フランスの自然派化粧品メルヴィータ Melvita
フランスの化粧品メーカー、メルヴィータは特に美容オイルで有名です。
日本人には少しなじみがないかと思いますが、オーガニックコスメはヨーロッパでは大変人気です。
オーガニックコスメの人気の理由は?
化粧品には様々な化学物質が含まれていますが、これが逆に肌に悪いのではないかという事で、あまり人工的に作られた成分を含まれていない物が良いのでは無いかと考えられ始めました。
しかし、天然成分だからと言って必ずしも肌に良いわけではありません。植物にはかゆみやかぶれを誘発する物もありますし、毒である場合もあります。天然のものだからといって精製しなければ万人の肌に良いとは言えないのです。
また、オーガニックという農薬などを使わない物が良いという意識がだんだん出てきます。植物由来だから良いかと言えば、そうとも言えません。植物を効率よく育てるには、植物の成長に必要な成分だけ含まれた人工的な肥料を使い、農薬で邪魔な雑草や害虫を除去します。こうして必要な植物が効率よく育てることが出来ます。
しかし、そうやって出来た植物には、本来含まれている成分があるのでしょうか?農薬は残っていないのでしょうか?
結局工業製品のように作られた植物を使うことは、あまり良くないのではないかと思われるようになったのです。
オーガニックが大変な理由
農薬や肥料を使う理由はあるのです。
有機肥料は、動物のフンのことです。栄養価は高いでしょうし、人工費用にはない微量成分なども含まれています。しかし、害虫を呼んだり衛生上の問題が発生します。だから人工的に作られた肥料の方が安心で安全な肥料だと考えられて普及しました。
植物の成長には特定の元素が関わっていることが分かりましたので、その成分だけを供給すれば効率よく育てることが出来、変な虫や病原体などを持ち込まなくてすみます。
その反面、本来含まれていた栄養素が、ドンドン減っていきました。最近の野菜は栄養素が少ないと言われているのはこの問題なのです。
そこで再注目されたのが、有機肥料です。
有機肥料は動物のフン等を利用することなのですが、高熱で加熱し、病原菌など問題となる部分を解決することが出来るようになりました。有機肥料は従来よりも安全安心な物となっています。
無農薬
農薬の問題は、減農薬と言って農薬を出来るだけ使わないようにすることで、植物の残る農薬をより少なくすることが出来ます。通常農薬でも収穫の何日か前には農薬を使わないことで残留農薬をほとんど無くす工夫がされていますが、これにより農薬の影響はかなり減ります。
また、害虫となる天敵を意図的に育てることで、その植物につく害虫を無くしたりする事が出来ます。
また、害虫がより好む植物を植えて、育てている植物につかないようにして、無農薬を行うなど、無農薬のやり方にも労力をかけない方法が研究されてきました。
このように市場のニーズによってオーガニック製品が手に届きやすく高品質で手に入りやすくなったのです。
メルヴィータのアルガンオイル
メルヴィータは、アフリカの大地で数年間雨が降らなくても枯れないと言われるモロッコのアルガンと言う木の実から抽出したオイルです。
オイルの抽出方法
一言にオイルと言っても実は色々あります。最も有名なオイルは、オリーブオイルでしょう。オリーブオイルは食用にも化粧用にも使われています。食用油として最も普及しているサラダ油は菜種や大豆やひまわりの種の油を主原料にしています。
オイルの抽出方法にはいくつかあります。最も効率的な方法は、ヘキサンという石油由来の溶剤に漬けて抽出します。抽出したい種子を砕いたら、ヘキサンと塩酸と混ぜます。そうすると油分はヘキサンに溶けます。しばらく静置すれば、分離してしていきます。油分の溶けたヘキサンの溶液から、ヘキサンを蒸発させれば、欲しい油だけが残ります。
このようなオイル抽出方法は、スーパーなどで大量に売られているサラダ油などで、低価格で販売することが出来ます。
もう一つの方法は、圧搾法です。こちらは、植物の種子などを蒸したり煎ったりして柔らかく油が出やすい状態にして、圧搾します。こうやって大量の種子なら少ない油を採る手法です。
ごま油が香ばしく黒いのは煎っているからです。より植物の種子の状態に近く、本来備わっている栄養素も入っていますし、香りも残っています。
ですから、オイルは圧搾法で作られたオイルが断然良いと言えるでしょう。
注意したい化粧品のオイル
食用であれば、香りなども楽しみたいのですね。オリーブオイルには産地によって様々な香りや風味があります。これらも圧搾法で作られたオリーブオイルだからです。もちろんオリーブオイルでも低価格で販売されている製品は抽出法で作っている場合があります。
一番最初は圧搾法で抽出して残りかすから、さらにオイルを搾り取ろうと抽出法でオイルをとるのです。
さて、化粧品の場合はどうでしょうか?
肌に塗る化粧品は、オリーブオイルそのものでは、適さない場合があります。より精製して不純物などを取り除かなければ行けません。こういった化粧品用のオリーブオイルは加工してあるので、圧搾法か抽出法かなど書いてある物をほとんど見ません。
メルヴィータのビオオイルは、美容に良い非加熱で圧搾・抽出されたアルガンオイルを使っています。非加熱なので酸化もされにくく、オレイン酸、リノール酸やステロールなどの美肌成分はそのまま含まれています。
フランス版Wikipediaには下記のように記載されています。
メルヴィータ – ラボラトワールM&L
1976年設立(現社名)
主要人物 Bernard Chevilliat
取締役会設置の法人形態SA
本社 マノスク
マネジメント クレア・ビアノ
活動内容 オーガニックコスメのスキンケア・ヘアケア製品の生産
製品情報 フローラルウォーター、植物油、フェイス&ボディケア、ヘアケア、衛生、食品サプリメント
親会社 ロクシタン
2019年3月末時点の人員数 1,088名
サイレン 305 823 296
ウェブサイト http://fr.melvita.com/
売上高 365 063 300 €(2019年3月末時点)
2019年3月末時点で純利益13,375,400ユーロ
メルヴィータは、養蜂生物学者でHozhoni社の創業者でもあるベルナール・シュヴィリアが1983年にアルデシュで作ったオーガニックコスメブランドです。
ブランド名は、蜂蜜(”mel”)から直接インスピレーションを受け、それに加えられた接尾語 “vita “はラテン語で生命を意味し、植物の生きた性質をそのまま表しています。
ラボラトワールM&L社に属するブランドです。
2015年、メルヴィータは220種類の製品 を取り揃え、3つのショップ(パリとアルデシュに1つずつ)を展開しています。
歴史
1977年、生物学5を学んだベルナール・シュヴィリアは、弟のフィリップと妻のヌリエル6とともにアルデシュに養蜂場をつくった。
1983年、収入を増やすために、巣の製品(六角形の石鹸、フローラルウォーター、クリーム)をベースにした初の化粧品シリーズを開発し、メルヴィータ社を設立、オーガニック化粧品市場に参入しました。
メルヴィータは、1987年に最初の生産部門を立ち上げました。
2002年には、研究所がエコサートのオーガニック認証を取得しました。
2008年にはロクシタン・オン・プロヴァンスグループの子会社となった。
2011年、メルヴィータは3種のハチミツ(タイム、アカシア、オレンジ)をベースにしたクリームで最初の特許を出願しました。
メルヴィータ製造会社を解散し、製造はラボラトワールM&L社に、販売はM&Lディストリビューションに委託。
2012年には、Lagorceの生産工場の改修に2,000万ユーロを投資しました。後者はHQE基準で設計され、面積は2倍の16,000m2となった。