フランス映画祭2006:誘拐者La Ravisseuse

仮題:誘拐者
La Ravisseuse
ドラマ/2004年/1時間30分/フランス公開:05年8月31日
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STAFF
監督:アントワーヌ・サンタナ
製作:ラウリド・レイング、パスカル・メッジ
脚本:ヴェロニク・ピュイバレ、フロランス・ヴィニョン、アントワーヌ・サンタナ
撮影:ヨルゴス・アルヴァニティス
Réalisateur: Antoine Santana
Producteur délégué: Rauridh Laing, Pascal Metge
Scénariste: Véronique Puybaret, Florence Vignon, Antoine Santana
Directeur de la photo: Yorgos Arvanitis
CAST
イジルド・ル・ベスコ(アンジェル=マリー)、エミリー・ドゥケンヌ(シャルロット)、グレゴワール・コラン(ジュリアン)、アネモヌ(レオンス)、フレデリック・ピエロ(ロドルフ)
Isild le Besco, Emilie Dequenne, Grégoire Colin, Anémone, Frédric Pierrot
シノプシス
1877年.若い田舎娘のアンジェル=マリーは、赤ん坊に乳を飲ませるため、あるブルジョワ家庭に乳母として雇われる。やがて、その家の若い女主人であるシャルロット・オルクスとアンジェル=マリーとのあいだに親密な関係が築かれる。けれども、シャルロットの夫のジュリアンは妻と乳母とのあいだに生まれつつある関係を芳しく思ってはいなかった。彼はほどなくして二人の女性に対する権威を確かなものとするのだった…。


