フランス教師殺人事件

歴史と地理、表現の自由を教えていたサミュエル・パティーさんが10月16日に殺害されました。
中学二年生の授業でわいせつな画像を見せたとされ、生徒の父親が訴えたために、警察に収監されました。
生徒達には各自の感受性に従ってCharlie Hebdo(シャルリー・エブド)誌に掲載された風刺画を見ても見なくても良いと伝えました。
何らかの影響でショックを受けそうだと言うことだったら数秒の間、目を外しておいた方が良いと提案しました。

訴えを起こした生徒の親はFacebook上で、イスラム教徒の生徒に対し、映像を流している間、教室から出るように求めたと話していました。しかし、子の親の娘は実はこの授業に出席していなかったと言う事実が明らかになり、生徒は噂話をもとに話をでっち上げたのでした。

パティーさんは、イスラム教徒の性とはショックを受けるだろうから教室を出ても良いなどとは一切言ってなく、誰もイスラム教徒かなどとは尋ねていません。傷つかないように視線を外しても良いと言っただけと警察で供述しています。

聴取が行われたその日に父親を名誉毀損で訴えましたが、その4日後に徒歩で帰宅する途中に首を切断され死亡しました。
国民議会の議員は議事堂の階段に集合し、1分間の黙祷を捧げ、議会でも黙祷を捧げました。
21日18時30分よりソルボンヌ大学の中庭で国家追悼式が行われます。

一方、イスラム過激派対策として、フランス政府は21日から半年の予定でパンタン地区のモスクを閉鎖すると発表しました。この宗教施設を管理する団体の代表は、パティーさんの行った表現の自由の授業を告発する動画をシェアしていました。

この動画をネット上で拡散したことが問題視された結果です。生徒の父親がパティーさんに対する犯行を呼びかける動画を、このモスクがネット上で拡散したことが問題視されています。パティーさんの個人情報を明かすコメントが含まれていました。サムエル・パティー氏の名前や中学校の住所を記されており、生徒の父親の発言の拡散や身体的特徴の公表はテロ行為を助長するとされています。

このモスクの宗教指導者はイスラム過激派と関係していると指摘していますが、モスクを管理している団体の代表は現在のイデオロギー的な立ち位置は穏健に変わっていると話しています。モスクの代表は共に働く中でフランスのイスラムに変わっていく必要があると説明し、6年前とは相当変わりましたと話しています。

ネットで拡散した可能性があることでモスクを閉鎖することは法律的に問題はないのでしょうか?
フランスの法律の専門家によれば、このモスクで伝えられていた思想が憎悪を助長する可能性があることを証明する必要があります。
動画だけが唯一の判断材料だとすれば難しいでしょうが、操作の途中で憎悪やテロを助長する資料が見つかる可能性もあります。
2ヶ月以内に異議申し立てを行う事が出来ます。
フランスでは2017年以降、15の宗教施設が国により閉鎖されています。

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