AntenneFrance N.68

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                                  vol.68
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         N O U V E L L E
       i◆お知らせ
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       1◆『さらば、わが家』
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       2◆ワーテルローの復活
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       3◆Jean Jacques Goldman 5
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       4◆Mylene FARMER 3
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┃0┃お知らせ
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□バックナンバー検索サービス開始
 今まで発行されたAntenneFranceのバックナンバーを検索できるようになりまし
 た。ホームページにて利用可能です。
□サーバー機提供のお願い
 AntenneFranceでは、自前のサーバーをたて運営していくことになりました。そこ
 で利用は出来るが使っていないコンピューターなどがありましたら、是非提供し
 ていただきたいと考えております。
 ご連絡先メールアドレス:[email protected]
□翻訳ボランティア募集
 AntenneFrance での掲載されるフランスからの記事は、ボランティアによって翻
 訳されています。AntenneFrance では翻訳に協力してくれる方を募集しています。
 詳しくはメールでご連絡下さい。
 [email protected]
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┃1┃『さらば、わが家』
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 グルジア出身のイオセリアーニ監督は、新作『さらば、わが家』で再び逃亡への
 関心を見せている。映画の中に流れる軽妙で奔放なトーンが、教科書的なシナリ
 オや劇構成の規則、物語的な効果といったものに疑問を投げかけている。作品の
 主題は曖昧であるが、演出の魅力と監督独自の物語に対する世界観が作品全体を
 支えている。
 話は職探しにパリへやってきた田舎の金持ち息子が堕落していく過程と、女と遊
 び暮らしているように振るまうホームレスのような男の道のりとの交差によって
 展開していく。小説のようにディティールにまで懲った話だが、すんなりと入っ
 ていくことができる。
 物語は我々を魅了し、わざと脱線しながらも引きずりこんでしまう。そして他の
 作品なら端役でしかないような人物の紆余曲折で楽しませる。映画に描かれてい
 る要素がみな特異性をもち、魅力を放っているからある。
 イオセリアーニの詩的な世界には残忍さがつきものである。同情と金を得るため
 に人を欺いた乞食は、相棒だと思っていた金持ちに見捨てられ、欺かれる者とな
 る。しかし監督は皮肉をこめて描いているわけではない。イオセリアーニの魅力
 は、登場人物に道徳的視点を全く持たないところにある。人物、というよりはむ
 しろ影に近い存在であろう。会話が要点だけを伝える二次的なものにとどまって
 いるのもそのためである。
 この作品は無声映画への郷愁を感じさせる。なぜなら会話の代わりに、喜劇映画
 によくある音-ジャック・タチ(1908-82)の作品によくあるような - が使わ
 れているからである。
 作品を見てわかるように監督は現代の喧噪にはまったく無関心である。そこで詩
 的手段を使って、昨今の電話の氾濫に対して批判を試みるのである。携帯電話に
 向かって丁寧に話している城の女主人が、酔っぱらい亭主を愚弄するために何度
 も会話を中断する。
 こんな滑稽になりかねないシーンでさえ、監督の手にかかると詩的な味わいがで
 てくるのである。突飛なシチュエーションでおかしなギャグを使ってみせるイオ
 セリアーニは、道徳云々ではなく、ただ精神分裂ぎみの我々を指差して笑ってい
 るようでもある。
 表面的には見えないもの悲しさは、映画を古めかしく見せている。イオセリアー
 ニのおどけた目には優しさが表れている。彼が失望しているせいかもしれない。
 しかしイオセリアーニが人生に投げかける微笑は、都会の灰色や消え入りそうに
 青ざめた色を常夜灯のように明るく照らすのである。
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┃2┃ワーテルローの復活
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 英国産牛肉が新聞紙上に戻ってきたが、食卓へ上るのにはまだ時間がかかりそう
