ギリシャ危機回避か?
危うくギリシャのユーロ圏離脱を免れましたが、多くの問題が解決されていないようです。
EU委員会ユンケル委員長は「敗者も勝者もいません。ギリシャが侮辱されたとも思いませんし、ヨーロッパもメンツを失ったとも思いません。」と記者会見で語っていましたが、大きな問題を生じさせました。
まず当事者のギリシャですが、国民投票を行う前よりも厳しい条件を飲むことになったことで、ツィプラス首相は公約違反だという意見もあります。
ドイツはフランスとの深い溝が出来たと懸念する声もあり、ヨーロッパに反ドイツ的な感情が高まったことを懸念する声が出ています。
数年前はこんな状態でした。
仏独の目指す欧州経済政府
ギリシャとの合意内容は、下記の通り。
ギリシャは3年間に820〜860億ユーロの支援を受ける
返済額は3億2000万ユーロと変わりませんが、返済期間を延長し利率を引き下げる
付加価値税(消費税)は一律23%で、ホテル、医薬品、書籍は低い税率
年金改革は、受給者年齢は67歳とし定年退職者の減少を目指す
独立したファンドによる民営化
今まで緊縮策を反対していたツィプラス首相は転じて緊縮策に合意するように国内議会で働きかける必要があります。
ギリシャ国民も今回の合意で安堵したものの、合意内容を目にして意見が二分しています。
屈辱的だ
EUからの支配から逃れる良い機会だった
さらなる緊縮策でより不景気になる、国内の産業が破壊される
ギリシャが孤立しないで良かった
ヨーロッパの一因でいた方がメリットが大きい
水曜日に議会で採決する見込みですが、与党は既に分裂していて、法案成立は野党にかかっています。
ギリシャ国会でこの法案に合意できなければ、また白紙に戻ることになります。