マリ:フランス軍が撤退する陰でロシアの脅威

フランス軍が段階的に撤退していくことに不満をあらわにしている西アフリカのマリの首相が、自国の治安維持のためにロシアの民間軍事会社の傭兵を雇い入れるか計画があることを明らかにしました。

ワグネルという名前の会社は、数千人の傭兵を抱えるロシアの民間軍事会社です。これまでもウクライナ、シリア、リビアでも活動が確認されています。

裏でプーチン大統領の影がちらつく会社です。ロシア政府は関係を否定しています。ワグネルという名前が初めて注目されたのは6年前のウクライナ紛争で、親ロシア勢力側で戦っていました。それ以降ワグネルの傭兵は紛争が続く複数の国で決定的な役割を演じるようになります。

シリアでは朝の大統領を支援し、リビアではハフタル司令官率いる東部のリビア国民軍(LNA)を支援しています。中央アフリカ共和国の内戦ではトゥアデラ大統領を支援、そして今後マリでも活動する予定です。

ワグネルの傭兵はシリアなどで拷問を行っていると伝えられています。またワグネル社を調べていたジャーナリストが3人中央アフリカ共和国で殺害されています。

ロシアでは表向き民間の軍事会社の経営は禁止されているため、傭兵との関係を次のように否定しています。しかし、そこにロシア政府にとってのメリットがあるのです。アフリカにおけるロシアの影響を拡大しつつ都合が悪くなればワグネルとの関係を否定すればいい訳です。表立ってはできない汚い仕事を彼らに裏で委託しているのです。

専門家の話ではワグネルの傭兵はアフガニスタンでもアメリカ軍が撤退したわずか数日後に活動を開始しているということです。

Radio France International
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