février 27, 2006
アンテンヌフランスへのサポートクラブ
投稿者 paris : 05:02 PM
février 20, 2006
ムハンマド騒動、そのときフランスは。
デンマークの新聞が掲載したイスラム教の預言者ムハンマドの風刺漫画問題は世界中に波紋が広がっています。日本国内でも世界各地で抗議するイスラム教徒達の姿が報じられています。しかし気になるのが、問題の火種となった風刺漫画そのものを見ることはなく、風刺漫画の何がそんなに彼らを暴動に走らせたのかはっきりと見えてこないことでしょう。
というのも、イスラム教への配慮もあり世界中のメディアが細心の注意を払ってこのニュースを扱っているからです。例えば米国で風刺漫画の転載に踏み切ったのは地方有力紙を含む数紙だけと言われています。ニューヨーク・タイムズなど主要紙は「掲載の必要はない。イスラム教徒への侮辱になる」として転載を見合わせました。
世界最大のイスラム人口を抱えるインドネシアの警察当局は、タブロイド紙「ペタ」が転載したとして、同紙の編集長を不敬の疑いで事情聴取しています。有罪となった場合は、この編集長は最高で禁固5年の刑が科せられます。マレーシア政府は転載をした英字紙サラワク・トリビューンの発行免許の無期限停止を閣議決定しています。
しかし一方では、ニューヨーク・プレス編集長などスタッフ4人は、転載を経営陣に認められなかったことに対して抗議の辞任をしています。編集長であればもちろん「転載して、ことの火種、事実を伝えるべきだ」と思うでしょうし、経営陣であれば「転載したことが発端で新たな暴動を巻き起こすのはさけたい。イスラム教徒の非難を買うのは得策ではない」と考えるのは当然でしょう。
さて、欧州で最も多いイスラム教徒人口500万人を抱えるフランスも、まさに渦中の国となりました。
転載の先陣を切った「フランス・ソワール」紙では、局長がエジプト系フランス人の社主に解雇される事態に。
続いて3日付のフランスの有力紙ルモンドは1面に、イスラム教の預言者ムハンマドの顔とみられる風刺漫画を掲載しました。「私はムハンマドを描いてはいけない」というフランス語の文を縦、横にたくさん書いて、全体としてムハンマドとみられる人物の顔を浮き彫りにしています。同紙は同時に社説で、「イスラム教徒にはムハンマドを風刺した絵はショックかもしれないが、民主主義においては、人権を踏みにじるケースを除き、言論を取り締まることはできない」と表現の自由を主張。
また、先週8日発売されたフランスの週刊紙2紙が風刺漫画を相次いで掲載。イスラム教徒を挑発したとも受け取れる内容で、シラク大統領が同日直ちに風刺漫画掲載を非難しています。
ひとつめは政治風刺で知られる漫画週刊紙の「シャルリー・エブド」。一面に「原理主義者に弱り果てたムハンマド」の見出しで、両手で顔を覆って「思慮のない人々に愛されるのもつらい」とつぶやく預言者の風刺漫画を掲載。イスラム社会の反発をかったデンマーク紙の風刺漫画12点も合わせて転載し、「表現の自由」の重要性を訴えました。この特集号は通常14万部のところ40万部以上を発行、発売日の午前中には売り切れたと言います。
もう一紙は、すっぱ抜きで知られる週刊紙「カナール・アンシェネ」。「悪魔的な絵」と書かれた検閲印のようなマークとともに、ムハンマド風の人物らを描いた漫画を掲載し、イスラム社会を皮肉りました。
「シャルリー・エブド」に対しては、仏イスラム教評議会は10日、提訴に踏み切ることを決めておりイスラム教徒の反発をあらわにしました。一方で、仏日刊紙フランス・ソワールやリベラシオンについては、デンマーク紙の風刺漫画の転載が中心だったことから提訴を見送っています。
シラク大統領は「挑発行為を非難する。表現の自由は仏社会の重要な要素だが、寛容の精神と宗教にも配慮して、その権利を行使すべきだ」と語っています。
フランスでは昨年から各地で若者の暴動が勃発。移民の失業問題が原因の一つとされ多宗教国家の危機とも報じられました。今回の一件では、相次ぎ転載に踏み切った背景に揺れる社会がかいまみられ、「自由」を重んじるフランス人としての自らのアイデンティティを改めて叫んでいるようにも見えるように思います。
