フランスの税制

衆議院議員選挙もいよいよ終盤戦。地方分権を叫びながら、地方自治体の政策に反対する選挙演説を聴くたびに、本当にこの政治家は物事分かって話しているのか?と感じる。都政にケチを付ける以前に、国政をどうするかが自分の仕事だろう。

財源問題が生じる中、何かと注目を浴びるのは消費税増税だ。今までは3%が5%とまだ良かったが、もし今度上がるとするといきなり10%なんて言う声が上がっているから驚きだ。

フランスの消費税

消費税の話になると必ず引き合いに出されるのはヨーロッパの福祉と税金の例だ。勿論全ての国が同様と言うわけではないが、福祉国家というと北欧のイメージが強いが、フランスだって高福祉高負担傾向だ。しかも、別に彼らは日本よりハッピーとは言えない。

ヨーロッパの消費税が15%越えは当たり前で、フランスは19.6%もする。しかし食料品など生活必需品は5.5%と日本と同程度。こういう分け方は消費税を導入している国々ではおおよそ採用されていて、アメリカでは州によってかなり異なるが、非課税だったり一定金額まで非課税など生活必需品には課税されないか低額な税率が採用されている。

例えば、フランスの場合、マクドナルドでハンバーガーを食べる場合、お店で食べると19.6%だが、テイクアウトだと5.5%の税率になる。チョコレートは食べ物だが、19.6%といった具合に、嗜好品などは税額は低くならない。

時々国税収入に占める消費税収入の割合は、日本は5%でも消費税20%近い国々とあまり変わらないという結果を見ることがある。しかしこの計算方法も微妙で、前回お伝えしたとおり、一般会計の収入だけで比べればそうかもしれないが、特別会計で計上されているものなど全体で見ればかなり少なくなる。まだまだ日本の消費税は低負担で助かっていることは確かだろう。

ヨーロッパの法人税事情

ヨーロッパの場合、北欧の企業があまりの税負担に耐えかねて、他の国に出て行ってしまうことが良くあり、オランダあたりに本社を移転してしまう事が良くある。これは欧州統合で人、物、金がボーダレスになる中、国のシステムはそこまで統合されていないことが原因だろう。

新しく加盟した東欧諸国は積極的な企業誘致や優遇税制を採用している。そうなると、自国からの企業流出を避けるために法人税を下げる羽目に陥いる。オランダは25.5%だ。しかしEUの平均法人税率は25%を下回っている。税率25%以下だと日本からはタックスヘブン扱いされてしまう為に、逆に日本からは不利となってしまう所もあるほどだ。(タックスヘブンでの利益は日本で課税されてしまう)

法人税各国比較

フランスは33.33%、中小企業は15%だ。但し、CSBと呼ばれる社会保障負担金などが加算される場合もあり、雇用に関する規定なども含めると、実質はもう少し負担が大きいと考えた方がよい。

日本は40.69%と世界最高クラス。法人税は利益に対して計算されるが、この計算方法が各国まちまち。例えば、交際費は日本ではかなり認められるがアメリカでは50%しか経費に認められない。日本の企業の7割が赤字で、3割程度しか法人税を払っていない。しかもそのうちの3割がトヨタだそうだ。

アメリカは日本より高く40.75%。クリントン時代に最高税率を上げて、財政赤字を削減し、財政黒字を達成した。しかも、戦後2番目の好景気となりIT関連でもアメリカの主導的地位が確立した。

減税か増税か?

年収200万円の人が年収300万円になっても、おおよそ消費すると思われるが、年収1億円の人が1億5千万になっても、5千万円分使ってくれるかというと、多分そうではないだろう。銀行に眠らせておくか、外資系投資銀行に行って日本経済に還元されない可能性が高い。なので下を底上げした方が景気対策になる。つまり企業にとっても有益で、結局高額所得者もさらに儲かるだろう。

どうせ税金で取られるから使ってしまえという考えで、設備投資や関連企業への発注も考えられるので、減税が「善」とは言い切れない側面があるだろう。

確かに税金は安いに越したことはないが、ヨーロッパのようになってしまうと、日本が島国で良かったと感じる側面である。

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