サルコジ大統領、150年ぶりの議会演説
サルコジ大統領が約150年ぶりに、ベルサイユ宮殿の上下両院合同会議で演説を行った。
演説では、時代は新たな入り口に来ているとし、様々な面で抜本的な改革が必要であると主張。新しい国債の発行、年金退職制度、炭素税の導入、さらにイスラム教徒の女性が着用するブルカへの反対にまで話が及んだ。
フランスでは三権分立を重んじており、議会の独立性を守るため、19世紀後半以来大統領の議会演説が法律で禁じられていた。だが、サルコジ大統領が選挙公約にかかげており、昨年の法改正で可能となり今回の演説が実現した。
議会への影響力が強すぎるのではないか、といった専門家の批評も出ているが、事前に行われた世論調査では56%が好意的な意見だった。
先日行われたEU議会選の結果ではUMPが勝利をおさめ、大統領のプレゼンスがよりはっきりしたものとなったが、それに続く強力なリーダーシップのアピールの場となった。
また、ブルカ(イスラム教徒の女性が頭からすっぽりかぶりもの)の着用に反対姿勢を表明した。「女性の尊厳が守られていない、共和国フランスでは受け入れられるものではない。議会で論議すべき問題」とした。サルコジ大統領のこのはっきりした反対姿勢はイスラム国でも報じられることになった。
ブルカを着用する女性は年々増加傾向にある。女性の自由、平等が謳歌されるフランスでは、宗教的に反対を示すというよりは女性の自由を妨げるものとして、不快に感じるという声が多く出ている。