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フランスのエコロジー情報

10月14日、パリで行われたNGO「Greenpeace」「Fondation Nicolas Hulot」「Oxfam」「Notre Affaire à Tous」のデモの様子。Alain Jocard AFP

温室効果ガス:裁判所がフランスに未達成の公約の履行を命令

10月14日(木)、行政司法は、地球温暖化対策のために温室効果ガスの排出量を削減するという未達成の公約を「修復」しなければならないと、この分野における政府に対する新たな決定を下しました。

パリ行政裁判所は、「世紀の事件」の旗の下に集まり、230万人以上の市民の請願に支えられ、2015年から2018年にかけての地球温暖化対策における国の欠点を指摘してもらうために2019年初めに提訴していた4つのNGOに有利な判決を下しました。

審査員は、「首相および主務大臣は、第1次炭素予算における温室効果ガス排出量の未補償分までの損害を修復するために、必要なすべての部門別措置を講じるよう命じられるべきである」と記した(2015-18年、目標に対する赤字は1,500万トンCO2換算で定量化されている)。

“政府の自由裁量”

この判決は、取るべき措置の選択を「政府の自由な評価」に委ねていますが、「この救済措置は遅くとも2022年12月31日までに有効でなければならない」と定め、スケジュールを設定しています。しかし、6ヶ月の遅延ごとに7,800万円の金銭的ペナルティを求めるNGOの要求は拒否しています。

2021年2月、裁判所はまず原告を支持する判決を下し、パリ協定やフランスが採用している「カーボンバジェット」に基づく自らの約束を果たせなかった国の「責任」を宣言しました。そして、裁判所に補償のためのこの差し止め命令を出すように求めました。

原告のNGOであるOxfamとGreenpeace Franceの代表であるCécile DuflotとJean-François Julliardは、「私たちは勝った」とツイートしました。 Notre Affaire à tousは、「指導者たちは、フランスの気候変動に関する公約を尊重する義務が生じた」と喜び、4番目の原告であるNicolas Hulot Foundationは、「フランスは、気候変動に関する不作為の結果を修復することを余儀なくされた」と述べています。

(with AFP)

中国の国家主席は10月12日、発展途上国の生物多様性の保全と再生可能エネルギーの開発に向けた2億ユーロ以上の基金を発表しました。AFP - STR

COP15:習近平氏、生物多様性基金に2億円以上の拠出を約束

中国では、国連の生物多様性に関する会議であるCOP15がスタートしました。中国の大統領はビデオスピーチの中で、発展途上国の生物多様性を保全するための2億ユーロ以上の基金や、再生可能エネルギーの開発に向けた取り組みを発表しました。

北京特派員、ステファン・ラガルドとともに

昆明にいたNGOや外交官は、生物多様性の損失を食い止めるための強力な発表を期待していた。このスピーチはほんの始まりに過ぎず、特にアフリカや南米で、メガシティの進出からまだ一部が残されている原生林や湿地、その他の草原を保護するために、先進国からの支援を求めている人々に向けたものです。

必要不可欠な投資

「習近平はCOP15の画面で「中国は途上国の生物多様性の保全を支援する基金の創設に15億元を拠出する。現地では、中国の大統領が大規模な太陽光発電や風力発電のプロジェクトを加速することを発表し、ゴビ砂漠の砂地に横たわる巨大な風力発電機のブレードの映像や音楽が国営メディアで流されました。

来年5月の会議終了時までに、各国の陸海空域の30%を保護することを約束する共同宣言の達成を目指しています。生物多様性への投資なくして、パリ気候協定の目的を達成することは不可能です。COP15はグラスゴーで開催されるCOP26と併催されており、地球環境ガバナンスにおける道徳的優位性を主張する中国外交の重要なショーケースでもあります。

[rfi] https://www.rfi.fr/fr/france/20211014-france-la-hausse-des-prix-du-carburant-tend-les-usagers-et-le-gouvernement
樹木は、夏には空気を冷やし、冬には冷えを抑える働きがあります。Universal Images Group via Getty - Auscape

環境:木の持つ断熱効果の研究

木は、夏には空気を冷やし、冬には冷却を制限することができます。フランス国立科学研究センター(CNRS)の研究者を含む国際的な研究チームによって、ヨーロッパレベルで初めて森林の断熱効果がマッピングされました。本研究成果は、10月4日(月)に科学雑誌「Global Change Biology」に掲載されました。また、この天然の断熱材がもたらす危険性も強調されています。

この地図を描くために、科学者チームは世界中の温度センサーのデータと、ヨーロッパの森林に設置された1,000個以上のセンサーの測定値を比較しました。

その結果、森は自然の断熱材の役割を果たしていることがわかりました。夏の平均では、下草の中の空気は開放的な場所に比べて2.1度低くなります。冬は逆に、空気が2度ほど暖かくなります。

