アンヌ・フォンテーヌ監督 インタビュー『マルヴィン、あるいは素晴らしい教育』

監督を始めるきっかけは?

女優としてデビューしたのは17歳の時にダンスをしているときに偶然見いだされて女優デビューしたのです。そのあとすぐに女優はずっと続けていける職業じゃないなと思い、どちらかというと俳優さん立ちを演出したいなと思ったので監督業に転身しました。

監督としては何作目ですが?
長編は16本です。

初めは短編を撮っていったのですか?
いいえ、最初は短編ではなく、映画は独学で学びまして、1993年に始めてカンヌに作品を出品することが出来ました。これは映画の脚本を書いて監督をしたいと思っていたのですが、最初は大変でした。

今回の作品は脚本も書かれているのですか?
共同で書いています。

テーマの案はどちらから来たのですか?

元々はプロデューサーが本を持ってきてくれて、それを読んだのがきっかけです。
その本は、若手作家が自伝小説として書いたもので、恵まれない家庭環境で育った若者の幼少期の話です。差別だとか同性主義を嫌うような環境に置かれた幼少期の話です。そこから、その子が将来どのようになっていくのか、ということをイメージを膨らませて、映画にしたら面白いだろうなと思ったのが本作の誕生のきっかけになりました。フィクションと実際の話が混在しています。

タイトルのouというのに違和感を感じがしたのです。
Ou(あるいは)というのが、○○あるいは、○○という意味のouではなくて、フランスの19世紀の文学的な表現から来ています。このou belle educationという部分に何が含まれているかというと、テレビぐらいしか教養のない、知的レベルのあまり高くない家庭に生まれ育ったマルヴィンという主人公が、どのように教育を通じて超越していくかということをレトリック的に表現したものです。これですか?これですか?という意味のouではないんです。

今回はいじめとか性的マイノリティーに対してのテーマがあるのですが、これは社会に対してのメッセージがあるのでしょうか?
これは同性愛をメインテーマに扱った映画ではなくて、もっと広義的に人とは違うと言うこと、例えば、太っているとか、ユダヤ人であるとか、黒人であるとか、そういった人とは違うと言うことに苦悩している若者がそれを乗り越えて、今回の場合は芸術作品を作ることで乗り越えていくという話です。

同性愛を啓蒙するという作品ではないということです。みんなに共感してもらえる作品です。

日本にはなんかも来てますよね
はい。

日本でのプロモーションを重視されているんですか?

そうです。日本の皆さんはフランス映画をとても好んでくれていますし、日本の文化とフランスの文化には非常に関わりがあると思いますので、フランスの映画作品を私たち監督が擁護するというのは重要な事だと思います。

昨日、日本の映画監督でパルムドールを受賞された是枝監督を紹介していただいたのですが、去年日本で公開となった私の前作である「夜明けの祈り」を見て、映像美に感動したという言葉をいただきました。パルムドールを取るような素晴らしい監督に見ていただいたと言うことは、私にとっても光栄でしたし、日本人の映画監督とも交流できるというのも光栄なことです。

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