AntenneFrance N.352 フランスの日本のドキュメンタリー
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A__n__t__e__n__n__e____F__r__a__n__c__e______________ISSN_1881-2597_n.352
S O M M A I R E 2006/09/07
□ピカソとモディリアーニの時代
□フランスの日本のドキュメンタリー
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2006年 秋 9月14日(木)スタート(受付:8月21日~)
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◆◆ピカソとモディリアーニの時代
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渋谷東急文化村にて『ピカソとモディリアーニの時代』と題した美術展が始ま
りました。リール近代美術館が所蔵するモダン・アートのコレクションの中か
らモディリアーニの作品12点やピカソの作品8点をはじめ、ビュッフェの大作、
ブラック、レジェ、カンディンスキーやミロといった20世紀を代表する画家た
ちの作品約100点を紹介しています。
ピカソとモディリアーニと言う割には、これらのボリュームは全体からすると
少ないように見えますが、モディリアーニの作品は世界の方々に散っているた
め、12作品もが一同に公開されることはちょっとした貴重な出来事だそうです。
20世紀前半、つまり第2次世界大戦前後の作品のためか非常に暗い印象がしま
す。ピカソの作品にしても全体的に茶色で暗い印象の物が多いのです。またル
ネッサンスから続く遠近法による写実的な作品から、それを否定したキュビズ
ムの作品は美術の革命とも言えますが、子供の落書きと一笑して芸術性を感じ
ない人もいることは確かです。
いずれにしても、この近代美術の幕開け時にはこれらの様式は相当刺激的だっ
たようです。印象派の作家がフランス人なのに対して、諸外国へ波及していっ
たようです。エコール・ド・パリとは言ってもパリで活躍している外国人も多
く、パリが美術の中心として世界的な影響力を持っていた時代です。
そこで、今日は、悲劇的な作家モディリアーニをご紹介いたしましょう。
■モディリアーニ
▽生涯
20世紀前半、パリは世界中の芸術家を惹きつける魅力的な都会へと発達してゆ
きました。「エコール・ド・パリ」には、野心と希望に溢れた無名の前衛画家
が集まっていました。
モイズ・キスリング、マルク・シャガール、藤田嗣治、そしてパブロ・ピカ
ソ。友情と嫉妬の中、日夜白熱する議論を重ねた中心はモンマルトルの丘あた
りでした。
そんな中、イタリア出身の画家モディリアーニは、このエコール・ド・パリの
ボヘミアンな雰囲気を代表する象徴的な存在です。モディリアーニは1884年、
イタリアの港町リヴォルノに生まれました。
生地リヴォルノで昔ながらの美術教育を受けたのち、モディリアーニはパリに
やって来て1906年から「洗濯船」に住みはじめます。彼は黒人美術やセザンヌ
の絵画に興味を抱きながらも、古の巨匠からの教えを否定することはありませ
んでした。
作品はあくまでも人物像にこだわり、「生きた人間が前にいないと、何も描け
ない」と言って彼は知り合いや友人をモデルに多く描いています。
空間の問題には比較的無関心で、力を注いだのは線の美しさであり、その引き
延ばされたフォルムと曲線のリズムはモディリアーニのトレードマークでし
た。
モディリアーニの特徴的なフォルム、長い首、傾げた顔、アーモンド形の青い
瞳の肖像画を完成させたのは、後に彼の子供を産むジャンヌ・エビュテルヌの
存在が大きかったようです。
モディリアーニにデッサン教室で出会った彼女は異邦人で奔放な彼に心奪わ
れ、敬虔な愛を捧げるようになります。ジャンヌを描くことによって自分の
フォルムを完成させていったのです。
モンパルナスの慈善病院で36歳で一生を終えたモディリアーニは、そのとき酒
と麻薬、肺病、貧困に苦しめられていました。悲劇的な画家の短い一生に幕が
閉じられたのです。
▽作品紹介
昨今、映画界でも「家族」をテーマとした作品が目立つように、今回、
Bunkamuraで見られる目玉の一つがモディリアーニの「母と子」(1919)では
ないでしょうか。
幼子を抱いた女性の肖像は、モディリアーニに付き添いモデルもしていたジャ