これらの効果は、地域や種によって異なります。例えば、冬は針葉樹の影響で気温が3度上昇します。

脅威にさらされている森林

このメカニズムは、葉の中の水の循環によるものです。木はその根を通して、夏には一般的に外気よりも涼しい地面から水を汲み上げます。この水は、幹を通って葉から蒸気として排出されます。そのため、葉は涼しさだけでなく、日陰も作ってくれます。

この調査では、森林の持つ驚異的な断熱機能が強調されている一方で、それを脅かすものについても詳しく述べられています。人間の活動、嵐や干ばつがこれらの生態系にダメージを与えています。また、気温の上昇も脅威となっています。気温が高すぎると、樹木の蒸散システムが停止し、森林の健康状態が悪化します。

新型コロナでプラスチック製品が大量に!

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため使い捨てのプラスチック製品が脚光を浴びています。
プラスチック製のガードや上着など使い捨てのプラスチック製品が大量に需給されています。
感染症を防止するために使い捨ての製品は、環境破壊の代名詞のように扱われてきたプラスチックで出来ています。

日本でもスーパーやコンビニのレジとお客さんとの間に設置されたプラスチック製の透明なシートが貼られるようになりましたが、フランスでもタクシーの運転手と客席の間の防護幕として貼られています。
この実用的な解決策は全ての安全基準をクリアーし、すぐに工業生産できる製品が必要です。ここ数ヶ月はプラスチックの保護材の注文が爆発的に増えているそうです。

既に海岸には大量のマスクが流れ着いているそうで、生物分解性のないプラスチックは環境破壊を増大させる危険性をはらんでいると警告しています。

cop15、フランスの思惑

cop15の開催がコペンハーゲンでスタートした。温室効果ガス削減数値で優等生の結果を出しているフランスとしては、今回の気候サミットでも意欲的な提案を行う予定だ。

フランスの提案は、大気汚染を削減するだけではない。今回掲げるのは、金融取引に課税を行い、その税収を途上国のクリーンエネルギー使用の資金として支援するというものだ。

対象となるのは金融市場で取引される株、債権、為替などで、取引1件ごとに0.01%の税率をかける。税率としては少ないが年間200億ユーロの税収が見込まれるというもの。このような課税策は今注目されている手法で、他にも石油一トン消費するごとに1ユーロを課税するというスイスの案もある。

この金融取引への課税案については、ブラジルが賛同している。サルコジ大統領としては支持率の低迷する中、cop15でフランスのリーダシップを発揮し、成果をあげて支持率回復に持ち込みたいなどの思惑があるようだ。

COP15に向けてフランスは優等生

12月7日よりCOP15がデンマークコペンハーゲンで開催される。地球温暖化対策について話し合われるため高い注目を集めている。

COP15では、1997年の京都議定書で定められた2012年までの温室効果ガス削減目標を引き継ぎ、2013年以降の各国の削減目標が定められる予定だ。京都議定書の際はフランスの目標値は横ばい、つまり2012年までは温室効果ガスの排出を増やさないことを目標として掲げていた。これに対する結果としては−6%の数字を出しており、フランスは優秀な結果をおさめている。

一方、数値目標を達成できなかった国としてはお隣スペインが代表にあげられる。スペインは目標値の15%も上回る温室効果ガスを排出しており、政治的に何らかの制裁を受けることも考えられる。

ただし、このように先進国のプラスマイナスに一喜一憂していられないのが現状だ。1997年の京都議定書の際に発展途上国144カ国の削減目標は掲げられなかったが、現在では先進国より途上国の排出ガスが上回っており、コペンハーゲンでは数値目標を定めることが求められる。また、この途上国には中国が含まれていなかったことも、コペンハーゲンへ引き継がれる大きな課題となろう。

フランスはCOP15で、途上国の温暖化対策に20年間で数千億ユーロを援助するプランも提案するつもり。サルコジ大統領の政治的な思惑も見え隠れするが、温室効果ガス削減に関しては優等生なフランスだけに強い発言権も注目される。

二酸化炭素税の負担は御免?

