サルコジ大統領、北京オリンピック開会式へ出席

フランスというと自由・博愛・平等を表すトリコロール(三色旗)とすぐに結びつけられるが、21世紀のフランスにはもう1色、経済を意味する色が必要になったようだ。

北京オリンピックがここまで騒がれる原因は、もちろん環境や食品の問題も上がっていたが、特にこのオリンピックの開催に対してという点で、なんと言ってもフランス発祥でフランス政府も資金の提供をしている国境無き記者団の事務局長がチベット問題を理由として聖火リレーを妨害した事だろう。

サルコジ氏自身も4月24日にはオリンピック開会式に出席しないようにEU各国首脳陣に求めていくとテレビで発言したりと、むしろ率先して開会式のボイコットを提唱していた人物だ。

先日の北海道洞爺湖サミットでは開会式に出席することが明らかになったが、更にフランスを今月中旬に訪問するダライ・ラマ14世とも会談しないことになった。その代わり南仏エロー県に建てられた寺院をダライ・ラマが訪れる際、サミットには同伴しないで新曲のレコーディングをしていた夫人のカーラ・ブルーニと面会することでほんの少し気を遣うつもりだ。

中国からは、大統領がダライ・ラマと会えば両国関係に重要な影響を及ぼすと在仏中国大使から脅されていたと言われている。更にボイコットされていたカルフールのデュラン社長も同行し、まだトリコロールの赤い部分に黄色い5つの星を付けることはしないようだが、中国との関係改善に必死だ。

EUの主要国のうち英国、ドイツ、イタリアの首脳は開会式を欠席する。サルコジ大統領は欧州議会の議長としても出席するが、「人権状況の改善を求めるために中国に行く」と答弁したため、欧州議会の議員からは「政治犯釈放などの成果を求める」と要請され具体的な成果を求められている。

フランスか伝えるサミット

8年ぶりに開かれた日本が議長国のサミット。今回はアメリカのブッシュ大統領が任期最後の出席であり、ロシアのメドヴェージェフ大統領が初めてと言うことで、有る程度注目されたようだ。

また、潘国連事務総長が温室効果ガスによる地球温暖化、食料問題、原油高騰と地球のトリプル危機と称し去年と比べ問題が急増加しただけあって各国のメディアもさほど期待はせずも、何らかの合意が出来ることを報道したかったようだ。

サルコジ大統領も反日と思われているだけに、今回の一番最後に来て一番早く帰るし、大統領のイメージアップに取り込まれているカルラ・ブルーニ夫人の同伴なしも意図的と思わざる得ない。

サルコジ氏の反日的発言は親日のシラク大統領への反動によるとも言われ、早期の帰国は欧州議長国としての出席が控えていたからではあるが、11日フランスの外務省は世界の経済的、戦略的重心のアジアへの移動が今後さらに強まるとして、アメリカ、ヨーロッパと並んで日本の重要性を強調した。

ユーロが強くなったと言え、スペインでは外貨節約のために、原油輸入を10%削減する事になったと10年以上前にオリンピックを行った国でもこんな感じだし、韓国も1997年以来の通貨危機が再来とも言われているし、アメリカもいよいよ銀行の破綻が始まり始めたと言う。

