AntenneFrance

社会 image

産休で不足する教師たち

カテゴリー: 社会 | 公開日: 2010/3/10
女性が社会に進出することで、経済的にはポジティブな点ばかりが着目されがちだが、女性が社会に出れば出るほど出産・子育てという女性特有の役割と仕事のバランスをどう保つかが大きな課題となってくる。 ましてやフランスのように、女性が働くことが当たり前であり、ワーキングマザーの地位が確立されていれば、なおさら彼女たちの社会的インパクトは大きい。 今フランスで問題となっているのは、産休中の教師をカバーするための代替教員が不足していることだ。代理の教師が見つかった例は19%程度とされ、見つかれば運が良かったということになる。 見つからない場合はどうなるか。その場合はスポット的に授業を担当できる教師が埋めていく。そのため、かわるがわる教師がやってきては授業を受け持つということになり、子供たちにとってはあまりいい影響とは言えないようだ。 この状態に不満を持つ保護者が立ち上がり教育省に訴えを起こしている。対応策としては、欠員を補充するために教員免許取得前の大学生に授業を持たせることや、もう教師を引退してしまった人材にもお声がかかり、戸惑う声も聞こえてくる。 日本でも保育園が足りず、待機児童問題がもっぱら取り上げられているが、時代時代によって女性がどれだけ子供を産むかは予測不可能。まさに神のみぞ知る、というわけで、何か不都合が起きてから、即座に対応していく行政の力がどこの国でも求められているということだろう。

フランスメディアの関連記事

関連記事

なぜフランスの女性はまだ男性よりも収入が少ないのですか?
女性の権利、男女同権

なぜフランスの女性はまだ男性よりも収入が少ないのですか?

なぜフランスの女性はまだ男性よりも収入が少ないのですか? フランスの男女平等法は、過去30年間で賃金格差を3分の1に縮めるのに役立った。しかし、民間部門の女性は、男性よりも平均22%少ない収入を得ています。RFIは、ギャップの背後にあるものと、それを埋めるために何ができるかを調べます。 フランスは1919年に国連国際労働機関を共同設立し、「同一労働同一賃金...

フランスで年金受給年齢引き上げ
admin

フランスで年金受給年齢引き上げ

フランスで年金受給年齢引き上げ 日本でも年金受給年齢が65才に上がったが、ヨーロッパでも受給年齢を上げる案が出てきている。フランスはミッテラン大統領の時代に65才から60才に引き下げられたが、今回62才にまた引き上げようとしている。(満額年金受給年齢は65才から67才へ) 当然、この方針には不満が噴出で今年になって最大のデモが起きている。特にギリシャの経済危機に対しては気前よくお金を出すの...

フランスでは教師不足で緊迫した新学期がスタート
教育

フランスでは教師不足で緊迫した新学期がスタート

フランスでは教師不足で緊迫した新学期がスタート パプ・ンディアイエが約束したように、「各クラスの前に先生がいる」ことになるのだろうか。学校再開まで10日を切り、未曾有の採用難の気配が漂う中、初年度を迎える国民文部大臣にとって大きなチャレンジとなる。 数学、ドイツ語、古典... フランスでは、いくつかの専門分野で教師が不足しています。フランス教育省の数字によると、今年、教育コンクールで4,0...