フランス映画『不思議の国のシドニ』エリーズ・ジラール監督インタビュー
11年前に初めて日本を訪れて以来、フランス人映画監督であるエリーズ・ジラール監督は、日本の文化、歴史、建築、そして人々に深い魅力を感じ続けています。インタビューの中で、彼女は日本への想いと、日本とフランスの文化的な違いから受けた驚きについて語ってくれました。
作品について
フランス映画『不思議の国のシドニ』は、イザベル・ユペール主演の心温まる物語で、観客を美しい日本の風景と文化の中に誘います。監督エリーズ・ジラールが描くこの作品は、喪失から再生へと向かう女性の旅路を通じて、異国での新たな出会いや成長を描いています。
理想的な国、日本への想い
「日本は僕にとって理想的な国なんです」と彼女は情熱を込めて語ります。日本人の礼儀正しさや繊細さ、そして独特の静けさに心を打たれた彼は、歴史的な寺院を巡り、日本文化について友人と深く話し合うことで、その魅力をさらに実感してきました。
特に印象的だったのは、日本人が持つ「歴史と宗教、そして近代性」の共存です。「道を歩いている人が突然立ち止まってお寺の前で祈る光景には驚かされます。フランスではそんなことはありませんから」と話す彼は、日本人の先祖や死者との関係に深い共感を覚えたと言います。
文化的な違いの魅力
彼女が日本を好きな理由の一つは、フランスとは全く異なる文化を持っていることです。日本では死者との繋がりが日常的に感じられるのに対し、フランスでは「記憶には残すが話題にはしない」という違いがあると語ります。「フランスでは労働時間や社会問題がうまく機能していない一方で、日本では人々が歴史や伝統を大切にしながらも、現代的な生活を送っている。そのバランスが魅力的です」
映画を通じて描かれる日本
彼女の日本への想いは、自身の作品や映画の中にも反映されています。彼はある映画を例に挙げ、喪失と再生をテーマにした物語について語りました。この映画では、フランスの小説家が日本を訪れ、亡くなった夫に再会するというストーリーが描かれています。
「日本には幽霊が存在する国という独特の概念があります。それが主人公が夫に再会し、悲しみを乗り越える助けとなるのです」。主人公は日本文化を通じて自分を取り戻し、新たな人生を歩み始めます。この映画は日本の桜や美しい風景を背景に、文化の発見と再生の物語を織り交ぜています。
日本への再訪を願って
彼は「ぜひまた日本に行きたい」と語り、インタビューを締めくくりました。彼にとって日本は、驚きと感動が絶えない国であり、文化の違いを理解し、新たな視点を得るための大切な場所です。
「フランスと日本は正反対の国ですが、だからこそお互いに学べることが多いのだと思います」。この言葉は、文化交流の大切さを感じさせるものでした。
日本への愛と感謝に満ちた彼の視点は、日本人にとっても新たな気づきを与えるものでしょう。また彼が日本を訪れ、その感動を作品に昇華する日が待ち遠しいです。
ぜひ、この映画を劇場で観て、心の旅を共にしてほしいです。12月13日から公開されるこの作品は、人生の中で大切なものを見つける手助けとなるでしょう。
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