私たちの宣戦布告


フランス映画祭にかかわらず、映画のキャッチコピーって、実際の作品の印象と違うと思うことが多いと思います。確かに書いてある事には、間違っていないものの印象が全く違うという事があるんです。

「一組のカップル、ロメオとジュリエット。二人の子ども、アダム。闘い、病。なによりもそれは壮大なラブストーリー。」

この作品も、パンフレットに載っているビジュアルやコピーを見る限り、恋愛ものだと感じてしまうでしょう。この主人公の男女の役名は、ロメオとジュリエットですが、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」とは関係有りません。

ストーリーではこの二人はすぐ結婚し、子どもを授かります。この子どもの名前が「アダム」です。両親は発育に遅れを感じ、何かの不調を感じ病院へ訪れます。健全な子どもでも良くある親の過剰な心配に過ぎないと思われるのです。この辺の心理描写が子を持つ親なら誰もが共感するところでしょう。

しかし、この子が脳に腫瘍があることがわかり、手術を受けることに。手術は成功するものの腫瘍は悪性。更にそれは「ラブドイド腫瘍」という大変珍しい増殖の速いもので、回復の可能性は10%。

手術を受けるに当たっての葛藤、息子の闘病に共に戦うために決心やそのために起こる経済的な問題など、非常にリアルに描かれています。それもそのはず、このストーリーは、実話で映画の主人公が本人、脚本も本人達で書かれているから。最後には成長した息子が登場するが、これも本人。

両親の取る行動など、ごく普通に共感でき、実際ありそうな話など、納得しながら見ることが出来ます。問題提起とか、この手のテーマにありがちな悲壮感いっぱいという映画ではないのです。

この作品が良いところは、コメディータッチで描かれていて、シリアスになる所に笑いが入って来て見ている方も気が滅入ってしまう様な事はないのです。この辺の微妙なタッチがこの作品の非常に評価の高いところだと思います。

プレス資料によれば、音声はリアリズムを残すために雑音なども残したそうです。音楽も何曲はステレオだけれども、それ以外はモノ。観客がストーリーに集中出来る様にしたそうです。しかし、映画館の音響特性などにもよると思いますが、音楽が大変耳障りに感じることが多く、ヴィヴァルディの音楽なんて特にキンキンしてしまっていました。

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