AntenneFrance N.336 アンフェアーは誰か?
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□アンフェアーは誰か?
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◆◆アンフェアーは誰か?
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フランスではオンライン著作権法の改正案「情報化社会における著作権および
著作隣接権(DADVSI)」を可決した。これは近年ファイル交換ソフトで日本の
マスコミを賑やかせているwinnyと同様なP2Pソフトウェアーの制限とiPodとiT
une Music Storeの関係のような、いわゆる「抱き合わせ販売」を禁止する内
容となっている。
特に気になるのはDRMと言われるデジタル著作権管理に関する内容だ。インター
ネットが登場してからレコード会社のほぼ全ては楽曲のデジタル販売にはほと
んど否定的だった。著作権管理された音声ファイルが販売されてはいたが、以
前はそれほど普及していたとは言い難かった。
しかしアップルのiPodとiTune Music Store(iTMS)の登場により、ダウンロー
ド販売は急速に発展し、現在iTMSのシェアは2/3を超えると言われているし、
否定的だったレコード会社もカタログに載せることに積極的になっている。も
ちろん新規参入したダウンロード販売サイトにも提供している会社もあれば、
自社や幾つかの会社で新しいサイトを立ち上げているところもある。
低調だったダウンロード販売が軌道に乗りはじめたのはiPodの大ヒットとiPod
専用(とiTune)のiTMSでの楽曲販売と言われている。iTMSで販売された音楽
ファイルはFairPlay(フェアプレイ)と言うDRM(デジタル著作権管理)シス
テムで管理されており、基本的にダウンロードしたコンピューターとiPod以外
では再生できない。
だから問題となっているmp3の音楽ファイルと違って無制限にP2Pのファイル交
換ソフトなどでインターネットで利用される心配が無く、音楽の著作権者とし
ては安心で収入源を得ることが出来る。
アップルもiTMSでiPodの利用者にサービスが行える上、iTMSで購入した曲は携
帯プレーヤーとしてはiPodでしか利用できずiPodの売上げにも貢献するだろう
し、囲い込みが出来るという形で非常にうまくいっているビジネスモデルと思
われた。
しかし今回のフランスの法案によると、独自のDRMシステムを他社でも利用で
きるように情報を開示しなければならない。つまりiTMSで購入した曲が他の携
帯プレーヤーでも再生できるように情報を公開しなければいけないし、iPodで
も他のDRMシステムを利用したファイルを再生できるようにしなければいけな
い。
同様にDRMシステムを開発しているのは、おもにソニー独自のATRAC3、マイク
ロソフトのWindowsMedia DRM、こちらはiTMSとソニー以外の多くの音楽配信会
社が利用している。マイクロソフトは特に携帯プレーヤーを開発しているわけ
ではなく、主にシステム提供していると考えて良いので、ソニーとアップル、
とりわけシェアーの大きいアップルが影響を受ける事になる。
音楽のネット販売に活力が出たのはiPodとiTMSのおかげと言えるが、システム
のオープン化は商品の特徴を無くしたり技術の流出と言うことにもなりかねな
い。ルノーのボディーにトヨタのエンジンを載せることが出来るようにしなけ
ればいけないと言うのと同じ事になる。
現在はCD購入が音楽と同意義だが、購入スタイルがダウンロード主体になって
くれば、iTMSが独占的となりかねない。独占禁止法違反に厳しいのはフランス
よりもむしろアメリカの方とも言える。
しかしこの法案によってどの機器での再生可能となることによって、コピーが
簡単に行えるようになるかも知れない。
フランスがこの手の法整備を急いでいるのは、主にP2Pファイル交換ソフトに
おける著作権に関してのEUの規定をフランス国内の法律に置き換える為ですで
に2002年内の期限を過ぎている。
DRM関連はフランス独自のようだが可能性の高いこの分野を重要視していると
いえるし、フランス国内の企業にあまり影響が無いからかも知れない。
フェアプレイと言えば、近日フランスを騒がしている初回雇用契約(CPE)。フ
ランスジャーナルの方でも紹介したが、簡単に言えば26歳以下で2年以内の解
雇を理由無く出来るというもの。
何でこんな事を考えたのか全く不思議だが、とにかくフランスは青年の失業率
がヨーロッパの中でも非常に高く23%にもなる、また2005年の暴動などからし
ても大きな社会問題になっている。フランスのデモは行進するだけの平和的な
物が多いが、このところのデモは30年前のように破壊なども行われており、負
傷者も出ている。
すでに学生だけではなく、様々な労組も反対を表明しており、28日には全国ス
ト・デモを行う予定。鉄道などは運休にならないようだが、通常ダイヤより2
~3本に1本という形になる。
もとはと言えば、青年の雇用促進を図るために、打開策として考え出された法
案で、学生団体からも話を聞いたという。しかし様々な反対、デモなどが起き
てもドピルバン首相は撤回断固拒否を貫いて、学生のみならずこの様な法律は
青年のみを対象とせずいずれは全労働者にも及ぶとしてほとんどの労働組合も
反対している。
一見反対が当然というこの法案だが、既得権益を守る闘いと見る向きもある。
フランスの場合労働市場が硬直化しており、なかなか新規雇用が生まれていな
い。また、学校を卒業後一度も雇用されていないという事実は、より雇用され
る機会を逃していくとも思われる。
この法案の趣旨としては、一度でも就労したという経験が重要だと考えている
