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クロマグロ禁輸に欧米が支持

カテゴリー: 農業・畜産 | 公開日: 2010/3/11
クロマグロの禁輸にアメリカも支持する意向となり、フランスなど欧州とともにワシントン条約会議で可決しそうというニュースが流れてきた。 このクロマグロの禁輸に関してはモナコが提案したものだが、十数年前にも似たような案が提案していた。このときは否決されたが、漁獲量は国ごとに制限されて、「名目」上、各国はこの漁獲量に応じて漁をしている。 以前もフランスがこの提案に支持することを決めたことをお伝えしたが、同じEU諸国でも漁業国とそうでない国と分かれている。地中海沿岸の国は国内の漁業に影響を与えるとして反対の立場をとることが多かったが、イタリアやフランスなども賛成に回った。 漁獲高が減っているという話も聞かないし、広い海の中、誰がどうやって数えているのだか知らないが、クロマグロの個体数が減っているというなら、制限されている漁獲量を更に制限すれば良いようにも感じる。それではダメという事だろう。というのは、悪いのはこういう地中海諸国で、割当量の倍以上、国によっては7倍の出荷量があるのだ。 生きたまま採られたマグロは海の中に作られた「いけす」中にそのまま入れられ、養殖される。ここで太らされて出荷される。漁船から、そのままいけすに流されるので、実際どのくらいのマグロが捕られたのか正確には分からない。出荷する際に、養殖してこんなに大きくなりました、と言ってしまえばそれまでだ。 マグロ漁自体は地中海でギリシャやローマ時代から行われていた物で、日本と同様とといえる。しかし近年の日本を中心とする需要で、海のダイヤとも言われ、積極的に投資が行われてきた。地中海諸国の政府も利益率の高いマグロ漁を補助金を出したりして奨励したり、冷凍設備や空港などまでを作ったりしたと聞く。 日本から見れば、よその国のマグロにまで興味が無いと言えるのだが、日本向けに輸出されるこのマグロは、日本人の味覚に合うように脂肪分の多いマグロが「生産」されて、既に50%以上のシェアを占めている。 こうして一大産業になったマグロ産業と漁獲量を守らない欧米の業者が一番の問題なのだが、今回の提案は実に自分たちに都合が良く出来ている。禁輸と言ってもマグロをEU圏内では流通させても良いのだ。 反捕鯨で攻撃を続ける環境団体が今度は地中海のマグロ漁を妨害するというが、マグロ漁をやっているのは、地中海に限った事ではなく、アメリカ東北部(ニューイングランド地方、例えば、マサチューセッツ州やメイン州など)や西北部などでも行われている。まずはじめに自分の国でやればいい。

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