AntenneFrance

経済・労働

ガソリン代の20セントと、乳が出なくなった牛

2026/8/9

ガソリン代の20セントと、乳が出なくなった牛

オーヴェルニュ地方の牧場主シルヴァン・ベロントは、5月末の時点で牛に与える草がもう牧草地に残っていないことに気づいた。本来なら牛は年間160日、新鮮な草を食んで放牧されるはずだった。しかし猛暑と干ばつで牧草は焼け、彼は冬用に取っておいた飼料を、まだ夏の盛りだというのに牛たちに与え始めた。1頭あたり1日1.5〜2トン。牛の乳量は1日1リットル減り、乳の質も落ちた。妻ベルナデットが仕込むサン=ネクテー…

代替バスを待つ75分、黒く焦げた松、割れないはずのグラス——市場の衝撃は誰が引き受けるのか

2026/8/8

代替バスを待つ75分、黒く焦げた松、割れないはずのグラス——市場の衝撃は誰が引き受けるのか

オディルは市場で買った1週間分の果物と野菜を提げて、交通アプリを開いた。表示された自宅までの所要時間は75分。普段なら15分もかからない距離だ。「自分が幻覚を見ているのかと思って携帯電話を振った」と彼女はfranceinfoに語っている。隣にいたファトゥは、パリでの清掃の仕事を終えて帰る途中だった。移動時間は普段の2倍。「食事をして、横になったらもう終わり。それほど疲れている」と彼女は言う。

家賃2750ユーロのワンルームと、燃え尽きた別荘地が教えてくれること

2026/8/3

家賃2750ユーロのワンルームと、燃え尽きた別荘地が教えてくれること

ダブリンの「シリコン・ドックス」を見下ろすオフィスで、コンスタンティナという女性が自分の携帯電話を覗き込んでいる。画面に表示されているのは、アイルランド最大手の賃貸サイト「Daft」の物件情報だ。ワンルームで月2750ユーロ、別の物件は2350ユーロ、また別の物件は2400ユーロ。彼女は米国の大手企業で顧客担当責任者として働いている。それでも「給料の大半が家賃に消えるなら、生活に使えるお金はほとん…

送電線の草刈り機が森を焼いたとき、誰が罪に問われるのか

2026/7/29

送電線の草刈り機が森を焼いたとき、誰が罪に問われるのか

7月22日の正午、ジロンド県ソーモスの小さな通りで、一台の草刈り機が動いていた。電力会社エネディスから委託を受けた業者が、送電線周辺の下草を刈っていた。数時間後、この一帯は4万2000ヘクタールを焼き尽くす大火災の出発点になっていた。翌日には隣のランド県で、故障した社用バンのエンジン部分から火が上がり、3万人が避難し、198棟の建物が焼け落ちた。