壊滅が予想される自民党と追い風だけどちょっと不安な民主党の選挙戦を巡り、財源問題がよく槍玉に挙がっている。確かにいくら不況とはいえ、どんどん借金して使ってもらわれては困る。既に良い政策とされ実行された高速道路1000円も大都市近郊の観光地や航空会社が打撃を受け、地方の観光地も受け入れ体制が不十分であったり渋滞が大きくなったりと良いことばかりではないようだ。

民主党に言わせれば無駄を無くせば大丈夫というが、詳細は政権を取らなければ分からないとビックリする発言だ。予算を決めている国会議員でさえ分からないのに国民に判断しろと言うのも無茶だろう。

しかし、橋下知事がTBSの番組のインタビューで新聞代を見直しただけで8000万円も浮いたというのだから、国なら数億円規模になるかもしれない。個人的に官僚から聞いた話からもあわせてみると、無駄というかいい加減な会計も多くかなりの金額が節約できる可能性はあるだろう。問題は麻生さんや鳩山さんが出来るのかと言うことだ。

フランスの問題点

さて、フランスは?というとサルコジ大統領に代わって、かなり末端まで調べ上げて緊縮財政を行っていると聞く。EUとの関係の中、ヨーロッパで覇権を維持するには、問題となっている財政問題を解決する必要があるからだ。

ユーロ導入において財政赤字がGDP比3%以下、債務残高がGDP比60%以下であること決められている。フランスは開始当時はこの基準を満たしていなかったが、将来的に満たすことが条件となっていた。

既にドイツは財政均衡を実現し、フランスは経済対策を理由として財政再建を一時棚上げしていたが、一時、財政収支黒字化する一歩手前まで来ていた。勿論ドイツもフランスも例に漏れず昨年の金融危機で大規模な景気対策で大幅な財政出動したが、イタリアで開かれたG8財務相会議でも景気後退は底を打ち回復するとして、新たな財政出動には否定的だ。

各国との比較

各政府の対GDP比の債務残高を比較してみるとフランスは70%前後を推移しているのに対し日本はここ十数年の間に急速に増加し170%となっている。財政破綻状態といわれたイタリアでさえ110〜120%程度といわれているだけあって、日本の債務残高は異常だ。何しろ一般会計90兆円弱の予算のうち30兆円は借金でまかなわれている。これじゃあ、いくら節約しても新しい財源が確保できるとはとうてい思えない。

日本の特異点

しかし、日本の場合は特別会計があり、一般会計と重複する部分を除けば170兆円弱と一般会計よりはるかに大きな規模の予算だ。郵便局が民営化された分大幅に減ったが、ここが無駄遣いの温床となっている部分で、塩川正十郎元財務相が問題提起したことで有名になった。

この特別会計の財源、例えば携帯電話にもかかる電波利用税は個人が直接払っているわけではないので、わかりにくいが1台あたり250円程度。総額では650億円にもなるらしいが、これは総務省の財源で、道路特定財源と似たように職員の映画鑑賞やボウリングなどに使われていた。いくつかの党ではせっかく民営化した郵便局の見直しをするそうだが、よっぽどおいしい利権が有るとしか思えない。

昨年、目的税であるガソリン税を一般財源化することでも様々な論議が有ったように、族議員、官僚、地方自治体のみならず一般の国民にも様々な利害関係が生じて一筋縄ではいかない。結局この特別会計もあまり変えることが出来ないのではないかと思われる。

財政赤字は本当に問題なのか?

一方、日本でもフランスでも財政赤字がそれほど深刻なのかという声もある。一つには赤ちゃんは生まれた時から一人あたり何百万の借金を背負っているというが、水道などのインフラや学校や様々な公共施設などを受け継いでいる。つまり負債に対して資産もあり両方を考えなければ間違っているということだ。借金も無い代わりにガスも水道も電気も無い暮らしというもの考えにくい。

歴史に見る改革

歴史を振り返ると日本もフランスも同じ時期に江戸幕府の徳川綱吉(1646-1709)とブルボン朝のルイ14世(1638-1715)という君主が浪費をして財政危機に瀕した。彼らの死後、両者とも財政再建に努めたが、フランスのブルボン朝は知ってのとおりフランス革命で滅びてしまった。対する徳川幕府はその後150年近く続いた。

ルイ15世になり、銀行を設立し国債を買い集めたが、植民地での事業を行うことで株価をつり上げ、さらなる国債買い集めに成功した。しかし、この事業がインチキであることがばれ株価は暴落し、この銀行は支払い不能に陥ってしまった。

当時公共事業といえる積極的な財政出動策として数々の戦争を行い、確かに経済は一時持ち直したが結局財政難で増税を進め滅んでいってしまった。

江戸幕府は財政再建に向け倹約によって支出を切り詰め、貨幣の改鋳(金の比率を高めた)を行いインフレを抑制、今度は物価が下がりデフレとなってきたので、また改鋳を行い流通量を増やした。これにより経済成長を伴い、幕府の財政は最高の黒字となった。

やはり財政規律を高め金融政策で経済成長を促す政策は一考の余地があるだろう。

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