ジャック・シラク共和国大統領と日本の安倍晋三総理大臣の会談
ジャック・シラク共和国大統領は、パリを初めて訪問した日本の安倍晋三総理大臣を迎えて、会談およびワーキング・ディナーを行った。
シラク大統領は、「フランスの主要友好国かつ戦略的パートナー国の総理大臣である友人」を歓迎すると同時に、日本とは「極めて良好な関係にあり、その関係は最良の精神で発展するのみである」と述べた。
シラク大統領と安倍総理は、日仏外交関係樹立150周年を迎える来年が、大規模な日仏のイベントで祝福されることを希望した。
この会談は極めて友好的な雰囲気の中で行われ、何よりもまず、地域問題全般にわたって意見を交換する機会となった。
アジアに関して、シラク大統領は、大陸の安定のために日本が果たしている優れた役割を強調すると同時に、日本の総理大臣と中国当局者の会談が良好な雰囲気の中で行われたことを歓迎した。
シラク大統領は、北朝鮮が原子力分野における国際的な約束を順守し、国連決議1718が完全に実施されるように、日本と6カ国グループが進めている努力に対して、フランスの支持を表明した。拉致問題に関しても、フランスの日本への支持を改めて明確にした。
シラク大統領は安倍総理とミャンマー問題に関して意見を交換し、国際社会の働きかけで同国に民主化の動きが起こることを希望した。とりわけ、シラク大統領はアウン・サン・スー・チー女史の事例を取り上げた。
最後に、シラク大統領は安倍総理と、アフガニスタンにおける努力を継続することで合意した。
会談では中近東情勢に関しても意見が交換された。シラク大統領は、レバノンの完全な主権の回復の努力ならびに同国の復興に対する日本の協力を歓迎した。1月25日に開催されるパリ会議は、国際社会がレバノンに対する支持を表明する機会になると同時に、日本の会議への参加は極めて重要である。
シラク大統領と安倍首相は、イスラエルとパレスチナの和平のために重ねて努力する必要性に関して、またイランがウラン濃縮活動を停止し、対話と国際的な約束の完全順守を受け入れるために努力を結集することに関して、日本とフランスの意見が一致していることを強調した。
会談ではさらに多国間問題も取り上げられた。シラク大統領と安倍総理は、ヨーロッパ連合と日本の対話をはじめ、ラトビアのリガで開催された北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議でなされた決定の重要性を強調した。
国際連合に関して、シラク大統領は安全保障理事会の拡大、とりわけ日本を初めとする新しい常任理事国に対するフランスの支持を重ねて表明した。シラク大統領は、この緊急かつ重要な問題に関して、日本とフランスが緊密な協議を続けることを希望した。
シラク大統領と安倍総理は、環境問題も取り上げた。シラク大統領は、世界環境ガバナンスに関するパリ会議への日本のハイレベルな参加に対して感謝の意を表明した。
最後に、シラク大統領と安倍総理は、アフリカと発展に関して意見を交換した。シラク大統領は、アフリカの発展のために日仏両国が緊密な協力を続けることを希望した。また安倍総理に対して、ミレニアム目標を達成する能力を貧困国に与える唯一の手段である、革新的な資金調達の具体化をフランスが促進する理由を述べた。