 だ。フランスは生産地の表示を要求して、英国産牛肉の禁輸を続行。消費者の健
 康と保護の責任を担う欧州委員会委員(イギリス人)は、新たな猶予期間をパリ
 に与えた。フランス政府は11月16日までに禁輸措置を解除しなければならない。
 リベラシオン紙は、一面を「愛の牛」で飾っている。在ブリュッセル特派員は
 「パリにおける反欧州 自閉的発作」「パリが抵抗を続けるとどうなるだろう
 か?」「フランスが単一市場になるという危険がある」と分析している。
 フィガロ紙は交渉の停滞と、イギリス側の内政論争に焦点を当てている。牛は
 「不和のリンゴ」(不和の女神、ディスコルドが投げたリンゴでトロイ戦争が始
 まったことから)なのだ。この牛肉戦争は、反保守側にブレア英首相の欧州びい
 きを非難するもっともな口実を与える結果となった。
 「パリは英国産牛肉にアレルギー」とトリビュ-ン紙。
 パスカル・オベール論説委員は「牛肉効果」と題した、皮肉とユーモアと歴史を
 交えた社説を書いている。
 アザンクール(100年戦争の時、イギリス軍が圧勝したパド・カレ県西南部の小
 村)、トラファルガー(ナポレオン戦争中、イギリス艦隊とフランス・スペイン
 連合艦隊の戦いでイギリス軍が圧勝した、スペイン西南岸岬沖)、ジャンヌ・ダ
 ルク(百年戦争の時、多くの勝利をフランスにもたらしたが、後火刑に処され
 る)- フランスとイギリスの関係の歴史に付きまとうこの3つの「良き」思い出
 が、再び甦ってきた。
 今回の牛肉をめぐるワーテルローの戦いでは、牛と組んだブレア首相がウェリン
 トン将軍のように奇襲をかける。一方ジョスパン首相はキャンブロンヌ将軍のよ
 うにイギリス軍に抵抗する。
 オベールは次のように結んでいる。「フランスが欧州委員会に従うということ
 は、近眼もしくは無分別、あるいはその双方に屈するということなのだ。」
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┃3┃Jean Jacques Goldman
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 AntenneFranceでは、ジャン-ジャック ゴールドマンを一押しフランス人アーテ
 ィストとして特集しています。
□忠実
 彼自身の生き方と考え方と調和して、ゴールドマンは、他の業界の人々とは大き
 く異なったイメージのおかげでファンを獲得しました。84年に、これまでと比べ
 るとはっきりと妥協したことの伺える「ポジティフ(積極的)」というタイトル
 で三枚目のアルバムが出されました。数ヶ月にして、50万枚を売り上げ、95年に
 ダイヤモンド・ディスクを受賞しています。つまり100万枚売れたということで
 す。スーパートランプのサックス、ジョン・ヘリウェルが力強い手助けをしてく
 れました。
 最初のシングル・カット「アンヴォル・モワ(僕を跳び立たせて)」は前作のシ
 ングルと同じ運命をたどりました。「アンコール・アン・マタン(また朝が来
 る)」、「ロング・イズ・ザ・ロード」がそれに続きました。このアルバムには
 次のような献辞がついています。「そうすることがあまり簡単でない時にも、忠
 実なままでいてくれるであろう人々に」、あたかも彼が、自らの名声とファンの
 熱中を不信に思い、十分な明晰さを保っているかのようです。
 いつもと変わらぬアプローチで、ジャン=ジャック・ゴールドマンは85年に「ノ
 ン・オモローグ(同じ価値なんてない)」を出しました。ジャケットには、彼の
 微笑んでいる姿が見られます。これまでよりリラックスした感じで、おそらくは
 自分のスターとしての地位をうまく受け入れることができるようになったので
 しょう。彼の歌声が、そのことを示してくれています。
 最初の曲、「コントゥ・パ・シュール・モワ(僕を頼りにしないでくれ)」では
 彼の人生への暗示が見られます。ファンの方は、「ジュ・トゥ・ドンヌ(君にあ
 げるよ」を支持しました。この曲は、ここ数年来の共演のために自らを惜しまな
 いミカエル・ジョーンズとのデュオを披露しています。
 音楽的には、非常に効率的で、アメリカのFM放送のロックの傾向に近かったこの
 アルバムは、むらのない作品であると言えます。たとえば、「ラ・ヴィー・パー
 ル・プロキュラシオン(要求による人生)」のようなしっかりと構成され、はっ
 きりとした歌詞の支えによって、みんなが成功と認めるアルバムとなりました。
 はっきりとした政治的に立場をとることを拒否しているジャン=ジャック・ゴー
 ルドマンですが、68年の対立、思想の運動、そこからいろいろなものが生まれた
 さまざまなイデオロギーを経験した世代の出身でもあります。社会的な問題には
 関心のある彼は、85年にSOS ラシズム(人種差別反対の団体)の主催でコンコル
 ド広場で6月15日に開催されたエチオピアのための慈善レコードとコンサート
 (この国の飢餓に対する募金収集の手段として)に参加しました。
 そして「レストラン・デュ・クール(心のレストラン)(喜劇役者コリューシュ
 (故人)が始めた浮浪者のためのチャリティー団体)」のために曲を書くまでに
 至りました。
 続く
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┃4┃Mylene FARMER 2
