フランスは世界の学力で中位

OECD加盟国によるPISA(学習到達度調査)の2009年度の結果が発表された。PISAは3年ごとに15歳を対象に実施されており、日本は3年前より、読解力、数学応用力、科学応用力の3つとも順位を上げトップクラスの国に位置づけられた。トップクラスには日本以外のアジア諸国・地域が目立ち、初参加の中国・上海は3分野で1位を独占するなど、中国の勢いを見せ付ける形となった。日本はゆとり教育への危機感で改善がみられたと分析されているが、他のアジア諸国に負けないためにも、まだまだこの危機感は持ち続けたいものだと思う。

さて、勢いのあるアジア諸国におされた形となったのが、ドイツやフランスなどのヨーロッパ諸国だ。ドイツでは前回のPISAよりも順位が向上したが、それでも10位に上るのは数学応用力のみで、読解力は中程度クラス。リーマンショック後、不景気に泣くヨーロッパ諸国の中、強い経済で一人勝ちを続ける国とは思えないほどの、真ん中クラスに落ち着いた。

また、フランスも中程度の成績におさまった。読解力18位、数学応用力16位、科学応用力21位と全てにおいて真ん中で、泣くに泣けない成績だ。今回の調査で、成績以外にも問題が浮上している。フランスは他国よりエリートが多いのと同様に、学力に問題のある生徒が多いという報告だ。読解力や数学応用力の低い生徒は2000年以降5〜6%づつ増加しているという。さらに、フランスでは成績が悪い生徒を留年させているが、この制度自体が問題視されている。

ドイツやフランスが中程度の成績に落ち着いた背景には、移民を受け入れていることも挙げられる。所得の低い移民家庭出身の生徒の成績は低いため、全体の数値を下げてしまうからだ。しかし逆を言えば、ドイツでは、この移民系生徒への教育に力を入れることで、順位を上げることも可能と考えている。

一方、トップクラスに輝いた国・地域は上海、韓国、香港、シンガポール、台湾などアジア勢が名を連ね、国の勢いを象徴していると思える。中国では都市圏と地方で格差も大きいだけに、上海という地域だけで参加することは少々ずるいとも思うが、中国の勢いの象徴そのものだろう。

中国では一人っ子政策のために、子供への幼児教育の熱は日本以上だと言う。3歳までに何文字以上の漢字の読み書きができる、水泳で何メートル以上泳げる、アルファベットが書けるなどなど、かなり詰め込みをしているそうだ。幼児教育が全てとは思わないが、これだけの気合と必死さがゆくゆく国を動かすのだと感じさせる。

こんな詰め込み教育が功を奏する一方で、トップクラスに名を連ねたカナダやフィンランドは、芸術的才能を伸ばすことに力を入れる教育方針を持つ。音楽の才能、絵画の才能を伸ばすことは、数学や読解力の能力を引き上げると考えられており、創作の時間や自分で考える力を伸ばす授業が取り入れられている。

詰め込みがいいのか、芸術的方針がいいのか。はたまた、もっと新しい教育プログラムがないのか。答えはひとつではないようだ。

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