持
ち悪いほど」マナーの良いと言うイメージも持ったようだ。
チケットにしろ、マナーにしろ結構日本人は話題になった様であ
る。
■ Generation francaise 3
表参道からフランス大使館までタクシーに乗ったのだが、驚いた
ことに「道わかります?」と聞かれてしまった。おいおい、タク
シーでしょ。そんなわけでそのタクシーの運転手は持っている比
較的新しいロードマップを手に運転し始めることに。しかも不運
だったことに、彼は方向音痴らしく、どう考えても右に曲がる道
を左の方向ばかり気にしているので、これはまずいなーと思って
いたら、本当に左に曲がってしまい結局30分もかかってしまっ
たのである。みなさんもタクシーは気を付けた方良いですよ。
そんなわけでようやくフランス大使館に着いくことができた。こ
のときの目的はフランス語関係のプロジェクトについて話しに行
くことだったのですが、おみやげに「Generation francaise 3」
というCDを頂くことが出来た。1997年に制作されたもので、少々
古い感じがするが、日本で購入するにはちょうど良いタイムラグ
であるかも知れない。この制作はBureau Export de la Musique
Francaiseと言うことで、海外向けのフランスのポップスを売り込
む機関のようだ。CDの他に、結構厚いアーティストや曲について
の解説の小冊子が入っている。せっかくなので、その中に入って
いる曲について感想を書いていくことにしようと思う。
I.
Particia Kaas
Quand j’ai peur de tout
パトリッシア・カースを知らないとかなりもぐりと思われるが、
アルバムを買うほどでもないと僕は思う。と言っても日本でシン
グルを買うことはなかなか出来ないので、結局その選択になるか
も知れない。特にお薦めでもないが、買って大失敗という感じも
ない。ポップと言うには日本で言うシャンソンぽいかも知れない
し、最近はジャズっぽい感じを取り入れているので、初めてでも
聞き易い。大体ヒットパレードにも上位に行く。
フランスのポップスを良く聞くからかもしれないが、この曲はか
なり有名なので聞いたことがあるかも知れない。詞はJean-
Jacques GoldmanとDiane Warren、曲はDiane Warren。解説の小冊
子によるとsとzの音に違いの勉強になるらしい。
★★★
2.
Micel Jonasz
L’ai que l’on respire
変わった曲が好きならどうぞ!そこまでひどくはないが、ちょっ
と疲れるし特にメロディーがあるわけでもない。でもこう言う曲
は良くある。
★★
3.
Enzo Enzo
Les idee bizarres
国際的にも徐々に有名になってきて、結構こういうプロモーショ
ンものには必ず入ってきます。以前AirFranceが配ったCDにも彼女
の曲は入っていましたし、インタビューにも応じてくれることも
あるようです。とは言ってもこういう日本で言うシャンソンぽい
のは嫌いなので、あまり薦められないのです。
★
4.
Julien Lourau Groove Gang
Voodoo Dance
名前がGrooveと言っているように、ニューヨークぽいサウンドで
す。サウンドの質やGroove感も良いのですが、完全にジャズと言
った方が良いかも知れません。
★★
5.
Pascal Obispo
Il faut du temp
ポップスで、ちょっとロックぽい感じの曲です。曲は良いのでお
薦めです。直説法の勉強になるらしく、テーマは恋人、去った恋
人などです。
★★★★
6.
Teri Moise
Je serai la
彼女は元々アメリカ人で音楽もロサンジェルスで学んでいるよう
です。25才でフランス語で録音した「les poemes de michelle」
がヒットし成功をつかんだようです。素朴な歌い方でギターやベ
ースと静かなオーケストラで構成されています。僕もles poemes
de michelleでCDを買いました。この曲もこうやってオムニバスの
中で聴くと素晴らしいと感じます。
★★★★★
7.
Katerine
Mon coeur balance
こういう曲が好きという人はそれ程多くはないと思うが、日本の
輸入レコード屋さんでは結構売っているのですね。ちょっと時代
が70年代と言う感じがします。もしこの手の曲が50分続くと厳し
い感じがします。
★
8.
Dimitri From Paris
Sacre Francais
MCMで時々流れる曲ですが、これも7曲目同様で70年代のような気
がします。この辺の曲は何がなんだかわからなくなってくる。
★
9.
Etienne Daho
Me manquer
日本でも結構売れているようなです。ダンサンブルでポップでフ
ランスっぽい感じがしますね。Miss you babyと歌っているらしい
のですが、フランス人という事が頭にあると、Monsieur, babyと
聞こえる。
ホームページもあるので見て下さい。
http://www.etienne-daho.tm.fr/
★★
10.
Blankass
La couleur des bles
この曲は星の王子様からインスピレーションされたと言うことで
すが、曲自体はそんな感じはしない。ケルトっぽいと言うかバグ
パイプのサウンドが印象的。どちらかというとブリティッシュロ
ックに影響を受けた感じがする。良くあるロック。人によっては
最高かも。
★★★
11.
Noir Desir
A ton etoile
ハードロックのバンドですが、僕はle jour en Franceと言う曲の
ミュージックビデオを見てから好きになりました。日本が舞台に
なっていてコギャルも出てくるし、地下鉄サリン事件も出てくる
し、なかなか面白い。ストーリーは、彼らがフランスから日本へ
ライブをしに来ます。女子高生が群がったり、自宅で雑誌を読ん
でいる感じなど、良く知ってるなあと言う感じがします。とにか
く地下鉄サリン事件の映像が挿入され、彼は捕まり、その後出所
します。そうしてお寺の前で、「受難」と毛筆で書き上げるとこ
ろで終わります。ただこれがフランス人が理解できるかわからな
い。
この曲のビデオクリップは見たことがないが、曲自体はちょっと
いまいち。
★★★
12.