日本も人のことを言えないが、両国ともうまく舵取りをして欲しいものだ。

フランスの公共放送

サルコジ大統領就任後、フランスの公共放送のあり方が大きく変わろうとしている。始めはやっと放送を開始したばかりのフランス版CNNといえるフランス24や既存の外国向けフランスの放送局との統合。これは確かにそれぞれ局のカラーがあるといえ、同じような目的で役割が果たせないからと言って、放送局をいくつも作るのは財政が厳しい中難しいだろう。
そして、先日よりお伝えしているフランスの公共放送でのCM廃止だ。フランスの公共放送ではCMが流されており、受信料収入(受信機利用税)以外にも、コマーシャル収入は8億ユーロ程で全体の収入の割合もかなり大きい。この財源はどうするかというと、電話、通信、インターネット、広告収入の増える見込みの民放へ課税強化し、この穴埋めを行う。
このため、該当の放送局などはデモを行い、ニュースなんかはいかにも「デモ中です」という感じの簡易的なセットで薄暗い感じもする。セットぐらいはいつも通りでも良いんじゃないかと思うが、スタイリストはいるのか、別に髪の毛が乱れていたり、服装が乱れていたりはないようだ。
やはり、財源が握られると、放送内容に対しても握られていくと感じるのは考えすぎではないと思うが、更に国家の統制が行われる案が発表された。
1945に設立されたラジオ放送局RDF(Radiodiffusion Francaise)を1949年2月9日にRTF(Radiodiffusion – Television Francaise)に改編し、テレビ放送始まった。1963年6月26日にORTF(Office de Radiodiffusion Television Francaise)に政府の管理から、より影響を減らすために改編された。
RTFは国有で政府管理下(情報省管轄、予算は情報省と財務省の管理下)にあり、1963年アラン・ペルフィット情報相はRTFを「テレビ、それは全てのフランス人の食卓の中にある政府(La tetevision, c’est le gouvermement dans la salle a manger de chaque Francais.)」と言って、新しい放送局がより政府の干渉を受けない事を語っている。
ORTFの会長と局長の任命権は閣議で任命されていたが、さらに1982年に左派により責任者の任命権を現在のCSA(視聴覚最高評議会,Conseil superieur de l’audiovisuel)に繋がる規制・監督機関に移された。
CSAが特に知られているのは、外国語放送(主にアメリカ)を排除しフランス文化を守る目的でフランス語作品の放送時間を一定以上に定める規制を行っていることだろう。常に放送内容をチェックしており、アンテンヌフランスの初期の頃にお伝えしたが、この罰金があまりに高額なため、潰れてしまった局もある。
フランスの放送局は政府からの直接の影響を受けない様に変化していたが、今回のサルコジ大統領の発表では、CSAが持っているフランス・テレビジョン*の会長の任命権は議会の過半数の了承が必要なものの、大統領府が持ち1960年代に戻ると思われる内容だ。
フィヨン首相は「現在のフランス・テレビジョンの会長の任命制度は偽善的で、決して自主独立なものではない」と語っているが、公共放送の責任者が大統領が任命する事は他のヨーロッパ先進国ではあり得ないことで、公共放送の従属に繋がるとフランスのメディアは批判している。
*)ORTFは、1974年8月8日TF1やAntenne2などそれぞれの放送局に分割され、独立した放送局となっていたが、1987年の民営化後、公共放送のAntenne2などは経営難に陥り、1992年9月7日に公共テレビ局の再編が行われフランス・テレビジョンが発足した。

