科学技術・デジタル

2026/8/8
深夜1時20分、Instagramで届いた勧誘――フランスが「デジタル空間の主権」を問い始めた理由
日曜から月曜に変わる深夜1時20分、トゥールーズのラ・フォレット地区で複数の銃声が響いた。麻薬取引が絶えず、過去にも銃撃事件が起きてきたこの地区で、未成年者1人が撃たれ、生死をさまよう重体となった。逃走した車からはカラシニコフ型突撃銃と拳銃、防弾ベスト2着が見つかり、18歳と24歳の男2人が組織的な集団による殺人未遂の容疑で正式に訴追された。取り調べで24歳の容疑者が語った言葉が、この事件をただの…

2026/8/4
声も、資産も、親しさも複製できる時代に、私たちは何を差し出しているのか
2025年秋のある朝、俳優ドニ・ポダリデスはいとこからの電話を受けた。「YouTubeで、あなたが哲学や自己啓発の文章を朗読しているのを見つけたよ」。ポダリデスに心当たりはなかった。コメディ・フランセーズの団員である彼は、そんな動画を撮った覚えがない。調べてみると、「Voix philosophiques(哲学の声)」という名のチャンネルが、ニーチェやニール・ポストマンの文章を、彼の声質にそっくり…

2026/8/3
「同意しました」のチェックボックスは、あなたが理解したことを意味しない
7月、フランスでDoctolib(ドクトリブ)を使う人たちのもとに、一通のメールが届いた。オンライン医療予約サービスとして病院や診療所の予約に使われているこのプラットフォームが、利用者の人口統計データと健康データを使ってAIの研究を始める、という内容だった。反対したい人はウェブサイトのフォームに氏名と生年月日を書き込み、「情報処理・自由法第56条に基づき、再利用に反対します」という項目にチェックを…

2026/8/2
検索窓の向こうに何を賭けているのか——GAFAと国家、真実の値段
金曜日の夜、パリの小学校教員が自分の研修記録を管理するシステムにログインしようとしたら、いつも通りのはずの画面がどこか違って見えた——というのは筆者の想像だが、実際にその週末、フランスでは似たような不安を抱えた人が少なくなかったはずだ。7月31日、フランス国民教育省は、業務用アカウントへのなりすましによって「多数」の職員の個人データが抜き取られた可能性があると発表した。住所や電話番号、社会保障番号…