電磁波はどのぐらい悪者か

フランスでは電磁波による健康障害に対する関心が高く、4月に入ってからは携帯電話と中継アンテナが人体に及ぼす影響について話し合うシンポジウムが行われている。

国や自治体、電話会社、市民団体の代表者が参加して、最新のデータに基づき話し合おうという注目度の高さだ。

携帯電話の中継アンテナに関しては、司法の場に持ち込まれるケースも出てきている。

今年に入ってからは、2月に高等裁判所が携帯電話基地局撤去を命じる判決を出している。このケースは、ローヌ県の住宅地に住む3組の夫婦が、近隣に建てられたブイグ・テレコム社の携帯電話基地局の撤去を求めて起こしたもの。基地局は高さ19メートル、樹木の形状をしたものだ。

アンテナの存在によって健康上のリスクにさらされることや、視界障害(trouble visuel)による損害が生じているとして賠償を求めていた。

2008年の判決では各夫妻へ3000ユーロの支払いと、基地局の撤去を命じられたが、ブイグ・テレコム社は控訴。2009年2月にベルサイユ高等裁判所から各夫妻へ7000ユーロの支払いと基地局の撤去を命じるかたちで幕を閉じた。

問題となっているのは電磁波の人体への影響だが、中継アンテナが人体に有害な影響があるのかどうかは科学者の間でも見解が分かれているのが実情。

様々な実験が行われているが、ボランティア200人が計測値をつけて日常どのぐらいの電磁波を浴びているか計測したところ、FMラジオ、携帯電話、テレビなど全てあわせても平均1.5volt/metre程度という結果が出ており、懸念する数値を下回るものとなった。

人体に及ぼす影響がどの程度のものかはっきりしないため、何かと心配になるのは将来の人たちの健康にどう影響するのか。つまり妊娠中、お腹の中にいる胎児たちへの影響だ。日本でも妊婦の人がパソコンで仕事をするときは電磁波予防エプロンをつけたほうが良いというアドバイスを聞くこともあるが、電磁波が気になるのならと言った控えめなもの。

また、小さな子どもたちへの影響を懸念する声も最近は増えてきているが、見えないリスクにやみくもに怯えるだけで、対策がはっきりしない困った現状が続いている。

それだけに、フランスの電磁波に対する活動は国際的にも注目度が高く、今後も期待したいものである。

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