AntenneFrance n.396 サルコジ大統領、前途多難

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A__n__t__e__n__n__e____F__r__a__n__c__e______________ISSN_1881-2597_n.396
  S O M M A I R E  2008/3/17
  □サルコジ大統領、前途多難
  □フランス映画祭2008総評
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◆◆サルコジ大統領、前途多難
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 昨年大統領に就任したばかりのサルコジ氏、既に支持率低下で遂に不支持が逆
 転。そんな最中、先週と今週にかけてフランスでは統一地方選が行われていた。
 全国の市町村議員とそのトップを選出する選挙だ。先週9日は第1回投票で、過
 半数に及ばなかった場合は、第2回の投票で決選投票になる。地方選と言いつ
 つも今回はサルコジ氏の早速の審判となり、社会党が躍進し国政にも大きく影
 響する事になるだろう。それでもサルコジ氏はフランスのために尽くすと言い、
 政局や党のために混乱するどこかの国の政治家は少しは参考にしてもらいたい。
 「もっと働き、もっと稼ごう」がキャッ
 チコピーのサルコジ大統領だが、本格的に働き始める前に自分の給与を3倍近
 く上げてしまったのが幸い(?)して、最大の公約である経済の活性化と国民の
 生活向上に対しての成果も早急に結果を求められているようだ。
 以前はGNP、現在はGDPと言う経済指標が使われているが、コレに変わる新しい
 経済指標を作ろうとし始めた。フランスはGDPで成長が続いているが、実際の
 生活との間に大きな開きがある。フランスでは流行語とも言える「購買力」も
 一つの指数とも言えるが、この購買力向上に関してもGDP/GNPからでは読み取
 ることは難しい。現在行っている規制緩和などの成果なども具体的な指標とし
 て示すことも必要なのだろう。
 ノーベル賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ氏やアマルティア・セン氏ら
 を起用して始められるプロジェクトだが、単なる官僚的な「綺麗な」報告書を
 作るためだけに使われないで欲しい。
 あまり大統領などの政治家の女性問題など、フランスではさして採り上げられ
 る事はなかった。しかしサルコジ大統領は違う。カーラ・ブルーニとの結婚な
 ども支持率を下げる原因となっている様だ。豪華なバカンス、派手な私生活な
 ど、そんなことよりやることをしっかりやれと言う事だ。
 サルコジ大統領は当時恋人だったカーラ・ブルーニとディズニーランドに行っ
 たりと、積極的に私生活も露出してきてメディアに登場した。こういうのをフ
 ランスではpeopolisation(ピポリザシオン)と言うそうだが、大衆化というか
 芸能人化というか、この造語は英語のpeopleから来ている。pipolisationとか
 く場合の方が多くなってきているが、小数ではあるが、peoplisation、people
 isation、pipeulisationと書く人もいるらしい。
 そんなためか、最近変なことばかり発言してやり玉に挙げられている。つい最
 近始まったばかりのFrance24(http://www.antennefrance.com/contents/tech
 nologies/post_25.html参照)に対しては国民の血税で、フランス語をしゃべ
 らないチャンネルを放送出来ないとして英語の放送分の費用を出さないとか。
 もちろん英語で発信する意味もあるとして反対意見もあるが、英語やアラビア
 語の字幕を入れることで解決するとしている。現行のrfi(Radio France Inter
 nationale)やTV5などを統合してFrance Mondeでフランス語だけで放送する事
 を「早急に」進めたい様だ。
 フランス語にこだわる所などで、フランス人らしい愛国心を表した感じだが、
 パリ農業見本市で「フランス料理は世界一」として、フランス料理をユネスコ
 に無形遺産に申請する事を表明した。2009年から始まる無形遺産は日本では能
 楽、歌舞伎などが登録確定しているが、伝統芸能、工芸、祭礼などが中心だ。
 つまり歴史的な無形文化を保護していこうという仕組みだ。
 確かに料理は文化とも言えるが、100年前のフランス料理と現在の物が同じな
 わけが無いし、もし登録されたら現状のフランス料理を保護していくのだろう
 か?もちろん能楽や歌舞伎なども多少変化があるだろうが、消えつつある伝統
 文化を保護するという物と大きく異なるだろう。早速イタリアからは世界の食
 文化を格付けするのは間違っているとして異議を唱えられたりしている。
 大統領選だった頃からの公約として、地中海連合(MU, Mediteranea Unio)構想
