フランスの日本のドキュメンタリー
カテゴリー: 社会 | 公開日: 2006/9/7
リベラシオンによるとフランスのテレビ局France5で「日本、過去の影(Japon,lesombresdupasse)」(サブタイトル:国家主義へ帰還?Leretourdunationalisme?)と言う番組の再放送に対しフランスの日本大使館が内容に間違いがあるとして放送前から抗議したが、そのまま放送された。
しかし番組内容を紹介するホームページを見る限りは随分曲がった内容に感じられる。載っている写真には小泉首相が紋付き袴のバストショットとたぶん中国の南京大虐殺に対するデモと思われる日本国旗を燃やしている写真が掲載されている。
日本人の自尊心を守るために南京大虐殺などのような過去の戦争犯罪などは教科書から消されているとし、日本は「韓国の領土独島(日本名竹島)の領有を激しく要求している」、軍隊を維持しない憲法9条を改正して再度軍国主義へ向かう、首相が戦犯を敬意して靖国神社行っているとしているなどと解説している。靖国の説明は、戦争犯罪者の墓(latombedescriminelsdeguerreYasukuni)としており、戦争殉死者を神として祭るという考え方はフランス人には理解できないかもしれないが、これでは戦争犯罪者だけを祭るお墓と勘違いされかねない。
また、高校の数学の教師は国歌を歌うために40秒間とどまらせたりとこのまま行けば戦前の独裁主義に向かい恐怖と言っている。たぶん学校での国歌斉唱や国旗掲揚に反対している教師の話だろう。
確かに、日本の大新聞でも自虐的な社説や記事を載せることがあり、教師が君が代を歌うのに反対している人たちがいることは確かだが、これらの内容をそのまま番組にしたのだろうか?この番組を制作したのは東洋に強いと売りのHikariProductionと言う会社で日本語の名前を付けているだけあって日本には詳しいとも考えられる。実際東京(汐留)にも事務所を持ち日本語の会社概要などもある。
国際的には日本の新聞は極左か宗教系新聞(の様な記事)とされるし、左とされる産経新聞でも中道より左程度、外国では自国の軍隊の存在そのものを否定するような新聞は無いと言われる。そう言われると世界の中でみると日本は例外的に抑制されていると思われる。フランスでは未だに軍事パレードが行われ、徴兵制が終わったのもつい最近、永世中立国スイスは260日の兵役が義務づけられ、日本と同様に敗戦したドイツにも徴兵制がある。イスラエルに至っては女性にも兵役がある。お隣韓国も徴兵制があり、中国は事実上志願兵であるが世界最大の軍事力を持ち軍隊は国家ではなく中国共産党の保有である。
外務省によれば中国では年間5万件のデモが、数万人、数千人の規模のデモも起きており、その中には軍隊が出動したり、死傷者がでて鎮圧される物も多いと言う。反日デモはその中ではかなり小さい現象とも言える。
France5はフランス・テレビジョンというフランス国営放送局グループのひとつで、日本で言えばNHK教育のような放送局。以前はArteと言う文化を扱う仏独共同の国営放送局LaCinquiemeだったが、FranceTelevisionの一部になり、名称、ロゴなども変わった。France5となってからは、より教育的な内容が重点的になり特にドキュメンタリーに予算が強化された。今フランス政府は世界に多様な(フランス視点の)ニュースソースを届けて、英米中心のメディアに対抗しようとしている、しかし極論は勘弁していただきたい。
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