サルコジ大統領の国連総会での演説
日本では鳩山総理が国連で外交デビューしたことが話題となっているが、フランスでもサルコジ大統領が国連で演説した内容に注目が集まった。ここに一部を紹介しよう。
サルコジ大統領はまず昨年から始まった世界同時不況について言及した。世界は未曾有の金融・経済・社会危機に見舞われており、地球規模の環境災害に直面していること、そしてそこから抜け出す責任が私たちにあると述べた。
また、世界には10億人が飢餓に苦しんでいるなか、金融界で世界を大混乱に陥れながら、なおも財を築き続けようとする人の行動に憤慨しており、私たちが解決していく義務があり、「世界は変わります。変わらざるを得ない」と強調した。
そして、安保理保障理事会の常任理事国および非常任理事国の枠の拡大をするべきという認識を明らかにした。アフリカ大陸が安保理常任理事国に入っていないことは容認できない、大国ブラジル、人口10億人のインド、そして日本とドイツが常任理事国から除外されていることも容認できないとした。
演説内容はさらに多岐にわたり、国際通貨基金の改革、タックスヘイブンの終止符、温室効果ガス排出量の削減などについても語り、地球規模で一丸となって解決するべきテーマに一通りふれたものとなった。
サルコジ大統領の演説シーン、グローバル化した世界が抱える問題をいっきょに把握できるものとなったのではないだろうか。サルコジ大統領独特の力強さも交じり、なかなかのプレゼンテーションといった印象である。