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 Mylene FARMER特集の2回目です。
■スポーツ会館での初舞台
 もともととても控え目な性格だったが、その歌手はついに1989年、舞台に上
 がることを決意した。Saint Etienneにて試験的にコンサートを行ったあと、5月
 に1週間、満席となったスポーツ会館で彼女は初舞台を踏んだ。
 その後、52日以上もの月日をかけて、フランスやヨーロッパでコンサーツツ
 アーを行った。彼女の高くするどい声で、 Mylene Farmerは多くの観客を常に惹
 きつけるために素晴らしい見世物となる舞台を演出した。すでに熱狂的なファン
 や観客の好奇心を確実に鈍らせるであろうマスコミの前に進んで姿を現さないこ
 とで、彼女は神秘性を保った。
 89年12月に発売されたライブアルバムでこのツアーの様子を知ることができ
 る。
 1990年は、アルバム”L’autre”のために新曲10曲のレコーディングに時間を
 割いた。このアルバムは1991年に発売された。
 ”Desenchantee”, “Regrets” (Jean-Louis Muratとのデュエット), “Je t’aime
 melancolie” そして “Beyond my control” (残酷すぎる映像のため放送禁止と
 なった)などは豪華なビデオクリップが制作されたこともあり、このアルバムは
 コンサートツアーのきっかけとなり、ツアーも一般の人々からも好評を博した。
 1992年11月、評判のよい曲を編纂し、リミックスしたアルバム”Dance
 remixes”が発売された。92年の冬から93年にかけて、Mylene Farmerは長編映
 画”Giorgino”にかかわった。監督は当然ながら無視できぬ人・Laurent Boutonnat
 である。撮影は5カ月間スロバキアで行われ、厳しい状況のなか、この長い物語
 は撮影された。この映画で、彼女は自閉症の若い女性役を演じている。
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┃i┃AntenneFrance 姉妹サイト
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◆◆ICHIBANDORi
◆◆http://www.masahiro.org/ICHIBANDORi/
   フランスのポップス『フレンチ・コンテンポラリー』を中心にフランスを紹
   介します。フランスのラジオ局や音楽チャンネルの協力で曲やビデオクリッ
   プなどを見ることが出来ます。
◆◆L’HEXAGONE フランス情報省
◆◆http://www.metamondes.com/HEXAGONE/
   フランス関係の総合検索エンジン。フランスに関する情報と日本のフランス
   関係のサイトおよびフランスの有益なサイトを検索できます。
◆◆フランス・ウェブリング
◆◆http://www.metamondes.com/WebRing/
   日本語のフランス関係のサイトのウェブ・リングです。
   日本のフランス・コミュニティーの輪です。
◆◆MelFR@NCE フランス情報メーリングリスト
◆◆http://www.electriccafe.net/MelFRANCE/
   フランスに関係した情報を交換する為のメーリングリストです。質問などマ
   ナーやルールを守ってご参加下さい。
◆◆映画専門マガジン ScreenKiss
◆◆http://www.ScreenKiss.com/
   ただの紹介ではない深~い内容で映画を紹介します。映画関係者のインタビ
   ュー、タイムリーな映画祭情報、パパラッチ的俳優情報、Paris・NY・London
   の映画情報など多彩なコンテンツでお届けします。
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  【発行人・編集長】   【フランス支部】    【翻訳部】
   中津川 昌弘      Philippe BERTHET    片山 貢
               横田 まり子      鈴木 実奈子
  【編集部】                    熊谷 奈穂子
   小杉 妙子      【制作部】        高橋 明日香
   野口 和江       小俣 小夜子      長島 順子
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  【編集第2部】      校條 咲        池田 由佳
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               大崎 慶子       石川 綾子
◇◇協力・提携_____________________________◇

  TMF 日仏メディア交流協会
  INA フランス国立視聴覚研究所
  RFI フランス国営国際放送
  Le Petit Bouquet
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