安さを求めた闇市が社会問題へ
フランスではパリ郊外の一部の地域で、もぐりの街頭販売が急増し社会問題へと発展している。
問題のこの闇市は一年ほど前から急増。無許可で路上に店を出し、ニセブランドの衣料品から、賞味期限切れの食品、携帯などありとあらゆるものを販売している。この闇市の影響で、周辺の商店の売り上げも低下。3分の1近く売り上げが下がった店も出ている。
こうした事態に、近隣住民も立ち上がり闇市撤去のためのデモを行うまでに発展している。地面が汚れる、不衛生で結核感染の可能性が高まっている等々、住民の怒りの声は止まらない。そして、ついに闇市を監視する治安部隊までもが出動する騒ぎとなった。
力づくでこの闇市を撤去することはさほど難しくはない。しかし、生活に困窮し、安物しか買えずにいた人々にとっては既に闇市なしには暮らせないといった声もある。不景気の中、安さを求めざるを得ない社会を作ったのは誰か。闇市の問題はこの経済社会が生み出したまさに「闇」のようだ。