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枯れた木の幹についたキクイムシのギャラリー。Wikimedia/ Father Igor

スイスのジュラ地方でキクイムシにやられたトウヒの木

それは森林警備隊員の悪夢、オオクワガタである。この虫の大きさは数ミリにも満たない。しかし、数年前からヨーロッパ中のトウヒの森を荒らし、私たちのクリスマスツリーの存続を脅かしています。最も深刻な被害を受けた地域のひとつがスイスのジュラ地方で、健全なトウヒの木は片手の指で数えられるほどです。

スイスのジュラ地方にあるレブヴェウリエの特派員、ジェレミー・ランシュ氏とともに

「干ばつは3年前から予想されていたが…来なかったのはキクイムシのせいだ…」Frédéric Pierrardは、Rebeveulierのコミューンでアクロブランシュ・パークを運営しています。というか、夏のシーズン真っ只中に急遽閉園することになったので、なんとかなりました。理由は、キクイムシに侵された百数十本の木が、設置場所に倒れそうになっていたからだ。パークの3分の2を解体しなければならなかった」という。創業18年目にして、初めての閉店です。

バークビートルは小さな甲虫で、トウヒの木の樹液を食べ、乾燥して枯れてしまいます。ジュラ州環境局のマルセル・マホン氏は、「大きなトウヒの木は完全に破壊され、おそらく80%は破壊されています。この3年間に起きたことは、本当にすごいことです。

気候変動が原因

スイスのジュラ山脈だけではなく、最初に影響を受けた山脈もあります。しかし、カントンのほぼ半分が森林に覆われているため、その被害は特に顕著です。そして何よりも、地球温暖化によってキクイムシが高度を上げ、木材産業が高く評価するトウヒの木をより多く破壊するようになったら、他の森林、特にアルプスの森林で何が起こるかを予見している。”スプルース “の代わりに何が使われるのか?彼らはすでに他の種を見つけようと話しています」とMarcel Mahon氏は続けます。また、50年後、100年後も同じようになるのではないかという不安もあります。

バークビートルがいてもいなくても、旱魃はいずれにしても森林の最大の敵です。低地ではトウヒが絶望的であるとすれば、スイスでは長期的にはトネリコの90%が失われる可能性もある。

日本は暖冬、フランスは寒波

今年の日本は比較的温かく、11月までは東京ではどんな服着て良いのか?というくらい暖かい日もあったほどだ。そういえば今年の夏は冷夏といわれあんまり暑くなかった。

「今年のボジョレ・ヌーボーは最高!100年に一度の出来。」なんて言われたが、ちまたでは、毎年最高とか言っていて、嘘くさい。まあ、言ってみれば広告宣伝の美辞麗句だと思っていた人が多いのに驚いた。確かにボジョレ・ヌーボー、いわば収穫祭の色合いが強いので、「今年はあまり良くないできです。」なんて言わないだろうと話す人もいた。

もちろんボジョレ・ヌーボーの生産者や販売者などからすれば、毎年売れないと困るので、日本のようにワインの文化がないところでも間違いなく「最高」で有って欲しいのは当然だろう。

初めのうちは、ここ数年で最高の出来とか、10年に一度の出来と聞いて喜んでいたが、ここ数年、毎年こんなこと言われて一体、100年に一度が毎年続く訳ないと考えるのも当然だ。

消費者は当然それを見抜いていて、本当で最高であるかどうかはさておき、そんな宣伝にだまされたくないし、ボジョレ・ヌーボー人気も下火になって来て、今年は飲まなかった人も多かったのではないかと思う。

しかし、農産物であるワインは自然環境に大きく左右されやすく、100年に一度の出来と言われた2003年をしのぐのではないかというのは、夏の時点で言われていた。それは、2003年にはボルドーワインの特集でワイン農家に取材していたのだが、ワイン農家も水を撒くのにものすごく大変だったというのだ。

2003年の夏は猛暑で次から次へと水をあげないと乾燥してしまい、休む暇もなく水を撒いていたのだが、今年の夏はそれを超えるほどの猛暑だったそうだ。それ故、日光を沢山浴びたブドウから出来たワインの出来は、すばらしいというわけだ。

このとき同様今年のフランスの夏は猛暑で、実際今年のワインは100年に一度といわれた2003年を超える出来となったのは、本当のようだが、逆に心配なのはこの異常気象だろう。科学者は地球温暖化のせいだと言い、地球の温度が上がっているのは二酸化炭素など温室効果ガスのせいだと言い、京都議定書やCOP15のような温室効果ガス削減に向けて国際会議が開かれている。

逆に地球温暖化の考えが間違っているという科学者もいるが、いずれにしても、ヨーロッパは異常気象を身をもって体感しているようだ。やっぱり温暖化というとCOP15のような会議は寒いところより猛暑の時にやった方が参加者ももう少し本気になるのではないかと思う。

さて、フランスのみならずヨーロッパは昨年に引き続き厳しい寒波が続き、百人以上が死亡したり、空港が閉鎖、航空便が運休、高速道路で事故が続出など交通機関に影響が出ている。

