震災による福島原発の事故の影響で、フランスの原子力企業のアレバの名前をニュースでも良く聞くようになった。アレバ(AREVA)は、世界最大のフランスの原子力産業の企業で、フランス原子力庁の一部門であった核燃料を製造する会社コジェマや原子炉製造のフランスの民間企業やドイツのシーメンスの原子力部門などを合併して成立した企業である。公開企業(ユーロネクストに上場)であるがフランス政府が株式の90%以上を保有している。

この6月末でアレバのCEOの任期が終了で、サルコジ大統領との対立が続いていたアンヌ・ロベルジョンは再任しないと見られていた。彼女は、前身企業のコジェマのCEOに1999年に就任し、2000年にアレバのCEOに就任し、現在のアレバを作った人としてフォーブスの世界で最も影響力を持つ女性にランクされている人物だ。

彼女はEPRと言う欧州型加圧水型炉を開発推進した。これは出力が大きいが、低燃費で、防護壁などで安全対策を強化している。開発当時は原発の新規建設は非常に停滞しており、マーケットは殆ど無いと思われていたが、地球温暖化の対策として原発が脚光を浴び、新興国の需要が高まり、世界中で建設計画が挙がっている。中国では原発を100基作るという計画も一時あり、フランスがその半数を仮受注した事もあったほどだ。

彼女は安全な原発、しかし高コストである方針で、フランスの電力会社との衝突や予算オーバーだったりアブダビ原発の契約を逃すなどが取りあげられていた。フランス電力公社(EDF)の会長はサルコジ大統領と近く、再任は無いだろうと見られていた。

アブダビ原発の場合は、韓国電力公社が100億ドルも低い価格で受注されており、敗因の低価格のシステムを開発していない戦略を批判されている。

しかし、今回の原発事故で彼女の安全に関する立場が評価され再任されるのではという見方が広がっていたが、結局再任されず鉱山技師で原子炉事業を担当していたリュック・ウルセル(マーケティング・国際事業担当副CEO)が着くことになった。EDFの意向に沿いやすい人物の起用だと噂されている。

物の見方は多面的で、安全を重視するために高コストという言い方も出来るが、予算オーバーしてしまった言い訳を、責任逃れを含めて安全を重視するためとしたとも言える。意向に会わないから変えたとも考えられるが、10年以上の任期は長すぎるとも考えられる。

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