映画「タイピスト」レジス・ロワンサル監督インタビュー

タイピスト
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8月17日(土)〜ヒューマントラストシネマ有楽町ほか

作品に関してはこちらを参照。

レジス・ロワンサル監督インタビュー

Régis-ROINSARD
Q:初の長編監督と聞いていますが、どのようなきっかけで製作することになったのですか?

A:僕がテーマを選んだというよりは、テーマが僕を選んだという方が正解です。50年代に行われていたタイプライター早打ち大会のドキュメンタリーを見たのがきっかけです。クレイジーに面白いものを見つけた!と思いました。

そして、どう映画に仕立てようかと考え、「若い女性がタイプライターの早打ち大会を通じて、スターになって生きていく」というのを思い描いたんです。そして、その中に愛を描き、自分の50年代への思いを入れたのです。

Q:もともとテレビドラマの監督をされていらっしゃったので、テレビドラマより映画にするのはハードルがあったのではありませんか?

A:僕も主人公のローズと同じです。自分自身を信じていたのです。映画にする恐怖はなく、バジェットを気にすることはありませんでした。ストーリー、人物を愛することが大事でモチベーションが高かったですね。

そして、良いプロデューサーに出会えたことが大切で、プロでユーサーと気違いのように資金集めをしました。シナリオ、ビジュアルを描いていたので、いろんな人がシナリオに興味を持ってくれたわけです。

大きなバジェットでしたが、余裕があったわけではありません。何しろ最初の作品ですから。「最初からブルジョワ化するな、お前がこのバジェットの中で戦え」とプロデューサーから言われたこともあります。それで、製作・技術スタッフと一丸となって製作することもできました。

フランスのジャーナリストには、僕自身のことを「主役のローズと似たところがありますね。フランス映画界のアウトサイダーですよ」と言っていました。

Q:大会の様子は実際の様子を参考にされたのですか、それともオリジナルで作成したのでしょうか?
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A:確かに情報収集に時間をすごくかけました。3,4年かけてリサーチをしました。なかなかそういうアーカイブはなく、タイプライターの早打ち大会に関する資料は捨てられたのか、奥深いところにしまわれたのだと思いました。早打ちコンクールはドキュメンタリーからインスパイヤーされています。

一方、トーナメント形式にしたのは、僕が思いついたものです。ひょっとしたら、当時もそうやっていたのかもしれませんが。カナダとアメリカのチームでシェイクスピアを48時間リレー形式で戦うというドキュメンタリーもありましたが、それは活用しませんでした。

Q:タイプライターの早打ち大会、決勝はアメリカで迎えますね。それがフランス的に感じました。アメリカで最後を迎えた意図を教えてください。

A:それには二つの理由があります。現実的な意味では、当時タイプライターのリーダー的存在はアメリカでした。タイプライターのメーカーはアメリカ、早打ち大会のチャンピオンはアメリカの女性でした。

また、もうひとつの理由は僕の個人的なものです。僕のフィアンセはフランスとアメリカの両方のカルチャーを持っていますし、親しい友達もアメリカ人が多いのです。僕はアメリカとフランスをよく比較しているので、僕にとってアメリカが最後に出てくるのはとても自然なことです。

「アメリカはビジネスでフランスはラブだ」というセリフを最後に入れました。フランスもアメリカもどちらか一方ではないけれど、当時はそういう意識はあったんだと思います。

そういうふうにフランス的と言ってくれるのは嬉しいですね。自分たちの国の身近なことがユニバーサルにつながる。小さなことを大切にしていればいろんな国の人の心を打つということがあると思います。

戦後はアメリカに対するフランスの憧れがあったのは事実です。僕の母親はノルマンディーに住んでいたから、ノルマンディー上陸の話をよくしてくれましたしね。

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