フランスでも懸念される新型インフルエンザ
世界的大流行が懸念される新型インフルエンザ。以前からアンテンヌフランスでも新型のインフルエンザが大流行する可能性があることをお伝えしてしてきたが、それが現実となりそうで、世界各地のマスコミも報道している。
日本のマスコミのようなヒステリックな報道ではないものの、さすがに深刻な内容なだけあって力が入っているようだ。ジャーナリズムでは特攻隊長的なフランスでは早速、発生源と思われるメキシコの村に取材している。日本のマスコミもプライバーシーが守られるべき高校に殺到しないで、こういう取材をして欲しいものだ。
未だに感染ルートははっきりしていないが、メキシコのベラクルス州のラグロリア村が発生源と噂され、この村のすぐそばにある養豚場などを取材している。腐った豚の骸骨などが放置され不衛生だ。最初に症状を訴えた少年にもインタビューをしていた。現在はこのインフルエンザの症例は無く、あるのは普通のインフルエンザだけだという。
原因のウイルスの遺伝子を解析すると豚、鳥、人インフルエンザの雑種だったそうだが、豚インフルエンザにより近かったために、豚インフルエンザと呼ばれるようになった。
ただ、このインフルエンザ、日本やアメリカでは豚インフルエンザといわれているが、豚が原因かどうかはまだはっきりしないようだ。WHOは豚インフルエンザを意味するSWINE FLUと表現しているし、アメリカのテレビでもこう表現している。パリに本部を置く国際獣疫事務局(OIE)は「北米インフルエンザ」と呼ぶように提案しているし、EUでは「新インフルエンザ」と呼ぶべきだとしている。これは食用としての豚
のイメージ悪化につながるからだ。イスラエルでは、ユダヤ教やイスラム教では豚が不潔な動物で食べることを禁じているが、この豚の名称を使うのは屈辱的という理由だそうだ。
フランスでは客室乗務員がメキシコ便への登場拒否する事態が起きたが、フランス政府もEUとしてメキシコへの渡航を禁止する提案を出したが、これは却下された。
感染が拡大している国ではパニックにならないように政治家などが呼びかけているが、国によっても予防策は様々だ。マスクは本当に危険な場合にのみに使い、使った物は速やかに捨てるように報じられたり、タミフルやリレンザといった治療薬は薬局から回収され病院や保健所のみで配られるという対応だ。
やはりこういった事態が起こると万一のために買い置きする人が出てきている。治療薬が意味もなく不足してしまう可能性があるばかりか、予防には役に立たないし、ウイルスに耐性がついてしまう可能性があるからだ。
発生源とされるメキシコでも日本と同じように1日から5日まで連休になっているようで、外出を控えるように呼びかけている。4月30日はメキシコではこどもの日だったそうだ。