ようだ。確かに、たとえば30歳まで無職だった人を雇用する企業も勇気がいる
だろう。これで青年の雇用を促進できるか分からないが、全くの打開策が見え
ない以上何か失わなくてはいけないのかも知れない。日本でも業績不振の大企
業が大幅な人員整理で回復した例も多く全くこの法案が無謀とも言えなくはな
い。
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◆◆フランス映画祭2006
◆◆記者の立場から見た映画祭
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色々噂された今年の映画祭、フタを開けてみれば例年とさほど変わらないので
はないか?アンテンヌフランスの取材チームは第2回目から続けれている人も
いて今回は通しで14回目(今年は「第○回」という表記が無い)、思い出も多
い。
映画祭のメイン会場と記者会見やプレス向けインタビュー会場の場所が離れて
いるために確実なことが言いにくいが、毎年合う記者がほとんど見なくなって
しまったかわりに、主に新しいウェブ系のメディアが目立った。プレス対応は
長らく続いていた映画配給会社ムヴィオラから昨年設立されたばかりのジャパ
ンパブリックリレーションズというホームページもないPR会社に変わったよう
だ。
シネコンでの開催は整然としていて良かったのかも知れないが、パシフィコで
見られるような一種独特な活気は感じられなくなってしまったかも知れない。
六本木の会場であるヴァージンTOHOシネマズでも大きな混雑があるように見え
なかった。横浜で開催されたとき近隣のシネコン「ワーナーマイカル みなと
みらい」でも同時上映されていたが、シネコンではそう言う雰囲気は出ないの
かも知れない。
映画祭パンフレットでは、今回の東京・大阪での開催は「一時的なもの」とさ
れているが、東京・大阪での開催が評判が良ければ、例年化することになるか
もしれない。
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◆◆フランスメディアショップ
◆◆フレンチポップスコンピレーションMosaique好評発売中
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引き続きmosaique1に収録されているアーティストを少しづつ紹介してみます。
今回は日本にとりつかれたバンドNinja k zeとObakeのバイオグラフィーを紹
介します、Ninja k zeはその名の通り忍者風、Obakeは幽霊のおばけ。ヨーロ
ッパやアメリカには独特な層の日本ファンが結構いるが、こういうネーミング
も彼らの特徴かなと思います。
▽Ninja k ze、マルセイユ発R’n’Bレボリューション!
日本と東洋文化の熱狂的ファン、ジェット、エル・エフ・カーそしてクリスタ
ルボイスのアヤメからなる3人組は、マルセイユミュージシャンたちの奇跡を
受けつぎ、ハートとやる気で前進中。彼等のニューアルバム“Infitration”
は、作詞作曲はもちろん、プロデュース、ミキシングにいたるまで、全て自作
自演。仏頂面な夢追い人、マンガ、テレビゲーム、そしてストリートミュージ
ックに育てられたNinja ka zeたち。ナイーブで喧嘩っ早い、ヤツラは今、世
界を狙う!
▽Obake
フランス人ミュージシャン集団、グラフィックアーティストそしてビデオ製作
ユニット。Obakeは、映像とエレクトロ・ロックミュージックの融合を求め200
5年フランス、DVD+CDデジパックで発売される。
Obakeの発信するアルバムは風変わり。エレキギター、シンセサイザー、逆回
転録音、インドネシア打楽器のサンプリングなどをミックス。その結果は?作
りこまれた14の短編エレクトロミュージック。シックなラウンジミュージック
から構築的な音楽まで、時にはワイルドなダンスナンバーも。(ヒットシング
ル「NOPOP」)しかも映像がついてくる!!
フランスのカートゥーンBDや、アートビデオ、フラッシュ、アニメなど、様々
なテクニックとスタイルが、彼等の作品の中で時に融合し、時にぶつかり合う。
しかしそんなことはお構いなし、彼等はアニメじたてのインタビューで笑いを
誘い、ビデオクリップではアグレッシブなまでにアーティスティックだ。Pink
TV(フランスのゲイ専門TVチャンネル)は短編映画フェスティバルでObakeの
作品を発掘、音楽専門チャンネルM6でも「NOPOP」は定期的に放映された。
お振込先銀行はジャパンネットバンクに加え、主な都市銀行(三井住友、三菱東
京UFJ、りそな、みずほ銀行)やイーバンクも対応しました。インターネット
(個人)からのお振込の場合、同行他支店(3万円以下、調査日2005年12月5日)
で0~105円でお振り込みできます。
ヤマト運輸(宅急便)に加え、日本通運(ペリカン便)、福山通運(パーシャル
ワン)も選択可能になりました。
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◎フランスメディアショップ
(Visa/Master/JCB/Amex/代引/銀行振込/郵便振替/PayPal対応)
http://www.france.tc/magasin/
http://france.seesaa.net/ (Visa/Master、メール便配送のみ)
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◆◆アンテンヌフランス編「パリ・ブランシェ」好評発売中
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「パリ・ブランシェ」特設サイト
http://www.parisbranche.com/
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