監督プロフィール
パリ大学サンシエ校の映画学科卒業後、助監督として仕事を始める。1988年にジャック・ルフィオ監督の『L’Orchestre rouge』ではじめて助監督につき、その後ブノワ・ジャコの忠実な協力者となるなど、15を越える現場を経験する。ブノワ・ジャコの作品のなかでは、『シングル・ガール』(1995)、『肉体の学校』(1998)、『発禁本 SADE』(2000)などの作品に参加している。
1993年に、短編「Un petit livre dans la poche(ポケットのなかの小さな本)」を監督。ついで、ヴルジニー・ルドワイヤンを迎えて「Sur la route(路の上で)」を撮影する。1997年には、短編「La Soupe(スープ)」が、彼自身も助監督を努めているブノワ・ジャコの『第七天国』の前座として公開された。ジャコ作品でもお馴染みのイジルド・ル・ベスコを主演に迎えての初長編「Un moment de bonheur(幸福な時)」は、2001年のヴェネチア映画祭の批評家週間に出品された。長編第二作目となる「La Ravisseuse(誘拐者)」では、撮影監督に『旅芸人の記録』(1975)をはじめ多くのアンゲロプロス作品を手がけるヨルゴス・アルヴァニティスを起用した。
監督フィルモグラフィ
2004 長編 「La Ravisseuse(誘拐者)」
2001 長編 「Un moment de bonheur(幸福な時)」
1997 短編 「La Soupe(スープ)」
1995 短編 「Sur la route(路の上で)」
1993 短編 「Un petit livre dans la poche(ポケットのなかの小さな本)」
キャストプロフィール
イジルド・ル・ベスコ
1982年11月生まれ。母は女優のカトリーヌ・ベルコージャ、姉もまた女優のマイウェン・ル・ベスコ(『フィフス・エレメント』(1997)、『ハイテンション』(2003))。8歳のときに、フランシス・ジロ監督の『Lacenaire』(1990)でスクリーンデビュー。マイウェンと二人で一緒に、エルミオーヌの一役を演じた。女性監督のエマニュエル・ベルコ(『ニコラ』、『なぜ彼女は愛しすぎたのか』)は、この横柄な魅力をふりまく、澄んだ瞳の少女をキャスティングして、二つの短編作品でヒロインに抜擢した。「Les vacances」と「La puce」(1998)は、成人男性が若い娘を性に目覚めさせる過程を物語っている。それから数年経って、ベルコは再び彼女を長編第二作「Backstage」(2005)で起用した。
イジルド・ル・ベスコは、「Les Fille ne savent pas nager(娘たちは泳げない)」ではじめて長編映画の主役を演じたあと、ブノワ・ジャコとの決定的な出会いを果たす。ジャコは、彼女を『発禁本 SADE』でダニエル・オートゥイユと共演させ(これにより彼女は2000年のセザール賞有望若手女優部門にノミネートされる)、『アドルフ』でイザベル・アジャーニと共演させた。そして、『ロベルト・スッコ』(2001)で彼女に殺人者の恋人役を演じさせたセドリック・カーンとまさに同じように(再びセザール賞にノミネートされる)、ブノワ・ジャコもまた、殺人犯の逃亡の物語である『いつか会える』(2004)で、彼女の情熱的な気質をうまく利用していた。ジャコは現在準備中の「L’intouchable」でも彼女を起用している。彼女はまた、ブノワ・ジャコの古くからの助監督であるアントワーヌ・サンタナとともに、「Un moment de bonheur(幸福な時)」と「La Ravisseuse(誘拐者)」を撮っている。
 イジルド・ル・ベスコは次第に関心を広げてゆき、フィリップ・ル・グェ監督の「La Coût de la vie(生活費)」(2002)ではコメディーに挑戦、さらに翌2003年には、初の監督作品「Demi-tarif(半額料金)」を撮影し周囲を驚かせた。この子供の視線から撮影されたユニークな作品は、批評家から好意的に迎えられている。
・グレゴワール・コラン
1975年フランス生まれ。弱冠12歳にして、エウリピデスの『ヘカベー』や「Brûle, rivière, brûle」などでステージに立ち始める。1988年に、マルク・エヴァンス監督のテレビ映画「Le Jeu du roi(王様のゲーム)」でテレビの画面にはじめて登場し、1990年のGuy Mouyalの「Le Silence d’ailleurs」でスクリーンデビューを果たす。とはいえ、本当の意味で彼が大衆に認知されたのは、ジェラール・コルビオ監督の『めざめの時』(1991)においてだ。そこで彼は、仕官学校で大人の世界への手解きをうける孤児の役を演じている。アグニエシュカ・ホランド監督の『オリヴィエ、オリヴィエ』(1992)で、セザール賞の有望男優賞にノミネートされる。さらに彼にとってはじめての国際的な作品であるミルチョ・マンチェフスキー監督の『ビフォア・ザ・レイン』(1994)では、若いカトリック僧侶の役を演じた(この作品はヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞している)。
 彼は、アルテで放送されたテレビ映画『US Go Home』ではじめてクレール・ドゥニの演出を受けて演じたのち、『ネネットとボニ』(1996)、『Beau tranail(美しき仕事)』(1999)で再び彼女と一緒に仕事をすることになる。『ネネットとボニ』のおかげで、コランはロカルノ映画祭最優秀男優賞を獲得、『Beau Travail』では若い兵士の役を演じた。コランは、これまで「Jalna」(1994、テレビシリーズ)で共演したブノワ・マジメルと比べられてきたように、多くの作家の映画に出演しており、胸に一物抱えたような恐ろしい目つきと、苦悩する二枚目にふさわしい容姿とによって観客に強い印象を与えてきた。
例えば、ピーエル・ブトロン監督の「Fiesta」(1995)では、スペイン内戦下でジャン=ルイ・トランティニャンの部下のファラヘン党員を演じ、ジャック・リヴェットの「Secret défence(シークレット・ディフェンス)」(1998)にも出演している。また、エリック・ゾンカ監督の『天使が見た夢』(1998)では、ナターシャ・レニエの恋人役を演じた。イジルド・ル・ベスコ同様、ブノワ・ジャコの『発禁本 SADE』(2000)にも出演している。
 2002年には、カトリーヌ・ブレイヤの『Sex is comedy』(2002)とヨランド・ゾーベルマンの「La guerre à Paris(パリの戦争)」に出演、さらにアクション映画「Snowboader」(2003)で再び大役を得て若い有望株のニコラ・デュヴォシェルと共演した。そこには、作家の映画と大作映画に交互に出演するというグレゴワール・コランの戦略が働いているのである。2005年には3本の映画に出演する。そのなかの一本である『侵入者』は、クレール・ドゥニとの五本目の仕事となった。また、「Le Domaine perdu」ではフランソワ・クルゼとともに主人公を演じ、ラウル・ルイスのシュールレアリスト的な世界をまとめ上げて見せた。

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