バカロレア、スタート

フランスでは高校卒業資格、つまり大学入学資格であるバカロレアが始まった。日本にはない制度でアンテンヌフランスでは以前にも何回か記事にしたことがあったし、バカロレアの哲学の問題をミニコーナーで掲載したことがあったので、古くからの読者はよくご存知だろう。
バカロレアは国家資格のような物で、合格率は70~80%でこれを取得できなければ「スーパーのレジ打ち以上の仕事を取れない」とまで言われているそうで、受験者は結構神経質になる。先ほど大統領に就任したサルコジ氏も哲学の試験では20点満点中9点しか取れず追試を受けたそうだ。
フランスの超エリート層であるグランゼコール(大学校)を除いてバカロレアを取得すれば、基本的にどこの大学でも入学出来る。また、バカロレアには、一般、専門、実業の3種類があり、一般の中でも理系(S)、文系(L)、経済・社会系(ES)と別れている。ただし理系でも哲学の試験があり、むしろ理系でも必修教科は文系の教科の方が多く、受験科目も多岐にわたる。
一番受験者が多いのは理系で、その理由は理系のバカロレアを取得できればどの職業にも就くことが出来るし、フランスでは理系が有利であるため、多くの親は子供のころから理系を薦める。とはいえ、どのコースを受験するかは学校や教師によって決定されるために、個人の意思は通りにくいようだ。
試験もマークテストのような物ではなく、基本は記述で口頭での試験もある。数学のような解答に一意性のある教科でも採点官によって点数が変わることがあり、試験管の差別や偏見でかなり採点が異なる事もあるという。
その中でも良く話題に上るのが哲学の試験で、テレビのニュースでもやはり哲学が採り上げられた。もちろん模範解答はあるが「正解」というのもが無い。内容がどうであれ理論が通っていれば良いらしい。
F2によると今年の理系の哲学の問題では、ユングの文章解説や欲望や労働をテーマにした論文で、その中で一番選択された問題は「欲望は現実によって満足させられるか?(Le desir peut-il se satisfaire de la realite?)」この模範解答は「人間というのは根本的に欲望をする存在であり、現実には決して満足しないのが人間である」と答えれば良いそうだ。
文系ではより高度で、アリストテレスの文章、芸術を主題とする文章の論文の他、「認識は全ての意識の解放に繋がるのか?(Toute prise de conscience est-elle liberatrice?)」という設問が出された。(3問から1問選択して解答)
フランスでは、バカロレアを通して、記述力と考える力をつける教育らしい。フランス人が理屈ぽいのはこの教育の賜物といえる。