投稿者 paris : 05:44 PM
février 18, 2006
結婚なんて過去のもの
324号の「子だくさんフランス」で、少し紹介したフランスの制度PACS(連体市民協約)ですが、いつもより多くの反響をいただきました。そこで、今回はPACS(パックス)についてもうちょっと掘り下げてみたいと思います。
まず、PACS(パックス)とは、同棲(どうせい)の男女や同性愛カップルが、納税や相続で夫婦なみの権利を得られる制度です。そもそもの始まりは99年に主に同性愛者からの要望で、左派連立内閣の時に認められました。北欧から始まった制度で、保守派や宗教界から「伝統的な家族制度を破壊する暴挙だ」との反発もありましたが、今では多くの欧州諸国が導入しています。
では具体的にPACSを結んだ2人にどんな優遇措置があるのか。
まず2人は共同納税者となり、お互いに経済的に助け合うことが義務となります。また、2人が賃貸住宅に住んでいる場合、パートナーの死亡や失踪などで名義人を失ったとしても、賃貸期間中であれば居住できます。
フランスでは税は夫婦単位で徴収されるため、個人で別々に納税するよりも軽減され、PACS締結後2年たてば、条件付きで法律婚夫婦と同じように贈与税や相続税の軽減措置も受けられるようになります。
PACSを結んだ2人は、結婚と同棲の間、言わば「契約を交わした同棲」(法律上は互いに独身であるが、パートナーとしては認められている)状態にあると言えるのです。
これだけ聞くとPACSという自由な形態は、人々に受け入れられPACS人口が増えているに違いないって思いますよね。事実、ユニオン・リーブル(同棲)やPACSなどのカップルは90年、150万人でしたがが、04年に240万人に達し、6組に1組の割合となっています。
しかししかし、その中身をじっくり見ると…、パリの35~44歳の異性カップルのうちPACSを結んでいるカップルは2.7%にすぎず、法律婚(66.3%)はもちろん、同棲(31.0%)に比べても非常に少ないことが分かります。(※内閣府経済社会研究所編「フランスとドイツの家庭生活調査」/2005年)
このへんの数字の読み方は様々ですが、もともとが同性愛者を対象とした制度であるPACSに抵抗を持つ人がいることも確かな様子。結局結婚に至らず自由でいたい関係の2人がユニオン・リーブルの状態で十分と考えているという背景も伺えます。
では、ユニオン・リーブル、PACS、結婚とこれだけの選択肢の中で何を基準に選べばいいの???思ってしまうのですが、結婚にもまだまだメリットはあります。
結婚していれば、夫婦間の相続税は、5%から40%まで5%刻みの税額ですが、PACSでは40%と50%の2種類、ユニオン・リーブルなど他の関係では55%と60%の2種類と、非常に高くなります。
自由でいたいという気持ち以外にも、結婚のハードルとなっているのは離婚の制度。互いに離婚に同意していても弁護士をたてねばならず、裁判所に申請しなければなりません。半年はかかると言われ、多額の金額をつぎ込み、何年もかけて離婚するなんてことも…。気軽に結婚できないわけです。
上記のような相続税の優遇を求めて、ユニオン・リーブルのカップルが高齢になって初めて駆け込みで結婚に切り替える手続きも増えているそうで、なんて合理的かつ現金な人たちなんだろうと思わずにはいられません…。
ところで、数年前は3人に1人が婚外子だったそうですが、今やパリでは2人に1人が婚外子なんだそうです。離婚も2組に1組。
パパとママがいてその間に子供が…なんて家族像は過去のもの。多様化する結婚観の中でフランスでの幸せな家族な形の終着点はどこにあるのか。これって男女の間に横たわる深~い社会問題なのだとは思わずにはいられません。
投稿者 paris : 05:46 PM
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