フランスの公共放送

サルコジ大統領就任後、フランスの公共放送のあり方が大きく変わろうとしている。始めはやっと放送を開始したばかりのフランス版CNNといえるフランス24や既存の外国向けフランスの放送局との統合。これは確かにそれぞれ局のカラーがあるといえ、同じような目的で役割が果たせないからと言って、放送局をいくつも作るのは財政が厳しい中難しいだろう。
そして、先日よりお伝えしているフランスの公共放送でのCM廃止だ。フランスの公共放送ではCMが流されており、受信料収入(受信機利用税)以外にも、コマーシャル収入は8億ユーロ程で全体の収入の割合もかなり大きい。この財源はどうするかというと、電話、通信、インターネット、広告収入の増える見込みの民放へ課税強化し、この穴埋めを行う。
このため、該当の放送局などはデモを行い、ニュースなんかはいかにも「デモ中です」という感じの簡易的なセットで薄暗い感じもする。セットぐらいはいつも通りでも良いんじゃないかと思うが、スタイリストはいるのか、別に髪の毛が乱れていたり、服装が乱れていたりはないようだ。
やはり、財源が握られると、放送内容に対しても握られていくと感じるのは考えすぎではないと思うが、更に国家の統制が行われる案が発表された。
1945に設立されたラジオ放送局RDF(Radiodiffusion Francaise)を1949年2月9日にRTF(Radiodiffusion – Television Francaise)に改編し、テレビ放送始まった。1963年6月26日にORTF(Office de Radiodiffusion Television Francaise)に政府の管理から、より影響を減らすために改編された。
RTFは国有で政府管理下(情報省管轄、予算は情報省と財務省の管理下)にあり、1963年アラン・ペルフィット情報相はRTFを「テレビ、それは全てのフランス人の食卓の中にある政府(La tetevision, c’est le gouvermement dans la salle a manger de chaque Francais.)」と言って、新しい放送局がより政府の干渉を受けない事を語っている。
ORTFの会長と局長の任命権は閣議で任命されていたが、さらに1982年に左派により責任者の任命権を現在のCSA(視聴覚最高評議会,Conseil superieur de l’audiovisuel)に繋がる規制・監督機関に移された。
CSAが特に知られているのは、外国語放送(主にアメリカ)を排除しフランス文化を守る目的でフランス語作品の放送時間を一定以上に定める規制を行っていることだろう。常に放送内容をチェックしており、アンテンヌフランスの初期の頃にお伝えしたが、この罰金があまりに高額なため、潰れてしまった局もある。
フランスの放送局は政府からの直接の影響を受けない様に変化していたが、今回のサルコジ大統領の発表では、CSAが持っているフランス・テレビジョン*の会長の任命権は議会の過半数の了承が必要なものの、大統領府が持ち1960年代に戻ると思われる内容だ。
フィヨン首相は「現在のフランス・テレビジョンの会長の任命制度は偽善的で、決して自主独立なものではない」と語っているが、公共放送の責任者が大統領が任命する事は他のヨーロッパ先進国ではあり得ないことで、公共放送の従属に繋がるとフランスのメディアは批判している。
*)ORTFは、1974年8月8日TF1やAntenne2などそれぞれの放送局に分割され、独立した放送局となっていたが、1987年の民営化後、公共放送のAntenne2などは経営難に陥り、1992年9月7日に公共テレビ局の再編が行われフランス・テレビジョンが発足した。

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