ンヌがそのころ母親になったことを思い起こさせます。この頃は波乱万丈の彼
の人生では穏やかな時期で、顔をより優しく描いていることや、線も綺麗で優
雅になっていることにも現れています。赤茶けた背景色にも温かみを感じま
す。
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会期:2006年9月2日(土)~10月22日(日)
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◆◆フランスの日本のドキュメンタリー
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リベラシオンによるとフランスのテレビ局France5で「日本、過去の影(Japon,
les ombres du passe)」(サブタイトル:国家主義へ帰還?Le retour du nat
ionalisme?)と言う番組の再放送に対しフランスの日本大使館が内容に間違い
があるとして放送前から抗議したが、そのまま放送された。
しかし番組内容を紹介するホームページを見る限りは随分曲がった内容に感じ
られる。載っている写真には小泉首相が紋付き袴のバストショットとたぶん中
国の南京大虐殺に対するデモと思われる日本国旗を燃やしている写真が掲載さ
れている。
日本人の自尊心を守るために南京大虐殺などのような過去の戦争犯罪などは教
科書から消されているとし、日本は「韓国の領土独島(日本名竹島)の領有を
激しく要求している」、軍隊を維持しない憲法9条を改正して再度軍国主義へ
向かう、首相が戦犯を敬意して靖国神社行っているとしているなどと解説して
いる。靖国の説明は、戦争犯罪者の墓(la tombe des criminels de guerre Ya
sukuni)としており、戦争殉死者を神として祭るという考え方はフランス人に
は理解できないかもしれないが、これでは戦争犯罪者だけを祭るお墓と勘違い
されかねない。
また、高校の数学の教師は国歌を歌うために40秒間とどまらせたりとこのまま
行けば戦前の独裁主義に向かい恐怖と言っている。たぶん学校での国歌斉唱や
国旗掲揚に反対している教師の話だろう。
確かに、日本の大新聞でも自虐的な社説や記事を載せることがあり、教師が君
が代を歌うのに反対している人たちがいることは確かだが、これらの内容をそ
のまま番組にしたのだろうか?この番組を制作したのは東洋に強いと売りのHi
kari Productionと言う会社で日本語の名前を付けているだけあって日本には
詳しいとも考えられる。実際東京(汐留)にも事務所を持ち日本語の会社概要
などもある。
国際的には日本の新聞は極左か宗教系新聞(の様な記事)とされるし、左とさ
れる産経新聞でも中道より左程度、外国では自国の軍隊の存在そのものを否定
するような新聞は無いと言われる。そう言われると世界の中でみると日本は例
外的に抑制されていると思われる。フランスでは未だに軍事パレードが行われ、
徴兵制が終わったのもつい最近、永世中立国スイスは260日の兵役が義務づけ
られ、日本と同様に敗戦したドイツにも徴兵制がある。イスラエルに至っては
女性にも兵役がある。お隣韓国も徴兵制があり、中国は事実上志願兵であるが
世界最大の軍事力を持ち軍隊は国家ではなく中国共産党の保有である。
外務省によれば中国では年間5万件のデモが、数万人、数千人の規模のデモも
起きており、その中には軍隊が出動したり、死傷者がでて鎮圧される物も多い
と言う。反日デモはその中ではかなり小さい現象とも言える。
France5はフランス・テレビジョンというフランス国営放送局グループのひと
つで、日本で言えばNHK教育のような放送局。以前はArteと言う文化を扱う仏
独共同の国営放送局La Cinquiemeだったが、France Televisionの一部になり、
名称、ロゴなども変わった。France5となってからは、より教育的な内容が重
点的になり特にドキュメンタリーに予算が強化された。今フランス政府は世界
に多様な(フランス視点の)ニュースソースを届けて、英米中心のメディアに
対抗しようとしている、しかし極論は勘弁していただきたい。
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◆◆早聞き時事フランス語11号発売
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