Mad in Paris
Reveillez vous
パーティーでもやってそうな曲。80年代に流行った感じのスタイ
ルと思います。まあ良いのではないでしょうか?
★★★★
13.
Djam & Fam
Mon ceour se brise
フランスから世界に流行る曲ならこういうものでしょうね。アラ
ビアっぽいサウンド・メロディーにダンスぽいリズム・パートや
シンセサイザー系のサウンドでまとめると言った感じでしょうか?
アラビア系サウンドはKhaledなど結構流行っていますね。Khaled
よりもポップでダンス系です。
★★★★
14.
Ophelie Winter
Dieu m’a donne la foi
この曲の中なら一押しです。英語版もあるのでCDを買うときは注
意。アルバムの名前はNo Soucyです。
どんな曲かというと、ちょっと古いアメリカのまねで、のりのい
いポップスです。そのおかげで聞き易いのですが、、ビデオクリ
ップは未来的なイメージでなかなか面白いです。Shame on youと
言う曲では、これでも元モデルか!と言うほど顔が崩れます。
馬顔系。
★★★★★
15.
ADM
When you wanna move
なんかアメリカやイギリスの若い女性の黒人ポップスのグループ
みたいで、いい感じです。Eternalとかそんな感じですね。さびは
当然英語で。アメリカのブラックのようにYoo! Yeah!とか言って
くれます。なかなか良いでしょう。
★★★★★
16.
Melaaz
Va ou le vent te mene…
これもアメリカのブラックコンテンポラリー系の曲で、バラード
です。きれいな曲でお薦めです。MCSolaarとも曲を出したことが
あるようです。2ー3年前ぐらい前に流行ったアメリカのポップ
スをフランス語で歌っただけというのが、この手のフランスのポ
ップスには当てはまります。
★★★★★
17.
Lamifa
Chante pour les opprimes
完全にラップです。McSolaarのようにフランスのラップですね。
プロデューサーがMcSollarの初めてのアルバムを作った人と同じ
だそうです。
★★★★
18.
Les elles
La cantine
なんと言っていいか?ミュージカルや現代のオペラのような曲で
す。別に特に聞きたくはないけれど、こういう曲にはそれなりの
良さがある。
★★★
■ フランス映画紹介
嘘つきな彼女
来日した監督、主演、制作全員が「巡り会ったのが運のつき」の
メンバーの性か何となく和やかな雰囲気の人たちだった。
マリー・トランティニヤン(女優)
思ったより小柄で可愛い感じの人。
作品では虚言症で、周囲に迷惑をかけまくるのになぜか憎めない
役だが、「メランコリー」といい、この作品といい割にこの手の
役がはまり役。本当は解っているのだろうけれど英語を使ってく
れなかった。
肉体の学校
三島の原作に監督がイザベラ・ユペールをはめて作品化したとい
う。
ブノワ・ジャコ(監督)
実は彼の作品をあまり見ていないので対して話が出来なかった。
思ったより目立たない人というイメージ。
イザベル・ユペール(女優)
映画祭の団長として来日した時は結構気分屋との噂も耳にしたが
落ち着いた美人、この作品のヒロインのイメージにぴったりだっ
た。
本当は脆いのに強そうなイメージ。を演じる事が多い気がする。
ヴァンサン・マルティネス(男優)
兄のオリヴィエよりやんちゃなイメージ。気取りがなくて人当た
りが良い
作品ではなんだかひょろひょろしたイメージばかりが。
ヴァンサン・ランドン(男優)
最近は去年の「フレッド」や今年の「パパラッチ」のようなちょ
っぴりうらぶられて、人生に疲れた役が多かったが、この作品で
は心優しいがしたたかなゲイの役。結構それなりに美しくなった
ので驚愕した。
サイン会やボードパーティーでは普通なのに大勢を前にしての舞
台挨拶ではチック症気味になってしまうのはかなりシャイな性格
と見た。巧い役者だ。
短編映画
一度に数人が舞台挨拶をしたので識別が出来なくなりました。
ベネックス作品が目玉とはいえそれぞれ赴きがあってよかった。
ジャン・ジャック・ベネックス(監督)
一昨年、日本橋三越の「ベネックス祭」で来日した祭は朝の8:30
から地下鉄構内間で人が並んでいたというのでなかなかガードが
固いかと思っていたが本人がとても気さくな人柄で、ファンには
気楽に答えていた。
原点に戻るという芋込めてドキュメンタリーを撮ったという。
今回一番人気の監督。次回はか。
たれ込み屋
正当はフィルムノワールを期待していたらちょっと盛りだくさん
過ぎた気がした。
俳優も個性派ぞろいなのにちょっと生かしきれなかった感がある。
アラン・コルノー(監督)
最近は「インド夜想曲」系アート作品のイメージが強いが嘗ては
この作品のようなノワールものが得意だったので監督本人にも意
味なくハードなイメージを抱いていたが、なかなかお茶目。母は
モンタンが目当てで「メナース」を見たのだけれど、母があの作
品を好きだと言ったら「お母さんによろしく」とカメラにポーズ
してくれた。
映画評論家 坂田洋子
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