とくにフランスが懸念するのは電力消費量の問題だ。日本では電力消費が高いのは夏だが、フランスでは電気暖房を奨励していたこともあって、冬が電力消費のピークを迎える。

フランスの発電は大きく原子力発電に偏っており、総電力の8割近くが原子力に頼っている。これによりフランスは二酸化炭素発生量を低く抑えられているのだが、原子力発電の特徴として、安定した電力供給が挙げられる。安定したというと聞こえが良いが、他の言い方をすると、発電量を自在に可変しにくいという面がある。

原子炉を動かしたら、電力消費の少ない深夜は操業を停止したり、発電量のコントロールが基本的に出来ない。当然ピーク時に合わせて発電量を高めることが出来るが、これではロスが非常に大きくなる。日本では深夜電力が安かったりと需要の少ない時間帯の利用促進を行ったりしている。

フランスの場合国内の発電能力は11万メガワット程度で、昨年の例ではマイナス10度ぐらいになると電力消費量が9万1500メガワットになったというニュースもあり、ピーク時が限界に近づいている。このときに58基の原子炉のうち56基をフル稼働したという。

フランス電力公社(EDF)は、電力急増による大規模な停電を防ぐために200万世帯に対して、一時的な停電を行ったという。200万世帯が大規模じゃないとすると大規模というのは、どのくらいの規模なのだろうか?

記録的に暖かい秋

今年のフランスの秋はいつもと違う秋となった。1990年以降より2番目に暖かい記録的なもので、平均気温が1.5度高い秋になったという。

10月になってもマルセイユの海岸で泳ぐ人の姿が見られ、内陸部でも半そで姿の人が町を闊歩するという具合だ。暖冬が予想されているが、やはり地球規模の温暖化の影響によるものとみられている。

サルコジ大統領、炭素税の導入を発表

フランスの炭素税の導入過程については、これまでにも記事を掲載しているが、ついに、ニコラ・サルコジ大統領が9月10日、炭素税の税額をCO2排出量1トン当たり17ユーロにすると発表した。炭素税は2010年に導入され、家庭も企業も同じように、化石エネルギー消費者すべてに課税される。17ユーロの税額は、CO2排出権市場の相場に基づいたもの。

税額17ユーロでも、「炭素税はすでに大きな努力となる。重油および軽油1リットル当たり0.045ユーロ近く、ガソリン1リットル当たり0.04ユーロ、ガス1kWh当たり約0.004ユーロ」に相当すると大統領は明らかにした。

さらに、数年後に省エネ行動が定着したおりに、税額が増額されるのはやむを得ない、と増税の可能性が強調された。

■還付は都市か農村で差があり

炭素税の導入とともに国民にとって気がかりだった還付だが、全額見積還付制度が全世帯を対象に導入される。還付額は家族構成や居住地(都市や農村)によって異なる。

炭素税17ユーロ当たり合計で、子供2人を扶養する都市部の世帯は来年2月から112ユーロ、同じ家族構成で公共交通機関がない農村地区の世帯は142ユーロが還付される。省エネ家庭にはメリットとなる仕組みなわけだ。

また、還付に関して透明性を徹底するために、監視を目的とした独立委員会も設置される予定だ。

■フランス企業の競争力も維持

気化燃料に著しく依存している漁業、農業、運輸業などの企業が、炭素税で不利益を被る事態を避けるために、手段や方策を見出すことも断言された。

「炭素税が農産物や海産物の輸入増加を助長したり、環境規準がより厳しくない(外国の)競争相手に比べて、フランスの運輸業者を不利な状態に追い込んだりすれば、気候変動対策の効果が上がることはない」と大統領は延べている。

さらに大半の企業を対象に、炭素税の導入とともに、投資にかかる事業税が2010年より撤廃されることを改めて明言した。

海藻は邪魔者か

日本や韓国では海藻はミネラルたっぷりの栄養食で、わかめ、のり、ひじきなどなど海の恵みをいただく大切な食物だ。韓国では妊娠すると、わかめたっぷりのスープを飲む習慣があるそうで、良質な栄養がとれるとされる。

お国変われば、海藻事情も変わるもので、フランスなど海藻を口にしない国々にとっては、単なる邪魔者に変身したりする。

フランスでは、海岸に大量発生し堆積した緑藻が大問題となっている。緑藻が分解時に発生する有害ガスを吸った馬が死亡したとされ、有害ガスの分析が行われた。

緑藻の分解で排出されるガスの主要成分は吸い込むことで有害となる硫化水素だ。局地的だが、数分間の曝露で、死亡するリスクがあることを示す数値が計測されている。

すっかり邪魔者の緑藻だが、大量発生しているので、有効活用できないかという研究も同時に行われている。まずは培養土としての利用が実現しそうだ。

フランス記録的猛暑

フランスでは猛暑日が続いている。南仏地方では46度を記録する日もあり、連日の暑さに警報が出る程だ。

記憶にまだ新しいのは2003年の記録的猛暑で、当時はクーラーを使用する習慣もなかったフランス人にとってショッキングな暑さとなり、高齢者の死亡件数も増加するなど影響を及ぼした。

今年の暑さは2003年ほどではないものの、フランス人の警戒心は強い。キャンプ場でも屋内での遊びが推奨された。脱水症状の老人が増えるのを恐れ、病院も体制を整えている。

フランスの夏も変わってきた。連日の猛暑日も来週以降は落ち着く見込み。もう少しの辛抱だ。