仏独の目指す欧州経済政府

20年前なら、フランス人のみならずフランス語圏の人間にドイツやドイツ語について聞けば、アレルギーかと思うほど嫌悪感を示され、ヨーロッパという一括りにされることも何かと反論された。もちろん今でもフランスとドイツは違うし、ヨーロッパと一括りに出来ない事には変わりがない。しかし、仏独両政府はヨーロッパの問題にさらなる密接な協調と行なおうとしている。

20年前のヨーロッパの共通の問題と言えばユーゴスラビア紛争で、ヨーロッパの様々な国の人間が集まれば必ずその話で持ちきりだった。現在はギリシャ危機を発端とする経済問題だ。ギリシャ危機も対岸の火事には違いないが、ユーロという共通の通貨を持つために運命共同体になってしまった。

ギリシャ危機は一段落着いたようだが、まだまだ予断を許さないし、イタリアなど財政問題を抱えた国がまだあり、ヨーロッパの多くの国が何らかの財政問題を抱えている。ユーロ加盟の条件は、厳しく財政赤字はGDP比3%、累積債務は60%以内と決められているが、フランスでさえ守られていないなど、ユーロ失墜の可能性は未だに低くない。

フランス国債の格下げ懸念の中、ドイツのメルケル首相とサルコジ大統領はユーロ圏の統合強化をねらいユーロ経済政府を創設し、各国の財政均衡を法制化する事を提案した。しかし、名前は立派だが中身はあまり無い提言であるという声も早くも聞こえてきた。

現在の各国独自の国債発行ではなく、ユーロ圏で共同で債券を発行するというユーロ共同債をフランス側が求めていたが、ドイツは自国の発行より金利負担が増えることを懸念し反対し、ユーロ共同債は見送られたが、年2回ほど開催され、各国は財政均衡を義務化し、これを憲法などに盛り込む。金融取引に関して課税し、税収を上げるという。

放漫財政を続けている国に対して、今までも罰則を設けようとしてきたが、実質的な導入は見送られている。今回は、このような国にEUの様々な基金の支払わないようにするなど制裁発動しなければならないとしている。しかし、フランスは自動的な制裁発動には反対している。
現状では欧州委員会の権限は弱く問題点は多く、ユーロ圏大統領などのポストを作り、権限強化や統治改善策を調整していく必要があるなど、大きな課題が残されている。少なくとも今回の発表だけでは、市場はネガティブに受け取ったようだ。

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