ニコラ・サルコジ氏がフランス共和国大統領に就任

大統領選で当選したニコラ・サルコジ氏がジャック・シラク大統領から権限移譲を受ける式典が2007年5月16日、パリのエリゼ宮(大統領府)で行われた。新大統領の就任演説は以下の通り。
皆様
今日、フランス共和国大統領に正式に就任するにあたり、私はこの歴史ある国フランスを思っている。フランスは多くの試練に遭い、常にそれを乗り越え、常に万人のために語りかけた。今後は、私が世界に対して、この国を代表する重務を担う。
私は第5共和政の歴代大統領を思っている。
私はド・ゴール将軍を思う。共和国を2度救済し、フランスに主権を、国家に尊厳と権威を回復させた。
私はジョルジュ・ポンピドゥとヴァレリー・ジスカール・デスタンを思う。それぞれの流儀で、フランスの迅速な近代化に多大な貢献をなした。
私はフランソワ・ミッテランを思う。制度を保持すると同時に、共和国がフランス全国民のものになるために政権交代が必要となった時に、それを体現した。
私はジャック・シラクを思う。12年にわたり、平和のために尽力し、フランスの普遍的価値を世界に広めた。私は環境破壊の切迫性と、未来世代に対する各自の責任を万人に認識させるべく、同氏が果たした役割のことを思う。
とはいえ、極めて厳かな今この時にあたり、私の思いは何よりもまず、フランス国民に向かっている。フランス国民は偉大な人民であり、大いなる歴史を誇り、民主主義の信念を訴えるため、これ以上隠忍するのは望まないと訴えるために立ち上がった。私は常に試練を勇敢に乗り越え、世界を変える力を発揮したフランス国民を思っている。
私は先の選挙戦で強く寄せされた期待、希望、よりよい未来を信じる必要を、感動とともに受け止めている。
私はフランス国民が私に託した任期を厳粛に受け止めている。私にはこの任務に求められる強い要求を裏切る権利はない。
フランス人を結集することへの要求がある。フランスは団結している時にのみ、力を発揮する。今日、フランスには直面する試練に立ち向うため、強さが必要とされている。
約束を重んじ、守ることへの要求がある。これほど信頼が揺らぎ、薄れたことはかつてなかった。道徳的な要求がある。これほど価値の危機が深刻なことも、指標を見出す必要が強いこともなかった。
労働、努力、功績、尊敬の価値を回復することへの要求がある。これらの価値は人間の尊厳ならびに社会進歩の条件の礎である。
寛容と開放への要求がある。これほど不寛容やセクト主義が破壊力を持ったことはなかった。善意あるすべての女性とすべての男性が、未来を想像するために、持てる才能、知性、考えを出し合うことが、これほど必要とされたことはない。
変化への要求がある。フランスにとって、これほど退嬰主義が有害なことはなかった。この変動する世界では、だれもがだれよりも早く変わろうと努力し、すべての遅れが致命的で、取り返しがつかなくなり得る。
安全と保護への要求がある。将来への不安、この主体的に行動したり、危険を冒すことに対する消極的感情を克服することが、これほど必要とされたことはない。
秩序と権威への要求がある。我々は混乱と暴力に屈しすぎた。これらは何よりもまず、最も弱い立場にある人々や、最も恵まれない人々に害を与える。
結果への要求がある。フランス人は日常生活で何も改善されないことに閉口している。フランス人は生活が常につらく、苦しくなることに閉口している。フランス人は結果が何一つもたらされないのに犠牲を強いられることに閉口している。
正義への要求がある。これほど多くのフランス人が、これほど強い不公正感を、犠牲が公正に分配されていない、すべての人々に対して権利が平等ではないという感情を、長期間にわたって抱いたことはない。
過去の態度、思考習慣、理知的な順応主義を断つことへの要求がある。解決すべき問題は未曾有のものだからだ。
国民は私に大統領の一任期を託した。私は任務を全うする。私はフランス人が私に表明した信頼に恥じないように、誠実に任務を果たす。
私はフランスの独立とアイデンティティーを守る。
私は国家の権威の尊重と、公正さに留意する。
私は実質的な権利と完璧な民主主義に基づいた共和国を築くように努める。
私は保護するヨーロッパ、地中海沿岸諸国の結束、アフリカの発展のために闘う。
私は人権保護と気候温暖化対策を、世界におけるフランスの外交活動の優先課題とする。
任務は困難であり、継続的に取り組まなければならない。
ご列席各位は国家における地位を通して、市民各位は社会における地位を通して、任務遂行に貢献する資格を有する。
私はフランスへの奉仕に党派はないと確信していると申し上げたい。自国を愛する人々の善意のみがある。全体の利益への情熱にかき立てられた人々の能力、考え、信念のみがある。
私は自国の役に立ちたいと望むすべての人々に対して、いつでも共に働く用意があると申し上げる。私は彼らに信念を変えたり、友情に背いたり、歴史を忘れるように求めることはしない。どのようにフランスに奉仕したいかは、自由な人間の精神と意識に基づいて、各自で決めることである。
5月6日、ただ一つの勝利しかなかった。それは滅亡を望まず、秩序とともに変化を望み、進歩とともに友愛を望み、有効性とともに公正を望み、アイデンティティーとともに開放を望むフランスの勝利である。
5月6日、ただ一人の勝利者しかいなかった。それは、諦めたくない、事なかれ主義と保守主義の殻に閉じこもったままではいたくない、人が代わりに決めたり、考えたりすることをこれ以上望まないフランス国民である。
我々の愛と尊敬に値する、この存続を望むフランス、この諦めることを望まない国民に対し、私は失望させないという決意を表明したい。
共和国万歳!
フランス万歳!
http://www.elysee.fr/elysee/root/bank/print/76633.htm
(日本語訳-公式文書はフランス語原文に限ります)
http://www.ambafrance-jp.org/article.php3?id_article=1521