フランス政府が導入を検討している二酸化炭素税について専門家会議が行われた。会議の報告書では導入を2010年にスタートするよう提言が行われている。

提案内容は排出されるあらゆるCO2に対して税金をかけるというもので、例えば90年代の車は二酸化炭素の排出量が多く、所有者は税金をおさめることになる。

この税金で、年間80億ユーロもの税収を見込んでおり、負担は一般家庭や企業にのしかかってくる。そのため、反対の声も既に多く聞かれているのが実情だ。

これに対して政府は、税収を一般家庭や企業に再分配することで経済の活性化につなげたいと回答している。

温室効果ガスの排出を制限するためには、できるだけ早くスタートさせたいと誰しもが思うが、同時に誰もが負担をしたくないというのが本音の模様。今回の報告書では具体性のかける部分が多く、決定的な内容とまではいたらなかったようだ。

白い証書でパリの電力18年分を省エネ

フランスではある制度が大成功をおさめ、パリの住民の電力消費量18年分の省エネにつながったという。

そのある制度というのが、2006年に導入されたエネルギー効率化証書制度で、その名を白い証書(certificats blancs)とも呼ばれる。政府の定めた省エネ目標が、電力、ガス会社などのエネルギー供給企業に課せられるが、その量は2006〜2009年に54.7TWhのエネルギーを削減することとされている。

しかし、エネルギー会社が必ずしも目標を達成できるとは限らない。目標を達成できなかった企業は目標に足りない分を目標を達成した余裕のある企業から買い取ることができる。そのときに証書が利用できるというわけだ。

2006年に導入されてから、600億kWh以上の省エネが可能になり、これは、フランスにある建物の年間エネルギー消費量の15%、または、パリ住民の電力消費量18年分に相当するという。

大成功をうけて手放しで喜ぶわけではないところがえらいところ。2009年にはより高い目標を設定することとなっており、年間目標を100TWh以上に引き上げ(これまでは、年間18TWh)、さらに制度を強化する。

これまでは、エネルギー効率化の大部分は、熱効率を上げる暖房工事や断熱工事によるもので(全体の90%以上)、ほとんどが住宅部門での対策による(95%)ものだったが、今後は運輸部門での省エネ教化を予定している。

この制度からもわかるが、目標を達成するためには、それができなかったときのペナルティがあってはじめてどの企業もやる気になるようだ。

フランスに続け、というのは単純すぎるけれど、先進諸国の義務としてCO2排出量の削減について学ぶものは大きい。ホントは、一度汚してしまった地球を元に戻すのに国の垣根なんてないのだけれど。

環境デイ、地球の現状を直視する映画上映中

「ホーム」、地球の現状を直視する映画
インターネットでも上映中

本日6月5日は国際連合が制定した世界環境デイにあたります。この環境デイをむかえるにあたり、フランスの写真家ヤン・アルチュス=ベルトランの最新映画「ホーム」の無料上映が行われています。

世界各地を空撮した彼による環境破壊をテーマに扱ったドキュメンタリー映画です。インターネットやテレビ、DVD、映画館などを通じて世界約100ヶ国で公開されています。

『ホーム』は、地球の現状について世論の意識を高めると同時に、地球の住民に対して環境をより大切にする生活スタイルに変えるように促すために、最大限の人々を対象に製作されました。所得や場所にかかわらず、だれもがこの映画を見ることができます。

パリでは、エッフェル塔に隣接するシャン・ド・マルス公園に設置された巨大スクリーンで、無料野外上映会が製作者や監督の出席の下で行われます。ほかにもニューヨーク、ボストン、バルセロナ、アテネ、モントリオールなど世界各地で上映会が開催されます。

フランスのテレビでは、国営放送フランス2が夜の特別番組を放送します。映画の放映に続いて、環境に関する政治討論が行われます。

「重要なのは、森林の消失した50%ではなく、残っている50%だ。重要なのは、我々には今日行動するために60億人分の知性があることだ。この映画を見れば、だれもが責任を持ち、だれもが自分たちのレベルで行動できることを理解できるに違いない」とヤン・アルチュス=ベルトランは強く訴えています。

インターネット環境によっては見づらい部分もあるかもしれませんが、美しい映像が見られます。環境デイの機会に観てみてはいかがでしょうか。環境破壊を懸念する地球人として共通の認識を持てることでしょう。

『ホーム』公式ホームページ(フランス語、英語)
http://www.home-2009.com/

2100年には乾燥化するフランス

温暖化による熱帯雨林のCO2吸収量が減ってきているという調査データが出てきている。CO2は葉っぱから吸収されるが、干ばつにより葉っぱが枯れてしまいCO2を吸収することができなくなってきているそうだ。

フランスは本土面積5,500万ヘクタールのうち農地は3,200万ヘクタールで、森林は4分の1強を占める。国土の4分の3を山地が占める日本から比べると、割合は少ないが、豊かな農地が広がり自然に恵まれた国であることがわかる。

今回の調査では温暖化によって、樹木の種類が代わり森林の中身が変わっていくという結果も出ている。2050年には松林がパリまで広がり、2100年には石灰質の乾燥地帯が北部の海岸沿いまで達するというものだ。

温暖化によるワインの生産可能な土地もどんどん上昇していて、以前は難しいと考えられていたイギリスなんかでも、生産できるようになっているらしい。農業大国フランスの姿は、今後の50年、100年単位で変わってしまうかもしれない。