フランス暴動

日本でも連日報道されているフランスの暴動。大規模な天災の直後に暴動に発展することは先進国でも有りましたが、比較的穏やかなヨーロッパでの暴動に驚いた方も多いでしょう。
事の発端は、10月27日パリの郊外セーヌ・サンドニ県で強盗事件の捜査中に警官がアフリカ系少年を追跡。少年は変電所に逃げ込んだのですが、そこで感電死してしまいました。しかし、この事件に対しサルコジ内相は、少年は追跡されていなかったとし、更に暴言を吐いたことにより、アフリカ系住民が反発し主に未成年による暴動が始まったのです。
当初は政府も早期に終息すると思っていたらしく、特に対応をしたわけではなかったのですが、全国規模に広がり、1968年の5月革命以来の首相と学生との対話などが行われることになり、さらには異例の外出禁止令発動という事態になりました。
この暴動がフランスだけではなく地続きのヨーロッパ各国にも震撼させるものとなったのは、静かに緊張状態にある移民問題が根底にあります。第2次世界大戦以降、労働力として受け入れてきた主に旧植民地出身のアジア・アフリカ系移民とフランスならばフランス生まれなら自動的に国籍が取得できた2世達がいます。フランスではアラブ系住民は10%程度になっています。
外国人口が10%程度ある都市は日本には存在しないのではないかと思います。比較的外国人比率の多い都市(町)でも1~2%と思いますが、こういう所に行くと周りが全て外国人ではないか、外国に来たような気になります。更に文化や宗教などが違うとなると違和感を感じます。
フランスだけではなく、もちろん日本でも外国人に対しての扱いは冷たい物があります。特に警察とのやりとりは、移民系でない人と比べて乱暴に感じることは多く、大きなトラブルにならないくらい抑圧されていたのかも知れません。
また、ヨーロッパ全体の特徴でも有りますが、フランスでは特に若者の失業率が高いのです。フランス全体の失業率が10%と日本の約2倍と高いのですが、更に移民系では30%と言われています。また、移民系とわかると就職出来ないという話もあります。
フランス人と日本人のハーフでフランス生まれのフランス育ち友人は、日本人の父親から常に言われていたことはいかに国籍が重要かと言うことでした。いかに国籍が無いことで差別され大変だったかよく聞かされたそうです。今では世界第2位の経済大国というバックグラウンドがあってもですから、アフリカ系住民はより大変なのでしょう。
更にフランス内相のサルコジ氏は次期大統領候補とも言われていますが、特に人種差別的な発言を行うことでも有名です。例を挙げれば、「相撲は頭の悪い人のやるスポーツだ」とも言う人です。
1995年のフランス大統領選挙ではシラク大統領が社会格差の解消を公約にしていましたが、2002年の選挙では極右のルペン氏と決選投票になるなど危うい状況で何とか再選されたのも失業と治安の悪化が原因とされています。
多少ヨーロッパ各地に飛び火したようですが、現在は鎮静化に向かっているそうです。暴動事態も局所的な事件が連鎖しているようで、全体的なうねりが発生しているわけでもなく、リーダーが生まれ仕切っているわけでもない模様です。パリ市内では特に危険はないと現在認識されています。

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