クリアストリーム疑惑、次期大統領選にも影響か。

日本では民主党のメール疑惑にうんざりさせられたのもつかの間、実はフランスでももっと大きな「偽物」にまつわる疑惑問題が浮上していた。今、フランス政界が大きく揺さぶられている。

フランス人が口をそろえて嘆く国内事情が、この「クリアストリーム疑惑」。来春には大統領選を控えこの賄賂に関するスキャンダラスなニュースでもちきりとなった。シラク大統領とドビルパン仏首相が、大統領選の最大のライバルとされる国民的人気の高いニコラ・サルコジ仏内相の失脚を画策したというものだ。

ことの発端は、ルクセンブルクのクリアストリーム銀行に賄賂受け取りのための隠し口座を持つフランスの政治家・財界人のリストが、匿名の告発状とともに政府に届けられたことから始まった。このリストにはサルコジ内相の名前が含まれていた。

その後の調査で、告訴状には文書改ざんが発見され偽物だったと判明しているが、この偽密告状に従い、ドビルパン首相がサルコジ仏内相を失脚させるため、秘密裏の捜査を命じたという疑惑が浮上。しかもドビルパン首相の後ろ盾がシラク大統領だったとされ事態はますます混乱を招いた。

ドビルパン首相は当初、大統領の指示があったことは認めたが、サルコジ氏への特定捜査の指示は強く否定した。ところが、ドビルパンから捜査を依頼されたロンド将軍が、同問題を捜査している予審判事に対して、首相の指示にサルコジ氏が特定されていたと証言し、疑惑は深まっている。

また、シラク大統領はサルコジという政治家個人を調査依頼した覚えはないと主張。首相と大統領は疑惑の否定に躍起になっている。

5月末には就任1年を迎えたドビルパン首相。1年間の成果としては失業率が10ヵ月間で10.1%から9.5%まで低下したものの、若者向け新型雇用契約のCPE導入は失敗、昨年秋から年末にかけては若者の暴動事件が続いたことも記憶に新しい。そして、追い打ちをかけるように今やクリアストリーム事件の渦中の人となった。同僚議員の失脚を画策した事実を否定する証拠が出ない限り、政治的信頼を回復することは難しいだろう。

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