フランス大統領選:サルコジとロワイヤルが決選投票

4月22日フランス大統領選の結果、右派のニコラ・サルコジが31%、左派のセゴレーヌ・ロワイヤルが25%の得票で50%以上の得票率を得ないために、決選投票となった。今回は84%以上の投票率でかなり注目度が高い選挙だ。この結果は事前の世論調査とほぼ同等で、3位が中道のフランス民主連合党首フランソワ・バイルー、前回の大統領選で戦った極右の国民戦線党首ルペン氏は今回は4位とふるわなかった。
今回は計12人が立候補したが、その他の候補者も多少知名度があり、都知事選の黒川記章やドクター中松のように、有名だがそんなに支持されていないところがある。例えば、左翼の論客として頭角を現していたオリヴィエ・ブザンスノ(革命的共産主義者同盟(LCR)公認)は32歳の郵便配達員で勤務後と週末の休日に選挙活動を行い5位で得票率4%。
その他は3%以下で、定年まで銀行の受付をしていた庶民派のおばさんアルレット・ラギエ(極左の「労働者の闘い」公認)は1974年の大統領選挙から毎回立候補している。反グローバル主義でマクドナルドを破壊して逮捕された事で一躍有名になり、欧州憲法の国民投票で反対派のジョゼ・ボヴェ氏などが出馬していた。
過激な言動で物議を起こす内務大臣のサルコジ氏(通称サルコ)はアメリカ型競争経済政策で、シラク政権下でもアメリカなどの外国企業が参入しやすいように労働時間の延長など行われてきたが、「もっと働き、もっと稼ごう」を合言葉、週35時間労働上限規制見直しや残業や社会保障費の雇用主負担を廃止の方針。構造改革や規制緩和など小泉首相のようなところがある。兄がフランス経団連の副会長でフランスの経済からは期待されている。
ハンガリーの下級貴族の家系で移民二世でありながら、移民に関しては厳しく暴言も多いが、ルペンのように移民を完全に否定するわけではなく優秀な移民には賛成。日本より中国が好きと発言し、東京、京都御所、相撲などをけなしている。
サルコジ氏は弁護士ではあるが、一般の大学(パリ大学)と言うことでエリート主義のフランス政界では希な存在。一方、ロワイヤル氏はグランゼコール(ENA)出身のエリートで行政裁判所判事だった。伝統的なフランスの社会保障重視政策を掲げサルコジ氏と政策が全く異なるが、尊敬する政治家はアメリカのヒラリー・クリントンで避妊や性道徳に関して女性主導を主張している。(高校生にコンドームを無料で配ったりした)
実際は結婚していないが、おしどり夫婦のイメージがあり、フランス全土に広がった大規模なデモ・暴動に繋がったCPE(初期雇用契約:現在の無期限の雇用契約に対して、26歳未満の雇用は2年間の使用期間を設け理由と問わず解雇できると言う法案)に反対して特に有名になった。またスペインのサパテロ首相が応援に入るという、外国の元首が他国の大統領候補を応援するという前代未聞の事だ。
日本に対しては、マンガ好きの麻生太郎が反論したことでも話題になった日本アニメの性的な物や暴力的な描写を批判し日本は男尊女卑社会と批判している。
両者共に日本に対しては批判的な面があり、中国よりと思われている。最近は世界的にも中国よりが大勢で、約800億円もかけられた中国のインターネット検閲システムにはアメリカの一流IT企業が軒並み参加しているし、インターネット電話のSkypeの中国版には検閲機能付きでリリースされている。特に親日家と言うことでなければ仕方のない潮流なのだろうか?
決選投票は5月6日で、世論調査ではサルコジ氏が54%、LCR、共産党、緑の党、労働者の闘いが支持しているロワイアル氏が46%となっている。

シラク、次期フランス大統領選不出馬

この時期、フランス映画祭の話題で持ちきりとしたいことだが、日本好きで有名なシラク大統領が今年の大統領選に出馬しない事をテレビで語った。この映像は日本のニュースでも報道されたので、見た方も多いだろう。さすがフランスだと思うのは、この演説のバックの映像が揺れるフランス国旗にEUマークである星が付いている映像だ。世界中に配信される映像は重要で、こういうイメージはフランスの洗練された感じをより高めるに違いない。

この演説は結構評判が良かったそうで、大統領候補として期待の社会党のロワイヤル氏も威厳ある演説と評価したほどだ。今回大統領選には出馬しないとのことだが、2期とはいえ1995年から12年も続いていてなかなかの長期政権だったと言える。(2000年の憲法改正で任期が7年から5年になった)また、パリ市長は18年、首相は2回務めた実績は大きい。

