AntenneFrance N.196 横浜フランス映画祭2001特集

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  S O M M A I R E
  □横浜フランス映画祭2001特集
    将校たちの部屋
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◆◆第9回フランス映画祭横浜
◆◆将校たちの部屋
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    La Chambre Des Officiers
    2001年/フランス(フランス公開2001年9月26日予定)
    監督:フランソワ・デュペロン
    出演:エリック・カラヴァカ、サビーヌ・アゼマ、ドゥニ・ポダリデス
    2001年度カンヌ映画祭(コンペティション)部門正式出品作品
ドキュメンタリー監督として高い評価を得た、フランソワ・デュペロン。’88年に
『夜のめぐり会い』で注目され、『これが人生?』(第7回フランス映画祭横浜’99で
本領発揮。本作品でカンヌ映画祭(コンペティション)部門で絶賛された。フランス
でも劇場未公開で、上映はカンヌに続きこの日で2回目という貴重な映画だった。
主人公のアドリアンには『これが人生?』でセザール賞有望若手男優賞を受賞したエ
リック・カラヴァカ。傷を負ったアドリアンを労り、励ます看護婦に『恋するシャン
ソン』、『ブッシュ・ド・ノエル』のサビーヌ・アゼマ。陸軍病院で同室の将校の1
人アンリには、6/24上映『モータル・トランスファー』他、フランス映画祭横浜での
上映作品に常連出演のドゥニ・ポダリデス。
第一次世界大戦。偵察中にドイツ軍の砲撃を浴びた若きフランス軍将校アドリアンは、
顎から鼻の下までと舌を裂傷し、口蓋も失った。傷が癒えるまでの間を陸軍病院の病
室で過ごす事となり、深い傷を負った同室の兵士たちとの友情と、世話をしてくれる
看護婦の労りや励ましに支えられて不安を乗り越えていく姿を描いている。
映画は勲章をもらうシーンから始まり、主人公の顔にぎょっとさせられた。
歯もなく、口もきけず、顔中包帯だらけの彼がチューブで飲み物を飲ませられるシー
ンが痛痛しかった。そんなアドリアンに対して、「また前線に戻る気は?」とか「い
きているうちに勲章をやろう。」と言う大臣や軍人が無神経に感じられたが、戦争と
はこういうものかもしれないと思った。軍医からは死んだ乳児の骨を移植すると言わ
れ、絶句した。戦時中とはいえ、こう言われて素直に喜べる人が何人いるのだろう。
病院に鏡は置かず、自分の顔を見たがる患者に見せない。次々運ばれる負傷兵たちは
皆傷だらけの顔をしており、同じ体験者でなければわからない苦しみや悲しみを理解
し慰め合える仲間がいたのはせめてもの救いだと思う。
こういう場合、一般的な美的感覚では美しくないと思われる部分は隠して見せない映
画の方が多いと思うが、この映画では負傷兵が包帯をとった顔を観客に見せてしまう。
そうする事によって、「死ねばよかった。」「本当に話せるようになるのか?」とい
う失意や疑問、面会時や退院後に家族に会うまでの心の葛藤、再会を願っていた女性
を目の前にしながらの気後れ等、心理描写によりリアリティーを感じさせている。
顔の傷は手術で直せても、心の傷までは。。。
戦場に行く前に出会った人妻クレマンス。彼女はホームで主人と別れを惜しんでいた。
彼女とひとときを過ごすシーンで、アドリアンの顔を見なくてもすむように目隠しを
してあげるような気づかいをする程の彼だったから、相当傷ついているに違いない。
やっと外出が許されて仲間から誘われて行った娼婦の館でも、目を閉じた娼婦の唇を
指で何度も優しく撫でるシーンでは、もう、以前の体ではなくなってしまった事とク
レマンスとの美しい思い出を暗示しているかのようだった。
ラストシーンで、偶然街で出会った女性の言葉はこの5年間ずっと彼が自問自答し、
一番聞きたかった言葉だったと思う。 
心の傷が癒される、希望を託したラストシーンに涙がこぼれた。    
                                 岩田 和子
この映画の上映前に、フランス代表団の舞台挨拶がありました。
<『将校たちの部屋』のデュペロン監督の挨拶>
「フランスでの劇場公開は9月末です。まだ、未公開なので、実は今日が上映2回目で
す。そのため、皆さんの反応をとても楽しみにしています。実はこの作品は若いフラ
ンスの小説家の本を原作にしています。自分に良い効果をもたらしてくれた本で、本
を読んだ時に感じた事を伝えられたらと思います。」
<主演俳優エリック・カラヴァカの挨拶>
「今日、ここにこられて幸せです。2年前(第7回フランス映画祭横浜’99)にもここ
に来ました。」
    
映画上映後の質問コーナーで、
・Q「どのシーンがお好きですか?」
A 監督「地下鉄のシーンが好きです。」
・Q「どのキャラクターも皆良いですが、原作との相違点をお願いします。」
A 監督「小説のストーリーの方はこの後、第二次世界大戦に参戦し、戦争で負傷し
た人達を助ける教会を創設しますが、新しい事は何もありませんので、映画では省い
ています。」
・Q「日本では、病気ですがハンセン病で死んだり、やはり目や手などを失った人の
裁判の判決がでています。監督がおっしゃりたかったのは戦争反対か、それとも、別
の事でしょうか」
 A 監督「仰るとおり、戦争についての映画ではありません。顔の傷ですが、顔でな
くても良いし、キズではなくハンセン病でも良いのです。深い魂のところで傷付いて
いる、その傷でもよいのです。
・Q「撮影監督が日本人だと聞いたのですが」
A 監督「そのとおりです。撮影監督は『フランスで0からやり直したい』と15年に
来たテツオ・ナガタは助手からやり直して撮影監督になりました。コマーシャルフィ
ルムを撮っていた彼は、映像の工夫を沢山していて気に入っています。
・Qエリック「この映画は4~5年の話ですが、撮影はどのくらいかかって、メイキャッ
プはどれぐらいかかりましたか?」
A監督「撮影は2ヶ月半(メイクあり、なし)です。撮影に入る前にメイクを何時間
かかけてしている間に気持ちを集中していき、その人物に成り切る時間となりました
。」
 
プロデューサー代理「最後にプロデューサーとして言わせて下さい。デュペロン監督
と一緒に仕事ができて幸せだった。次回作もうちでやります。」
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