王の菜園ル・ポタジェ・ド・ロワ
■太陽王の菜園
観光客で賑やかなヴェルサイユ宮殿の一画に、静かな散策が楽しめる菜園がある。ヴェルサイユ宮殿の食卓にのぼる野菜や果物の栽培を一手に担っていた王の菜園、ル・ポタジェ・ド・ロワだ。
王の菜園ル・ポタジェ・ド・ロワは、ルイ14世の食卓に献上される野菜と果樹を栽培するため造園設計家ラ・クインティニによって5年かけて作られたもの。不毛な土地を実りあるものにするために、様々な工夫が施されている。
周囲を高くして風を避け、壁に蓄えられた太陽の熱を利用してイチジクの栽培に成功した他、宮殿の厩舎から出る堆肥を組み合わせながら、レタスを1月、イチゴを3月、メロンを6月に収穫している。また当時珍しかったグリーンピースの栽培も行っており、これがヨーロッパ中に名を知らしめることとなった。
ルイ14世はしばしば、宮廷の貴族を菜園の散策に誘い、またテラスの高みからガーデナーの仕事ぶりをながめ、時にはそのレッスンを受けることもあったそうだ。
その後もマリー・アントワネットのお気に入りの場所となり、今では世界で有数の由緒ある菜園として、新鮮なオリジナルの果物を作り上げている。
■逸話に尽きないルイ14世
ルイ14世と言うと、すさまじい食欲と際立った味覚を持った人物として知られており食に関するエピソードは数知れない。ルイ14世のため、300人もの食膳係は夜明けから王の食事の準備のため、キッチンで忙しく働いていたとか。また、何十種類もの料理をテーブルに並べ、食べきれなくなると近くに置いてあるバケツに胃の中のものを戻し、次の料理を食べたとか。
そんな贅沢を尽くした食事を望んだルイ14世であるが、歯がなかったという逸話でも知られている。侍医は「歯はすべての病気の温床である」と説いておりルイ14世の歯を全て抜いてしまったのだ。
そのため、歯痛はなくなったものの食べ物を充分に噛み砕くことができず胃腸の調子が絶えず悪くなり、一日に何回もトイレに行き、家臣にもトイレから命令を下すことがあったとも言われている。
変わった話の尽きないルイ14世ではあるが、太陽王と呼ばれ「朕は国家なり」とまで言わしめた絶対的な権力を保有したからこそ、現在まで受け継がれる王の菜園の作り上げることが可能だったのだろう。
■ニナス・パリからマリー・アントワネット・ティーが誕生
さて、この王の菜園ル・ポタジェ・ド・ロワで栽培された果物や野菜は現在も販売されているそうだ。先日はル・ポタジェ・ド・ロワで採れた希少なりんごを使用し香り付けたマリー・アントワネット・ティーがニナスより発売された。
ニナスはル・ポタジェ・ド・ロワ唯一のオフィシャル・パートナー。マリー・アントワネット・ティーはりんごの爽やかな香りとすっきりした味わいに優雅な気持ちになれる一品だ。。ルイ14世の贅沢の証とも言える王の菜園で採れたりんごが香る紅茶だなんて、なんとバックグラウンドの深い飲み物だろう。
かわいらしいピンクの缶は女性にも喜ばれるが、贈り物にするときは是非、優雅なルイ14世のエピソードを紹介して欲しい。幼い頃からバレエと音楽のレッスンを受け自らが主演した壮麗なバレエを上演したと言われている。可憐なイメージの紅茶にはこちらのエピソードの方が適しているようだ。