残念ながら公約だった経済格差や失業率問題など良くなっているとは言えず、記憶に新しいのは2005年秋から起きた暴動はこれを大きく物語る。日本では経済面での格差のみ焦点が当てられるが文化面の格差も拡大しているそうだ。

就任直後の1995年には核実験を強行して、日本でもフランス製品不買運動が起きた。イラク戦争に反対して評価が高まったが、実は当初は賛成していた。EUの統合をより進めるEU憲法批准の国民投票では否決された。時代の影響も大きいが問題もあった。

トヨタのヨーロッパ工場のフランス国内への誘致が成功し、日本からの投資を活発化させるために日仏投資賞を設立したりと、フランスから日本への売り込みはかなり増加したように見える。

シラク不出馬でUMPのサルコジ(現内相)、社会党のロワイヤル(元家庭担当相)、UDFのバイル(元国民教育相)が争うことになる。

ヨーロッパから見ると日本は遠いところなんだろうが、親日家の元首というのはほとんどいない。今年1月には安倍首相がフランスでシラク大統領と会談し、日本とのパートナーシップを重要視すると言っていても、新しい候補者は誰も中国との関係が気になるようである。サルコジ氏は「日本はダメだ。中国だ。」と言うような発言をして問題になったことがある。日本で言えば、アメリカ重視かアジア重視かで揺れるところに似ているのかも知れない。

中国沿岸部の比較的裕福層が3億人以上いると言われ、この人口はアメリカの人口を超え、EUと同じくらいな規模と言うことは色々な点について、重視せざるえない。アメリカはフランスの軍事的脅威を気にしているようだが、フランスではアフリカへの中国のプレゼンスが脅かされている事に気にかけているように見える。

国連常任理事国であっても、重要決議に簡単に拒否権を使える訳でもなく、大票田のアフリカが国際政治上重要だというのだ。援助漬けのアフリカ諸国はどうも援助内容で動くと言うのか、日本も過去に大きな援助で票をとりまとめたりしていたようだ。これが現在中国のエネルギー需要に応えて急速なアフリカ進出が進んでいることを危惧しているようです。

しかもフランスのメディア、例えばル・モンドは新聞の中でも高級紙と言われていても、かなり間違った日本関連の記事など、全体的に歴史的に反日的な情報を流すことが多く、たまに在仏日本大使館が抗議をすることがある。この頻度が高くなっている気もする。

来年はフランス映画祭は中国へなんて言う記事が出ないことを願う。

クリアストリーム疑惑、次期大統領選にも影響か。

日本では民主党のメール疑惑にうんざりさせられたのもつかの間、実はフランスでももっと大きな「偽物」にまつわる疑惑問題が浮上していた。今、フランス政界が大きく揺さぶられている。

フランス人が口をそろえて嘆く国内事情が、この「クリアストリーム疑惑」。来春には大統領選を控えこの賄賂に関するスキャンダラスなニュースでもちきりとなった。シラク大統領とドビルパン仏首相が、大統領選の最大のライバルとされる国民的人気の高いニコラ・サルコジ仏内相の失脚を画策したというものだ。

ことの発端は、ルクセンブルクのクリアストリーム銀行に賄賂受け取りのための隠し口座を持つフランスの政治家・財界人のリストが、匿名の告発状とともに政府に届けられたことから始まった。このリストにはサルコジ内相の名前が含まれていた。

その後の調査で、告訴状には文書改ざんが発見され偽物だったと判明しているが、この偽密告状に従い、ドビルパン首相がサルコジ仏内相を失脚させるため、秘密裏の捜査を命じたという疑惑が浮上。しかもドビルパン首相の後ろ盾がシラク大統領だったとされ事態はますます混乱を招いた。

ドビルパン首相は当初、大統領の指示があったことは認めたが、サルコジ氏への特定捜査の指示は強く否定した。ところが、ドビルパンから捜査を依頼されたロンド将軍が、同問題を捜査している予審判事に対して、首相の指示にサルコジ氏が特定されていたと証言し、疑惑は深まっている。