 にもドイツのメルケル首相の強い反対で、大幅に本来の構想と弱らされてしま
 った。スペイン、イタリアなどのヨーロッパやアルジェリア、エジプトなどの
 北アフリカの地中海沿岸諸国、トルコなどで新しい連合を作り、ヨーロッパは
 北アフリカの豊富な天然資源を狙い、北アフリカが裕福になれば移民が減るだ
 ろうと言うハナシ。
 確かに近年のエネルギー問題への強い足がかりにもなるし、移民の問題も大き
 いから、フランスにとっては美味しいプランではあるのだが、イギリス、ドイ
 ツが反対して来た。これはEUを分断させる物だと言うのだが、やはり大きな利
 権をフランスに獲られては、と言うことだろう。しかもフランスはリビアにち
 ょっとフライング気味で武器輸出を再開したりと自国の利益誘導に節操が無い
 感じがする。
 結局、この構想はEU全体で取り組む事に修正され設立を承認された。しかし彼
 は「EUに加盟する資格のない筆頭国、それはトルコ」と発言しトルコのEU加盟
 に反対しており、トルコは地中海連合に反対の気配だ。
 サルコジ大統領、前途多難である。
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◆◆フランス映画祭2008総評
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 日本でフランス映画祭が行われている間、フランスのドーヴィルではアジア映
 画祭が行われていた。日仏交流150周年を記念してこの映画祭を含むノルマン
 ディーの観光ツアーが組まれていたようだ。日仏交流150周年と言っても、コ
 レは悪名高き不平等条約が結ばれた条約を記念していて、何も日本が喜んで祝
 う筋合いはない。この交流も不平等な感じで、フランスの売り込みの方が大き
 い感じもする。
 東京では開催が終了したが、大阪ではこれからだし、東京でも日仏学院やユー
 ロスペースでは、今回上映したごく僅かの作品の再上映と旧作の上映がこの映
 画祭に引っかけて行われているので、これから見に行こうと思っている読者に
 速報的に伝えてみようと思う。
 今回のフランス映画祭で一般的な視点から見て一番見やすいのはセドリック・
 クラピッシュ監督の「パリ」だろう。監督のインタビューも撮ったので、近日
 ホームページかDVDでリリースする予定だ。やはり明るく振る舞う監督は作品
 もうまく行くことが多い。数年前横浜に来たときはまだ駆け出しだった監督も
 今は「大物」である。日本での配給は決まったとも伝えられているが、非常に
 配給権が高かった事が多くの配給会社が断念していたと言う。
 初監督、しかもいきなりカンヌやセザール賞で受賞してしまうという快挙を行
 ったセリーヌ・シアマ監督の「水の中のつぼみ」は異色の思春期のストーリー。
 ヨーロッパの映画記者はネタや視点の新しさなどを評価する傾向にあるが、こ
 の作品はまさに視点の切り込み方が良かったようだ。元々卒業制作として制作
 した脚本が受賞し、本作の映画化と言うことで本人がメガホンを握ることにな
 った。
 セザール賞で11部門もノミネートされジュリー・ドパルデューは助演女優賞受
 賞した「秘密」。同じく第二次世界大戦中のナチスと関係のある作品「暗闇の
 女たち」でも出演しているが、両方とも記録フィルムなどを挿入してリアリテ
 ィーを高めている。日本人にとってフランスでのナチスの話などはよく知られ
 ていないので、多分フランス人の受ける印象と違ってしまうかもしれない。ジ
 ュリー・ドパルデューはフランス人は過去の罪をもっと知らなければいけない
 と、戦争終結から随分経った今の作品の意味を語っていたが、フランス人も関
 わっていたホロコーストなどをナチスに集約して押しつけている様にも感じた。
 なお、「秘密」には今回主演男優賞を受賞したマチュー・アマルリックも出演
 している。
 十数回も行われているフランス映画祭の性で、2006~2007年に公開された最新
 のフランス映画を13本上映される。日本でも1年でどれだけ面白いと思える作
 品があるだろうか?より大衆を意識したハリウッド物でも大ヒットする映画、
 もしくは記憶に残る作品はごく僅かだ。ここ1~2年の中で優れた作品を集める
 のも実は至難の業であると言える。
 しかし映画祭ではないが普通に配給された『エディット・ピアフ~愛の賛歌~』
 でマリオン・コティヤールはセザール賞で主演女優賞を受賞したが、アカデミー
 主演女優賞ではフランス語で演じたフランス人女優の受賞は初と言う快挙でも
 ある。しかもセザール賞の撮影賞は日本人(永田鉄男)で有るし、既にDVDも
 発売され公開は終わったとはいえ、ラインナップに入れられなかったのかと思
 う。
 今回来日した作品も日本は元よりフランスでも無名の監督だったり、長編は1
 ~2作目なんて言うことも。それでも、半分程度は日本で公開されない物だっ
 たりするので、最新のフランス映画を知るには、他にはない機会である。
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