AntenneFrance N.223 もう我慢できない!パリの住宅事情

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  □もう我慢できない!パリの住宅事情
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◆◆もう我慢できない!パリの住宅事情
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 日曜日の朝、いつものように近所の朝市に出掛けたところ、何やら人だかりが見
 える。持ち前の野次馬根性で首を突っ込んでみると、「もう我慢できない。パリ
 の住宅事情」と書かれたプラカードを持った市民団体が市議会に提出するための
 署名を集めているのだった。私自身も住居探しには散々苦労させられた経験が
 あったため、思わず署名をし、それと引き換えにかなり厚みのあるパンフレット
 を貰った。
 内容は、イル・ド・フランスと呼ばれる、パリ市内およびその近郊での劣悪な住
 宅事情の現状報告と、それを解決するための法案成立に向けての市民行動への呼
 びかけが主だったが、ざっと目を通した限り、事態はかなり深刻らしい。また、
 現状のひどさを裏づけるための資料として、賃貸情報誌に実際に掲載されてい
 た、いわゆる「アノンス」と呼ばれる貸し物件の3行広告が幾つかそのまま引用
 されていた。
   パリ11区・バスティーユ広場近く
   ステュディオ(いわゆるワンルーム)20平米
   月850ユーロ(管理費別)
   パリ5区・2部屋(2K)・2階・32平米
   月1200ユーロ(管理費込み)
 日本、それも東京の都心に住んでいた私にとっては、「それでも日本に居たころ
 よりは安い」というイメージがあるけれど、実はこの値段、フランス人にとって
 は、怒りを通り越して呆れる程の高値である。そのうえ、このような物件には、
 室内の状態も相当ひどく、壁の塗り替えなどかなりの手入れが必要な場合が少な
 くない。だが、こんな明らかに理不尽な物件に対してでも、50人は当たり前、
 時には百人を超す希望者が殺到するのだ。こういう状態だから、家賃は高騰する
 一方で、さらに、今年の初めにユーロが導入されてから市場全体に物価の上昇が
 起こっているから、事態は一層悪化している。
 事実、私がパリに来た1年前はここまでひどくは無かったのだ。パリで最初に住
 んだアパートは、6区のサンジェルマン・デ・プレと呼ばれる界隈(東京でいっ
 たら、青山界隈といった感じのところ)で、18世紀の建物の3階、2部屋、バ
 スタブ付き、家具付きで1050ユーロだった。これでも周りのフランス人から
 は「なんて高い所に住んでいるんだ」とか「やっぱり日本人はお金がある」なん
 て顰蹙を買ったぐらいだ。それほど高いと言われ続けたアパートだが、1年後、
 私が引っ越した後には、1ヶ月の家賃が1250ユーロに上がっていた。それで
 もすぐに借り手が見つかったというから、状況は推して知るべしだ。(まあ、次
 の借り手も日本人だったというオチがあるけれど。)
 それでも、既にパリに住んでいて、ある意味自分の勝手な都合で新しい住居を探
 そうという人にとっては、この日までに見つけなくては、という期限なんてあっ
 て無いようなものだからまだ気が楽なのだが、入学や就職のために上京して来た
 人達にとっては、事態は切迫している。彼等は大抵アパートが見つかるまで、親
 戚や友だち(場合によっては、友だちの友だち)の家に居候する。ただでさえ、
 パリ市内でそんなに余裕のあるところに住んでいる人は少ないから、最初の数週
 間はいいけれど、段々関係が険悪になって、友情にヒビが入るケースもある。そ
 うやって、友だちに追い出され、別の友だちのところに転がり込み、また追い出
 され、そしてまた別の友だちのところへ・・・という状態を半年以上続けてもま
 だアパートが見つからないという例も少なからずあるそうだ。こうなると、学業
 や仕事どころではない。
 こんな状況を目の前に思い出すのは、故ミッテラン政権時に、首相を務めたマダ
 ムクレッソンのことだ。彼女は日本嫌いで、その辛辣な発言が日本のメディア
 でも取り沙汰されていたが、彼女の日本の住宅事情に関する発言「ウサギ小屋」
 なんて、今のパリの住宅問題を棚にあげているとしか思えない。もしかしたら、
 日本の方がマシなんじゃないかと思うぐらいだ。とにかくパリでは、貸し物件が
 極端に少ない上に、せっかく物件が見つかっても、建物の古さから来る不便さに
 しょっちゅう悩まされる。トイレが壊れる、お湯が出なくなるなんていうことが
 別段珍しくもないという状況は日本ではあまり考えられないだろう。第一日本で
 は、よっぽど条件が厳しく無いかぎり、探し出して1ヶ月以内には住居が決まる
 のだから。
 次回は、「パリで実際にアパートを見つける方法について」です。
                                大木 裕子
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