また、シラク大統領はサルコジという政治家個人を調査依頼した覚えはないと主張。首相と大統領は疑惑の否定に躍起になっている。

5月末には就任1年を迎えたドビルパン首相。1年間の成果としては失業率が10ヵ月間で10.1%から9.5%まで低下したものの、若者向け新型雇用契約のCPE導入は失敗、昨年秋から年末にかけては若者の暴動事件が続いたことも記憶に新しい。そして、追い打ちをかけるように今やクリアストリーム事件の渦中の人となった。同僚議員の失脚を画策した事実を否定する証拠が出ない限り、政治的信頼を回復することは難しいだろう。

フランス暴動

日本でも連日報道されているフランスの暴動。大規模な天災の直後に暴動に発展することは先進国でも有りましたが、比較的穏やかなヨーロッパでの暴動に驚いた方も多いでしょう。
事の発端は、10月27日パリの郊外セーヌ・サンドニ県で強盗事件の捜査中に警官がアフリカ系少年を追跡。少年は変電所に逃げ込んだのですが、そこで感電死してしまいました。しかし、この事件に対しサルコジ内相は、少年は追跡されていなかったとし、更に暴言を吐いたことにより、アフリカ系住民が反発し主に未成年による暴動が始まったのです。
当初は政府も早期に終息すると思っていたらしく、特に対応をしたわけではなかったのですが、全国規模に広がり、1968年の5月革命以来の首相と学生との対話などが行われることになり、さらには異例の外出禁止令発動という事態になりました。
この暴動がフランスだけではなく地続きのヨーロッパ各国にも震撼させるものとなったのは、静かに緊張状態にある移民問題が根底にあります。第2次世界大戦以降、労働力として受け入れてきた主に旧植民地出身のアジア・アフリカ系移民とフランスならばフランス生まれなら自動的に国籍が取得できた2世達がいます。フランスではアラブ系住民は10%程度になっています。
外国人口が10%程度ある都市は日本には存在しないのではないかと思います。比較的外国人比率の多い都市(町)でも1~2%と思いますが、こういう所に行くと周りが全て外国人ではないか、外国に来たような気になります。更に文化や宗教などが違うとなると違和感を感じます。
フランスだけではなく、もちろん日本でも外国人に対しての扱いは冷たい物があります。特に警察とのやりとりは、移民系でない人と比べて乱暴に感じることは多く、大きなトラブルにならないくらい抑圧されていたのかも知れません。
また、ヨーロッパ全体の特徴でも有りますが、フランスでは特に若者の失業率が高いのです。フランス全体の失業率が10%と日本の約2倍と高いのですが、更に移民系では30%と言われています。また、移民系とわかると就職出来ないという話もあります。
フランス人と日本人のハーフでフランス生まれのフランス育ち友人は、日本人の父親から常に言われていたことはいかに国籍が重要かと言うことでした。いかに国籍が無いことで差別され大変だったかよく聞かされたそうです。今では世界第2位の経済大国というバックグラウンドがあってもですから、アフリカ系住民はより大変なのでしょう。
更にフランス内相のサルコジ氏は次期大統領候補とも言われていますが、特に人種差別的な発言を行うことでも有名です。例を挙げれば、「相撲は頭の悪い人のやるスポーツだ」とも言う人です。
1995年のフランス大統領選挙ではシラク大統領が社会格差の解消を公約にしていましたが、2002年の選挙では極右のルペン氏と決選投票になるなど危うい状況で何とか再選されたのも失業と治安の悪化が原因とされています。
多少ヨーロッパ各地に飛び火したようですが、現在は鎮静化に向かっているそうです。暴動事態も局所的な事件が連鎖しているようで、全体的なうねりが発生しているわけでもなく、リーダーが生まれ仕切っているわけでもない模様です。パリ市内では特に危険はないと現在認識されています。