フランスの対アジア政策はいかに?
カテゴリー: 社会 | 公開日: 2007/1/15
よく知られているのが、シラク大統領の日本好きである。あまり大統領の女性スキャンダルなどを報道しないフランスでも、昨年は日本に隠し子がいるなんて言う報道で賑やかせたが、プライベートでも50回近く日本を訪れている。しかし公式には8回ほどで、一番最近は愛知万博の視察だ。
日本が北朝鮮に気を取られている間に、中国には昨年10月には2002年の再選より4度目の訪中で、フランスの企業約30社が同行し、商談が行われた。2004年の訪中の際には同様にフランス企業団が同行し総額40億ユーロ(6000億円)以上の契約が結ばれ、「フランス最高のセールスマン」という異名も付く程だった。
このセールスマンの辣腕ぶりは、今年の選挙に有利に働くか別にして、如何なく発揮されたようだ。中国民間航空業界にとって過去最大の契約で、大売り出し中の次世代エアバス中型機のA350やA320など170機、金額にして100億ドル以上だ。
また、中国は原発を100基以上建設すると言われているが、原発建設プロジェクトもフランス電力公社との大枠の合意をした。アルストム社は電気機関車は500両の受注に成功した。
もちろんこれはフランスだけにとって良い話ではなく、エアバスが受注した170機は全て中国国内での組み立てを行うことになっているし、電気機関車はライセンス生産で中国の企業で大半を生産することになっている。また、STマイクロ社は中国科学院とマルチコアプロセッサ(サーバー用のCPUでインテルのItaniumに相当)を共同開発する。
まさに蜜月状態で、中国の温首相は中国とフランスは歴史上もっとも良い関係にあるとか、シラク首相は中国は世界に対して積極的に重要な役割を果たしていると賞賛した。
日本の経済界が靖国神社になんかに行ってないで、うまくやって欲しいと言いたいのはよく分かる。とはいえ、金儲けのために何でも言いなりというのはどうかと思う。
今年になって、フランス初の女性大統領との声高い社会党のロワイヤル議員も訪中し、日中の友好協力は世界の平和と発展に意味があるとの発言を行ったが、記者団に対しては、人権問題に関わっている弁護士やジャーナリストの権利は侵害されるべきではないと語り、中国の人権問題をあまり持ち出さなかったシラク大統領と対照的だ。
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